西武渋谷店に開いた民間信仰の魔空間! 「超ヤバイお呪い展」で願いと怨念の境界線を見よ

文=杉浦みな子

    7月25日より、西武渋谷店 B館にて「超ヤバイお呪い展」が開幕! レセプションでその呪術的展示内容を体験できたので、見どころをレポートしよう。

    ポップに見せかけてわりとガチな呪術系イベント

    「おまじない」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか? 甘酸っぱい恋のおまじない、テストで良い点を取るためのおまじない、あるいは、丑の刻参りのように人の不幸を願う「呪術」だろうか。 
     漢字で書けば、どちらも等しく「お呪い」。誰かの幸せを願う強い想いと、誰かを縛り付けたい怨念。そのふたつは、紙一重の境界線上に存在しているのかもしれない。 

     2026年7月25日(土)から8月24日(月)まで、西武渋谷店 B館3階イベントスペースにて開催される「超ヤバイお呪い展」は、そんな人間の心のうちを炙り出すような展示会だ。怪異と呪術の気配が満ちる現地の様子を紹介しよう。 

    お呪いを視て、触れて、試せる! 

     会場に一歩足を踏み入れると、そこは昭和・平成の懐かしい記憶と、現代のデジタル社会が交差し、100におよぶお呪いが渦巻く奇妙な空間となっていた。

     ポップな看板が掲げられた入り口から、場内を進んでいくうちに、徐々にお呪いの深淵へ引きずり込まれる仕掛けになっている。 

     本展の監修を務めるのは、YouTube登録者数321万人を超える都市伝説・怪談系のトップクリエイター、たっくーTVれぃでぃお氏。そして、YouTube登録者数51.4万人を誇る吉本興業所属の霊視芸人シークエンスはやとも氏。 
     さらに、累計約4万人を動員し話題を呼んだイベント「視える人には見える展」を手がけた制作陣が再集結した強力チームによって運営されている。 

    たっくー氏(左)と、シークエンスはやとも氏(右)。

     展示は大きく、「昭和・平成の懐かしいお呪い」と「現代も使われる進行形のお呪い」に分類されており、その歴史を追う形で進行する。 

     消しゴムに好きな人の名前を書いて使い切る、リップクリームに秘密のイニシャルを刻む、放課後の教室で行われるあの降霊儀式……。そんなノスタルジックなものから、SNSのハッシュタグやLINEを使った現在進行形のお呪いまでが、一堂に集められ紹介されている。 

    消しゴムに意中の人の名前を書いて、使い切るお呪い。

     そして本展の最大の醍醐味は、展示されているこれらのお呪いを、その場で「試せる」点にある。来場者は自由に、消しゴムや絆創膏に誰かの名前を書いたり、下駄を飛ばして天気を占ったりできるのだ。コックリさん実践コーナーもある。 

    絆創膏に意中の相手の名前を密かに書くお呪い。
    コックリさん実践コーナー(使用は自己責任になります)。なお、壁には丁寧にコックリさんのやり方も書いてあるので安心。
    下駄で明日の天気を占ったり、
    影踏みをしたりできる。

     様々な願いごとと共に無数のミサンガが展示されたコーナーでは、来場者が自分の叶えたい願いごとがかれたミサンガを自由に選んで、持ち帰ることもできる。お呪いイベントならではの粋なお土産と言えよう。 

    自分の叶えたい願いの書かれたミサンガをお土産に持って帰ることができる。

     これらのお呪いたちの根底にあるのは、人間の密やかな情念だ。それを行う無邪気な願望の裏には、他者の意識も含めた世の中の事象を、ひそかに拘束しようとする人間の欲深さが潜む。 

     それを象徴するように、展示の後半には「実践厳禁・撮影禁止」の恐怖コーナーが待ち受けている。詳細は記事化できないので、ぜひみなさん自身の目で何があるか確かめてほしい。 
     ポップな看板やノスタルジーなギミックに油断してはならない。お呪いは、“ちゃんと呪術”なのだ。 

