追われ続けて50年超! 「野槌」「ツチノコ」/朝里樹の都市伝説タイムトリップ
姿を変えて現れるあの蛇の正体とは?
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かつてツチノコの目撃で話題を呼んだ町に残されていた「ツチノコのミイラ」を徹底分析! CT画像の解析から明かされたその意外な正体と、いま町が企画している新たなツチノコプロジェクトとは!?
目次
かつてツチノコ目撃が多発し、捕獲に2億円もの賞金がかけられて話題を呼んだ兵庫県宍栗(しそう)市の千種(ちくさ)町に由来する〝ツチノコのミイラ〟が現存していた!
筆者が、本誌2020年2月号でこのミイラをレポートするや、大きな反響を呼んだ。だが、直後にコロナ渦が始まったことと、匿名を条件に取材を受けてくれたミイラの所有者は、ツチノコの話題をおもしろおかしく報じるメディアに不信感を抱いていたため、ムー以外で公開されることはなかった。

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しかし、コロナ渦が収まり、高齢だった所有者が亡くなったことで状況は変わった。思いがけずツチノコのミイラを受け継いだ所有者の一家は、西本という実名を明かしてミイラの正体を解明したい、ミイラを保全したいと願ったのだ。
こうして、ツチノコのミイラは2本のテレビ番組でそれぞれ科学的検証が試みられた。
まず、2022年7月27日にTBS系で放映された「ワールド極限ミステリー3時間スペシャル」では、ミイラのCT検査が行われた。その結果、手足の痕跡はなかったが、ヘビにはない肩甲骨と骨盤が確認された。また、瞼(まぶた)の形跡があり、歯はヘビのように細く尖ってはおらず、丸みのあるものと判明したが、ミイラの種を特定することはできなかった。
つづいて、2023年12月27日にフジテレビ系で放映された「世界の何だコレ!?ミステリー4時間SP」は、ミイラから剥がれかけていた小片を採取してDNA鑑定を行った。結果、ミイラのDNAは、ヘビにもトカゲにも合致せず、一番近かったのは70パーセントが一致した昆虫のガであったという。

こうしてテレビ番組では正体不明に終わったが、このほどムー編集部は「ワールド極限ミステリー」で撮影されたミイラのCT画像を入手し、独自に検証を試みた。ミイラのCT画像を、田園調布動物病院の田向健一獣医師に見てもらったのである。以下に見解を箇条書きでまとめたので見てほしい。

①腹部が蛇腹ではなく細かい鱗に覆われているため、ミイラはトカゲだろう。
②頭部の鱗からキタアオジタトカゲと思われる。
③全身のサイズから小柄の個体。
④瞼の有無はよくわからない。
⑤ヘビには肩甲骨、骨盤はないが、ミイラにはそれが存在している。
⑥尻尾は切れて短くなっているようだ。
⑦顎の骨と肋骨は折れている。
以上の点から、ミイラはアオジタトカゲの手足を切ったものと思われる。
しかしながら、ミイラの写真はもちろん、CT画像を見ても手足が切断された形跡は認められない。また、検証したテレビ番組はミイラの由来を詳細には伝えず、田向獣医師も写真だけから見解を述べている。筆者もムーに掲載したレポートで、ツチノコのミイラの腹部がトカゲのように細かい鱗に覆われていることを指摘し、それこそがこのミイラの最大の謎とした。


通常、ヘビの腹部には幅の広い腹板と呼ばれる鱗が連なっている。この腹板と背中の鱗の境目には少し角があり、地面にひっかかるようになっている。ヘビは、このひっかかりを脚のように使い、腹部を滑らせて進む。
では、手足も腹板もないミイラ化した生物は、どのようにして動いたのか? 謎を解く手掛かりは、ミイラの最初の所有者から筆者が直接伺った、ツチノコらしき生き物を手に入れたいきさつにあるので振り返りたい。

