星空のキャンプ地でUFO座談会! 青森「新郷村ミステリーキャンプ」レポート
青森県の新郷村で「ミステリーキャンプ」が開催された。星空を見上げながらUFOを語り合うイベントに300名以上が参加。青森はミステリーのホームグラウンドだ。
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青森県のキャンプ場でミステリートーク……? 不思議な組み合わせのイベントも今年で2回目。「UFO音頭」に沸いた会場の様子をレポート!
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去る9月16日、青森県新郷村で「ミステリーキャンプⅡ~UFO音頭で新郷へGO!!」が開催された。
キャンプ、ミステリー、UFO、音頭。謎の組み合わせだが、「ムー」も協力する大規模イベントであり、今年で2回目だ。
メインとなるスペシャルトークショーには、月刊ムーの三上編集長と並木伸一郎先生、そして松原タニシさんに筆者・宇佐和通を加えた4名がスピーカーを務め、それぞれが超常現象トークを持ち込む90分をお届け。ほかにも「スプーン曲げチャレンジ」から飲食ブースがさまざまなアトラクションが組み込まれた盛りだくさんなイベントだった。
当日は月刊ムー三上編集長が十和田湖へのミステリーバスツアーにガイド役で参加。30名の参加者と新郷村のミステリースポットから十和田湖のピラミッド、キリスト像などを巡回した。
並木伸一郎先生と筆者、そしてwebムーの望月氏は午後の早い時間に会場入りしたのだが、道中で「キリストの墓」とか「大石神ピラミッド」とか、去年訪れた不思議スポットの標識を見るたびに、新郷村という土地の特殊性をあらためて感じた。ミステリーキャンプのような趣のイベントが行われる場所として、本当にふさわしいのだ。
新郷村といえばなんといっても「キリストの墓」だ。今年の6月は4年ぶりに「キリスト祭」が本格開催され、キリストの里公園に集まった人々が盛大に「ナニャドヤラ」を踊った。そういえば、去年も今年も宿泊しているホテルのすぐ近くにあるカフェのスタッフのみなさんからたくさんのプレゼントをいただいた。すべての関係者の方々から、盛り上げようという気持ちが感じられるのだ。
新郷村に住む人たちすべてが不思議さを受け入れ、伝承をそのまま信じているというわけではないのだろうが、「キリスト祭」や「ミステリーキャンプ」といった大きなイベントでは地元の人々と参加者全員がひとつになる。会場で警備にあたる方々もケータリングの方々も、実行委員会も村長も地元出身のMCの方も、熱量はまったく変わらない。
会場の間木ノ平グリーンパークというキャンプ場には、多くの人たちが詰めかけていた。さまざまな種類のフードスタンドやキャンプ用品を販売するテントに囲まれた広場が客席スペースとなるのだが、まだかなり陽が高い時間なのに、ステージに近いところから徐々に埋まっていく。スペシャルトークのお題はミステリーだ。それでも家族連れが多く、会場は独特のおおらかな空気で包まれていた。
十和田湖から戻ってきた三上編集長、会場入りした松原タニシさんと合流して進行を確認し、トークショー前のイベントである「スプーン曲げチャレンジ」がそろそろ終わるかというあたりで、空が茜色から群青に変わる。会場のあちこちに仕立てられているかがり火も明るさを増した。暗くなりきる前に舞台袖からちょっと覗いたら、ざっと300人くらいのオーディエンスがステージ前を中心にして放射状に広がっているのが見えた。
トップバッターは並木先生。最新映像を紹介しながらUAPの現状をテーマにきっちり語られた。続くタニシさんは、事故物件居住歴の中でも突出したエピソードをシェアしてくれた。後を受けた筆者は、都市伝説とコピーキャット犯罪にまつわる話をさせていただいた。トリの編集長は、UAPと地底人というちょっと変わった組み合わせのプレゼンテーションで会場を大いに沸かせた。スペシャルトークショーに関しては動画もアーカイブもあるので、詳細はそちらでチェックしていただきたい。
そして、「UFO音頭」だ。トークショーからの“音頭”という流れは、モチーフがUFOであってもちょっと違和感があるのかなと思っていた。しかし、である。UFOだけにピンクレディーの衣装に身を包んだ歌い手のレコにゃん(小西礼子)さんがステージに登場しただけで、会場が一気に盛り上がった。そのままのテンションで突入したUFO音頭は、このイベントが事実上のお披露目であるにもかかわらず、終了後にはすでに口ずさんでいる人が何人もいた。オーディエンスとの親和性は想像以上に高かったのだろう。
新郷村という土地のアイデンティティの核となる部分は、大石神ピラミッドやキリストの墓の存在も含めて、こういうところにあるのだと思う。それは、山の中の少し高い場所にある大石神ピラミッドの周囲を満たす空気にも感じられる。チャンスがあったらあの岩の上に立ち、両腕を広げて空を見ながら、深く息を吸い込んでみていただきたい。澄み切った山の空気以上の何かを感じ取ることができるはずだ。
キリストの墓が立つ場所の空気の独特な香りも、ぜひ確かめていただきたい。樹木から発せられるものだけでは決してない。近づくに従って空気の密度も温度も変わるような気がする。ナニャドヤラを踊る人々のエネルギーも宿っているのだろう。
キリストの墓から数キロ離れた場所には、長慶天皇の陵墓といわれる「三婆羅塚」という古墳がある。新郷村にキリストの墓があるという仮説の論拠である『竹内文書』には、超古代文明が繫栄していた時代から天皇家が存在していたことが記されている。
こうしたさまざまな要素がひとつにまとまって、新郷村という不思議な場所の独特のアイデンティティに昇華しているのだ。筆者はしばしば、本当はトラベルライターになりたかったのかもしれないと感じることがある。そして新郷村を訪れるたびに、その気持が新たになる。
特定の場所や物件ではなく、新郷村全体がミステリースポットであるーー。そう確信できる1日だった。
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宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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