    監修チームが語る「人間の欲望を炙り出すような空間」

     イベントのレセプションで語られた監修者ふたりの言葉からは、本展が成立させてしまった“不穏な空気”の手応えが伝わってきた。 

    「思った以上の完成度で、見るところが多すぎるイベントになりました。本来はそれぞれ独立しているはずの小さなお呪いたちが集まることで、かなりの迫力が出ていると思います。 
     メインビジュアルや入り口の看板はあえてキャッチーに仕上げていますが、奥へ進むにつれてどんどん怖くなっていく……という絶妙なグラデーションが出せました。僕が監修でこだわったのは、まさにそのグラデーションが変化していく部分。結果的に、おまじないを通して人間の欲深さを炙り出すような内容になったと感じています」(たっくー氏) 

    「今まで自分が関わってきた展示イベントの中でも、今回は圧倒的な物量です。それでいて、会期中を通してさらに“出来上がっていく”感覚が一番強いですね。来場者のみなさんにも色々なお呪いを試してほしい。最終日には、足を踏み入れた瞬間に吐き気を催すレベルまで場内の念が仕上がっていると最高ですね」(シークエンスはやとも氏) 

     また、シークエンスはやとも氏は、100もの「お呪い」を集めたことで見えてきた興味深い考察を明かした。 

    「今回、様々なをお呪いを集めて気づいたのは、時代によって人間性が変わっているということです。昭和や平成のお呪いは、消しゴムや絆創膏の裏に名前を書くといったように『周りにバレてはいけない』方向性が多かった。 
    対して、今どきのSNSやLINEを使ったお呪いは、ハッシュタグで願い事を投稿するとか、好きな人や音信不通の相手から連絡が来るようにするとか、『こんな私を見つけてほしい』という自己主張の方向性が多いのです。時代によって『自分』という存在の捉え方が変わったことで、お呪いも変化しているのかもしれません」(シークエンスはやとも氏) 

    来場者の“情念蓄積”で最終日にはどうなる? 

     上述の通り、本展の大きな醍醐味は、これらのおまじないを来場者がその場で実践できること。つまりおまじないを来場者が試せば試すほど、会場には人々の念が蓄積されていくわけだ。はやとも氏が語ったように、会期末に向けてこの空間がどこまで“仕上がっていく”のか、楽しみである。 

     会場を出て西武渋谷店の外へ出ると、すれ違う人々が握るスマホの画面や、街頭ビジョンなど、日常のすぐ隣にあのお呪いたちが潜んでいるのではないか……そんな心地よい恐怖と余韻が後を引いた。この夏、あなたの願いと恐れを試しに、渋谷の一角にぽっかり開いた深淵へ足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

     なお、「会場でお試しいただいたお呪いの効力について、主催者は一切の責任を負いません」と公式にアナウンスされている点にはあらかじめ注意されたい。

    会場の出口にはお浄めの塩が用意されている。

    【開催概要】 
    展示名: 超ヤバイお呪い展 
    開催期間: 2026年7月25日(土)〜8月24日(月) 
    時間: 10:00〜20:00(最終入場 19:00) 
    会場: 西武渋谷店 B館3階イベントスペース(東京都渋谷区宇田川町21-1) 
    アクセス: JR線「渋谷駅」ハチ公改札から徒歩約3分 
    東急 東横線・田園都市線、東京メトロ 半蔵門線・副都心線「渋谷ちかみち」出口A6-Cから徒歩約1分 / 京王井の頭線 中央改札口から徒歩約1分 / 東京メトロ 銀座線 スクランブルスクエア方面改札から徒歩約6分 
    チケット料金:一般 平日 1,900円(税込)/ 土日祝 2,300円(税込)※小学生以下無料  学割(当日券のみ) 平日 1,600円(税込)/ 土日祝 1,800円(税込)※対象:中学生、高校生、専門学校生、大学生、大学院生(要学生証提示) 
    チケット購入サイト: https://d.pass-store.jp/products/ticket-omajinai-2026-07-25 
    公式WEBサイト: https://yabai-omajinai.com/ 
    公式X: @yabai_omajinai 
    公式TikTok: @yabai_omajinai 
    ハッシュタグ: #超ヤバイお呪い展 

    杉浦みな子

    オーディオビジュアルや家電にまつわる情報サイトの編集・記者・ライター職を経て、現在はフリーランスで活動中。
    音楽&映画鑑賞と読書が好きで、自称:事件ルポ評論家、日課は麻雀…と、なかなか趣味が定まらないオタク系ミーハー。
    https://foriio.com/minako-sugiura

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