西本勉さん(2019年の取材時は81歳)がツチノコを発見したのは、2001年2月初旬のことだった。その日の午後、千種町にかつてあった牧場に車で向かった西本さんが山道に入ると、前方の山の斜面が崩れていた。
徐行して進むと、崩れ落ちて積もった土砂の上部から何かが頭を突き出している。車を降りて近づくと、開いた穴から小さな生き物が頭を出していた。西本さんは、興味を引かれながらも先を急ぎ、用事をすませて現場に戻ると、まだ生き物はそこにいた。好奇心旺盛な西本さんがヒモをその首に巻き、穴から生き物を引き出すと、見たこともない太くて短いヘビだった。まだ生きていたので、レジ袋に入れて持ち帰ったという。
帰宅すると、友人が訪ねてきていた。そこで、ぐったりしている生き物を見せると「噂のツチノコかもしれない」というので、ツチノコについて教えてもらった。
と、そのとき、異変が起きた。ふと見ると、窓から40〜50センチ離れた畳の上に置いていた生き物が窓ガラスに貼りついていたのだ。
残念ながら、西本さんも友人も生き物が動いたところは見ていない。だが、時間的にみて、畳を這っていったのではなく、外に逃げようとしてジャンプしたと思ったそうだ。
生き物を手でつかんで畳に置いた西本さんは、友人に促され、家にあったレンズ付きフィルムでその写真を撮りはじめた。すると、じきに動かなくなったので、死んだと思った西本さんは、記憶を確かなものにしておこうと、窓ガラスに生き物が貼りついた様子を死体で再現し、写真を撮った。庭の土の斜面に穴を掘り、穴から生き物が顔を出していた発見時の再現写真も撮影したという。


その後西本さんは、物置状態で暖房を入れていない2階に死体を吊るして干した。するといい加減に乾燥し、やがてきれいにミイラ化したので、湿気対策を施したプラスチック容器に入れて保管することにしたそうだ。発見時には生きていたツチノコらしき生き物は、冬眠中に崖崩れに遭ったのだろう。そして、西本さんが持ち帰るとじきに死んだことから、かなり衰弱していたと思われる。
そう、ミイラのCT画像を見て田向獣医師が指摘した顎の骨と肋骨が折れていたこと、そして骨盤が左右に割れていたことは、崖崩れが原因と推測されるのだ。しかし、肩甲骨と骨盤の存在は、手足を持つ生物であることを示している。とするとミイラは、おもにオーストラリアに生息し、日本でもペットとして飼育する人が増えているアオジタトカゲの奇形なのかもしれない。
そう考えると以下のストーリーが浮かぶ。
逃げたペットのアオジタトカゲが産んだ卵から四肢のない奇形が孵化した。体をよじったりしてなんとか動き、冬の到来まで生きのびて土中で冬眠したが、崖崩れに巻き込まれてしまう。目覚めたものの体を傷めて動けなくなった奇形の幼体は、西本さんに見つかって捕獲される。そこで、最後の力を振り絞って逃げようとしたものの息絶えてしまった。

とはいえ、手足のないアオジタトカゲがジャンプした方法は分からず、謎は残る。
西本勉さんの孫で、現在ミイラを所有している西本さんは次のように語っている。
「私にも、本物のツチノコなのか否かは分かりません。正体を知りたい気持ちもありますが、知りたくない気持ちもあります。夢は夢として残しておきたい。世間がなんといおうと、ミイラはツチノコだと信じています」
また、西本さんは「ツチノコのミイラは祖父からの唯一の遺産なので大切にしたい」と話すが、状態は年々悪化しており「きちんとした保管場所を早く作りたい」と願っている。
じつは、現在、千種町は「道の駅ちくさ」にムー公認の「つちのこ発見・研究本部」を創設して〝ツチノコ探索の聖地〟にしようというプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングで資金を募っている。その目標のひとつが、ツチノコのミイラを専用の保護設備を作って保管し展示することなのだ。
ツチノコのミイラは、どうやらアオジタトカゲの奇形の幼体である可能性が高いが、ツチノコ研究を進展させたことは確かだ。
昨年、千種町では久しぶりにツチノコの目撃が相次ぎ、11月16日には探索イベント・第1回「つちのこさがし」が催されている。
西本さんも「今後は千種町の人たちと連携し、確かな情報を共有して私もツチノコを探索したい」と話してくれた。千種町で鮮明な写真が撮影されるような重大なツチノコ目撃が起こることを期待したい。



かつて懸賞金で沸いた宍粟市千種町。「ムー」協力のもと道の駅ちくさに「つちのこ発見・研究本部」を創設!
ミイラの保存状態から2026年の今、私たちが立ち上がらなければ千種の宝は途絶えてしまう。あなたも本部メンバーになりミイラを守る協力者になってほしい。これは、福祉連携グッズ等の開発で地域活性と工賃向上を目指す地域活性化のプロジェクトでもある。
詳細は以下のサイトから!
https://camp-fire.jp/projects/927765/view

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