月面に「地球外生命体隔離施設」を建設せよ! 科学者の提案が話題、人類は宇宙時代のパンデミックを防げるか

文=webムー編集部

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    月面に築かれる“最後の防衛線”――。もしも地球外から持ち帰った試料の中に未知の生命が眠っていたら、人類はその脅威を封じ込める術を持っているのだろうか!?

    “地球外生命体隔離施設”の構想

     とある研究論文が、宇宙探査の未来に大きな提案を投げかけている。それは近い将来、月面に「バイオコンテインメント(生物封じ込め)施設」を建設し、宇宙から持ち帰ってきた試料を、未知の危険性がないと判断されるまで隔離するという大胆な策である。

     この論文を発表したのは、米国の研究機関「Strategic Threat and Analysis Research Laboratories, LLC」のフレデリック・I・モクスリー氏と、カナダ・マギル大学のアンソニー・リッチャルディ氏。

     ご存じの通り現在、各国の宇宙機関が月や火星、小惑星を対象とした探査計画を進行中だ。小惑星からのサンプル採取・回収ミッションはすでに繰り返し実現しているほか、米国や中国の宇宙計画では、今後数年のうちに火星表面からの試料回収も計画されている。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     しかし、研究チームが指摘するのは、その“持ち帰り”に潜む未知のリスクである。もし火星や他の天体の試料に、休眠状態あるいは活動状態の地球外微生物が存在していた場合、それは地球の生物圏に予測不能な影響を与える可能性があるというのだ。

     地球上でも、外来種や新たな病原体が別の環境に入り込んだことで、生態系が大きく変化した例は枚挙にいとまがない。ましてや、進化の過程をまったく異にする宇宙由来の生命なら、その危険性は想像を超える可能性もある。

     研究者たちは、仮に地球外生命が存在する場合、その分子構造が地球生命とは異なる可能性にも言及している。例えば、生命を構成する分子の左右の構造が逆転した「キラリティの反転(鏡像化)」や、DNAやRNAとは異なる構造の「代替核酸アナログ」などが見られるかもしれない。地球生命がこれまで出会ったことのないこのような生化学的特性が、生態系や人体に与える影響は計り知れないというのだ。

    宇宙時代の新たな危機

     地球上で危険な病原体を扱う際、厳重な隔離施設が必要になるように、地球外生命を扱う場合にも同様の安全策が求められることは当然だ。そこで研究者たちは、月を“宇宙の検疫所”として利用する構想を示した。月は単なる探査の足掛かりではなく、地球と未知の生命との間に築かれる、宇宙規模の「防護壁」になりうるというのだ。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     もちろん、月面施設の建設には莫大な費用が伴う。しかし研究チームは、「地球外生物がもたらしうる生態系への壊滅的な被害と比べれば、そのコストはごくわずかなものだ」と強く主張している。

     かつて人類は、新たな土地へ進出するたびに外来生物や感染症の脅威と向き合ってきたが、今やその舞台は宇宙へと広がりつつある。月面に築かれる“地球外生命体隔離施設”――。それは空想科学の産物ではなく、宇宙への本格進出を目指す人類に突き付けられた、新たな防衛計画なのだ。

    【参考】
    https://www.404media.co/we-need-to-quarantine-aliens-on-the-moon-scientists-propose

    webムー編集部

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