ウクライナ侵攻中のロシア兵たちが魔術に頼りはじめた!? 戦時下で蔓延する「闇の力」崇拝をクレムリンも危惧
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老若男女に人気の星座占いだが、人的交流における相性にも星座の影響はあるのだろうか? かつての大規模研究によれば、星座はロマンスに影響を及ぼさないという――。
数千年にわたる長い歴史をもち、世界各地の古代文明で探求されてきた占星術は、現代において一大ビジネスとなっている。印「Allied Market Research」社が2025年に行った調査によると、アメリカにおける占星術のオンライン産業は推定30億ドル(約4700億円)規模に達しており、今後5年間でさらに3倍に成長する見込みだ。また、米シンクタンク「ピュー研究所」の2018年の調査によると、アメリカ人の29%が占星術を信じているという。ここ日本でも、博報堂生活総研が2024年に行った調査では31.8%が星座占いを含む占いを信じると答えている。
このように古今東西、多くの人々を虜にしている星座占いだが、人間関係、特に恋愛において星座による相性の良し悪しは本当にあるのだろうか。
星座や惑星配置が恋愛における相性の良し悪しを左右するという考え方の歴史は古く、現代においてもカール・ユング(1875〜1967)を始めとする多数の研究者が採用した。また、このテーマを扱ったリンダ・グッドマン(1925〜1995)の大著『Love Sign』は、著者の死後30年を経た今でも再版が続いている。占星術的に言うと「黄道十二宮上で60度と120度の角度で離れている星座は恋愛に好ましく、180度の角度で離れている星座はきわめて相性が悪い」ようだ。また、直角に位置する星座は不吉な兆候と解釈される。
もしも同じ星座の人々が、たとえば寛大さや繊細さ、頑固さなどの気質を共有しているなら、(こうした傾向は人間関係に影響を与えるため)星座による相性の良し悪しが存在することになるが、本当にそうなのか。
科学ジャーナリストのカルロス・オルシは、今年5月刊行の著書『What Science Says about Astrology(科学が占星術について語ること)』において、星座が恋愛関係に影響を“与えない”ことを示したデビッド・ヴォアスによる2007年の研究を詳しく検証した。
まず前提として、膨大な社会科学データから、年齢・学歴・社会階級・宗教・民族などが似ている人々は、これらの点が異なる場合よりも結婚する可能性がはるかに高いことがわかっている。つまり「類は友を呼ぶ」のであり、似た者同士はカップルになりやすいのだが、同じように占星術的な相性が存在するならば、その影響はデータから浮き彫りになるはずだ。
ヴォアスは「十分な規模のサンプルさえあれば、特定の星座同士が惹かれ合ったり反発し合ったりする傾向が検出できるはずだ」と考え、イングランドとウェールズの国勢調査データ(2001年版)を使用し、当時結婚していた夫婦(2000万人)すべての誕生日を調査した。
その結果、占星術で相性が良いとされる組み合わせの数学的証拠を見つけることはできなかった。そこで彼は最小公倍数を適用し、基本的な確率からの“逸脱”を探すことにした。つまり、カップルにおける特定の星座の組み合わせが、偶然の確率よりも多かったり少なかったりするか探ったのである。
この結果は興味深いものだった。最初の分析では、両方のパートナーが同じ星座、あるいは隣接する星座を持つカップルが予想以上に多かった。
たとえば、山羊座同士、あるいは山羊座と水瓶座の組み合わせが予想より多かったのだ。偶然の組み合わせの確率を基準にすると、同じ星座を持つカップルは約2万2000組、さらに隣接する星座を持つカップルは約5000組も多かった。これは占星術の作用によるものなのか。
ヴォアスはデータをさらに詳しく調べ、さらに多くの傾向を発見した。たとえば同じ月に生まれたカップルの数は、同じ星座のカップルの数よりもさらに多く(2万3000組)、誕生日が同じカップルの割合は、なんと偶然の確率よりも41%も高かったのだ。
「誕生日が同じだから惹かれ合う人もいるかもしれないが、この過剰分はおそらくほとんどが回答ミスによるものだろう」とヴォアスは分析している。「国勢調査票は通常、世帯の1人が記入するが、その人が不注意で、配偶者の詳細を記入する際に自分の誕生日を書いてしまう可能性がある」というのだ。また、1月1日生まれが明らかに多いことも、記入者が家族の誕生日を忘れており、仮の日付として記入したケースが含まれるからだという。したがってヴォアスの課題は、これらの潜在的なデータ入力エラーと、(もし存在するならば)実際の占星術的な影響とを区別することに変化した。

そしてヴォアスは試行錯誤の末に「星座と誕生月との重なりを分析することで、重要な検証が可能になる」と閃いた。
どの星座の期間も、最初の10日間は月の下旬に収まり、残りの約20日間は翌月の中旬までに収まる(たとえば、牡羊座の誕生日は3月21日から4月19日まで)。では3月下旬に生まれた牡羊座の人は、3月の上〜中旬に生まれた人と結婚する可能性が高いのか、それとも4月上〜中旬に生まれた人と結婚する可能性が高いのか? 前者の場合、配偶者の誕生日は同じ月だが星座が異なり、 後者の場合は、異なる月だが星座が同じになる。
そして分析の結果は明白だった。誕生日が異なる月だが星座が同じカップルの数は、偶然の確率で予想される数と変わらなかったのだ。対照的に、誕生日が同じ月だが星座が異なるカップルの組み合わせは予想よりも多かったが、おそらくその何割かは回答の誤りによるものと考えられるという。いずれにしても星座の影響はないのだ。
「もし星座が何らかの影響力を持っているなら、この膨大なサンプルを調べれば、必ず検出できるはずだ。しかし、そこには何も存在しない」(ヴォアス)
あくまでも統計的には、恋愛関係において相手の星座を気にしなくてもよいというヴォアスの研究結果。しかし、カップルが後に離婚したかどうかまで追跡調査していない等、反論の余地も残されていることに注意したい。今後、このような課題まで踏み込んだ、さらに詳しい分析が行われることを期待しよう。
【参考】
https://www.livescience.com/human-behavior/if-astrological-compatibility-exists-its-effects-should-be-observable-tl-dr-its-not
https://www.iflscience.com/a-study-of-20-million-people-investigated-the-truth-behind-star-sign-compatibility-60561
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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