竹内文書 日本の超古代文明を伝える古史古伝/世界の新七不思議
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超人の宝庫・竜飛崎に続いてタニシが訪ねたのは、ムーではおなじみ青森に眠るあの超人(聖人)の墓。日本でもトップクラスのオカルト的奇祭に参加してきた!
竜飛崎で意外にもたくさんの超人をみつけてしまった松原タニシ。しかし今回青森にきたいちばんの目的は、こちら。
知ってる人は知っている「キリストっぷ」……といえば、青森県新郷村のキリストの墓。そしてキリストの墓といえば、毎年6月に行われるのがキリスト祭。今回は、キリスト祭の取材のために青森までやってきたのだ。
ムーではおなじみの「キリストの墓」。あらためて確認すると、キリストはゴルゴダの丘ではりつけになったはず。聖書にもそう書かれていることだが、じつは処刑されたのはキリストではなく、身代わりになった弟イスキリだったのだ! はりつけを逃れたキリストははるばる日本にやってきていて、落ち着いた先が青森の戸来村、現在の新郷村だった。キリストはここで106歳の長寿を全うした……というのが、日本の古史古伝「竹内文書」にもとづいた伝説なのである。
「竹内文書」系の伝説によれば、もともとキリストは若い頃にも日本で数年間修行をしたことがあり、その後中東に戻って教えを広めた。ゴルゴダの丘を脱出したあとは、アラスカ経由で日本に渡ってきた、という。
2000年前、日本で亡くなっていたキリスト。しかしその墓が「発見」されたのはわりと最近で、昭和10年のことだ。村には昔から塚があり管理もされていたのだが、よくわからないけどまあ昔の偉い人のものだろう……くらいの感覚だった。そこに昭和10年、竹内巨麿という人物がやってきて、「これはキリストの墓だ!」と告げたのだ。この竹内巨麿が先祖から受け継いだという古文書が「竹内文書」で、そこには宇宙の創造からはじまる驚愕の歴史が記されているといわれる。
……と、竹内文書をちゃんと説明しだすと大変なボリュームになってしまうのでこのへんでとどめるが、「キリストの墓だ!」という竹内のお告げはなんとなく村人たちに受け入れられて、戦後になると村おこし的に盛り上げられ「キリスト祭」がスタートしたというわけだ。キリストの墓の隣には弟イスキリの塚もあり、これをまつるのがキリスト祭なのである。
こちらは明治時代にキリストの墓だと「発見」されるよりずっと前から代々塚を守ってきた沢口家のお墓。沢口家の家紋が星型なのも、なにやらユダヤと関係があるのでは……といわれたりもしている。
キリスト祭の来賓席には、村議会議員から国会議員までがずらりと並ぶ。じつはムーの三上編集長もここに参列したことがあるそうだ。
こちらがキリスト祭の祭壇。由緒正しい地元の神社である三嶽神社の神主さんが祝詞を奏上する。キリスト祭、ちゃんとした神社のちゃんとした神職の方がちゃんとした祭祀をおこなうのだ。キリストなのに神道というのもユニークなところ。
つづいて田中獅子舞保存会のみなさん。キリスト祭では獅子舞も奉納される。
そして、祭りのメインイベント的なのが「ナニャドヤラ」という盆踊りのような踊りの奉納だ。ナニャドヤラ、人だかりができるくらいすごい人気なのだが、タニシも参加させてもらい踊りの輪に加わってきた。たっぷり一時間練習。うたって踊れるピン芸人です。
これがキリストの墓といわれる十来(とらい)塚。
それにしてもキリスト祭、人気もさることながら、なにがすごいってもう59回目ということだ。
はじまったのは1963年で、日本中がオカルトブームにわいた70年代よりも前。ムーの創刊1981年よりずっと前のことだ。しかも、こういういろいろ言われそうなイベントなのに、それを今まで続けてきた信念がすごい。
というわけで、青森の新郷村で超人キリストの足跡を追いかけたのだけど、今回は「超人の祭」つながりということでもうひとつ、場所をかえて祭りを追ってみた。次回につづく。
松原タニシ新刊「恐い食べ物」
松原タニシ
心理的瑕疵のある物件に住み、その生活をレポートする“事故物件住みます芸人”。死と生活が隣接しつづけることで死生観がバグっている。著書『恐い間取り』『恐い旅』『死る旅』で累計33万部突破している。
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