君は自分のCDに幽霊の声が録音されていたことはあるか?/大槻ケンヂ「医者にオカルトを止められた男」
霊の声が聞こえる。確かに歌ったはずなのに、自分の声ではなくなっていた。音響版の人怖怪談がオーケンを襲う。
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〝現存する唯一のアドベンチャーロックバンド〟として活躍する「私の思い出」。彼らは昨年11月、現地からの招待を受けネパールで”キャンプ”を決行し、大成功をおさめた! このライブの裏で、私の思い出のリーダーにしてムー民である登山正文氏は、ネパールのイエティ事情を調査していた。ここに現地で得られたイエティ情報の一部を報告をする!
「私の思い出」は、2019年11月、ネパールのカトマンズと、リゾート地ポカラでキャンプ(と呼ばれるライブ形式の集会)を行ないました。日本人バンドではゴダイゴさんも1980年にライブを行っていますが、なぜ今回「私の思い出」がネパールへ行ったのか、疑問でしょう? それは、イエティの導きだったのかもしれません。
かいつまんで説明しますと……
2年前にネパールの教育機関にも深く関わるご夫婦から突然、「ネパールでライブをやらないか?」と誘われたのです。「私の思い出」は冒険家の衣装をまとい、楽曲は山登りやキャンプをテーマにしたもの。しかもわれわれの『雪山大宴会』という曲には〝獣人イエティ〟まで出てくる。まさにネパールとイメージが一致するシンクロニシティが起きたのです。
さらに、ネパールの私立校では、「私の思い出」の楽曲やMV映像を、日本語の教材に使っていただいてたんです。
こうした背景のもと、一部では「イエティのことを歌っている日本人がいる」と広まり、とうとうネパールでの”キャンプ”が現実のものとなったんです。
ーーさて。
イエティに導かれるように訪れたネパールでしたが、われわれにとって衝撃だったのは、イエティがいかがわしいもの、疑わしいものではなく、かなりオフィシャルな存在だったことです。
例えば、僕が現地で移動に使った、ネパールの飛行機の国内線。その名はイエティエアライン。
イエティエアラインでは、空港ショップで販売されているグッズも社名のとおり、イエティ推しでした。
イエティをあしらったTシャツは既存の絵を流用したようなものでなく、きちんとデザインされている。カトマンズ、ポカラの空港で売っていたものは1枚2000円くらいですが、ネパールの警察官の1か月の給料が日本円の3万円ほど。物価だけで考えれば、現地ではハイブランドともいえる、かなりの高額商品です。ただ、現地で着ている人を見かけなかったので、外国人観光客向けかもしれませんが……。
街中でもやたらとイエティTシャツを売っていましたが、それは安かったですね。いずれにしてもすごい浸透ぶりです。
また、今回購入はしなかったのですが、室内履きに、ふわふわのスリッパがありまして……もちろんイエティの足をかたどったものなんですよね。わざわざ「ゆるキャラ」的なものを作っているということを考えても、イエティは、自分がもともと思っていた以上にネパールに根付いているといえそうです。
また、現地の人に少し聞いただけでも、数々の伝承がありました。ネパール語を堪能に話せるわけではないので、深いやりとりはできませんでしたが、それでも実に興味深い話でした。
例えば、現地でイエティに遭遇したときの、こんな伝承です。
ネパールの雪山で、イエティと対峙するとその瞬間、人間のように思えるが、そのときは「足元を見る」そうです。イエティの足首は、人間とは逆の方向、後ろを向いているのでわかるのです。したがって、雪山でイエティの足跡を見つけた場合、足跡の進行方向とは逆に行けば逃げられる、とも。
実はこれは、ムー編集部の人から教えてもらったのですが、東南アジアの幽霊のなかにも足の向きが逆になっている者がいるとか、ブータンの雪男も同じく足が逆向きだそうで、興味深いですね。
また、イエティのメスを「バナキ」と呼ぶらしいんです。イエティ=雪男ならば、バナキ=雪女ですね。ただ、この話を聞いてから、自分でもネットで調べてみたのですが、バナキの情報は出てこなくて、いったい なにがなにやら。そのバナキに雪山で出会った場合、山の上に逃げてはいけないそうなんです。
なぜかというと、その理由が面白い。
バナキの乳房は、ドリフターズのコントのお婆さんみたいに、細長くてぶらんと垂れ下がっているんです。もし、遭遇した人間が上に逃げたら、乳を上に向けて追いかけてくる。ところが、人間が下に逃げたら、下向きの乳が揺れすぎて上手く走れない。だから逃げ切ることができるのだそうです。まぁ、下に向かって走るときも乳を上に向ければいいのに……とは思うんですけどね(笑)
ほかにも、僕が直接聞いた話ではないけど、ネパールの国立博物館には、「イエティの毛」というものが展示されているそうです。「本物ですか?」と聞くと、現地の人は、暗い、秘密めいた目をするのだとか。
ネパールの人はイエティを見たことがなかったとしても「絶対にいる」という感覚のようです。日本でいうカッパのような存在に似ているかもしれません。ただ、イエティを必死に捜したとか、見つけました、なんて話は、自分が聞いたかぎりではありませんでした。実在して当然だから、探すまでもないというか、畏怖の対象、神聖なものなのかもしれませんね。
これからも「私の思い出」はネパールに行きます。今回、ネパールではイエティが身近な存在ということも確信しましたので、われわれが今後もまめに現地で調査しますので、「ムー」ネパール調査班として、また報告いたします。
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