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アフリカにつたわる怪物「トコロシェ」の呪術被害についてのレポート。ある夫婦を悩ませる嫌がらせに、トコロシェが使役されている……。呪術の悩みの解決は、やはり呪術しかない?
アフリカ諸国に古くから伝わる伝説の怪物「トコロシェ(Tokoloshe)」。南アフリカのズールー族の神話に登場する悪霊で、トコロシ、ティコロシェなど地域によって呼び名は変わるが、ゴブリンのような見た目をした伝説の怪物である。
時には呪術師の使い魔として人をも殺すというこの恐ろしい怪物に、なんと25年以上も取り憑かれている夫婦がいる。
トコロシェの被害を報告しているのは南アフリカ共和国・ムプマランガ州で暮らすアイザック・マペロ氏である。氏によると、トコロシェが現れたのは彼が30歳の頃。ある呪術師が「マロペには天からの贈り物ともいえるたぐいまれな才能がある」と親族に告げた日を境に、トコロシェが現れるようになったというのだ。
夜中に自宅の屋根の上を何かが走り回る音がする、夫婦の営みを始めようとすると突然大きな音がする、などの奇妙な出来事は日常茶飯事。最近では小さな子供の頭蓋骨や、ヘビ現れる悪夢にうなされる日々が続いているという。
マロペ氏によると、トコロシェの被害は親族による嫌がらせだと断言している。“たぐいまれな才能がある”と言われたマロペ氏に嫉妬した親族が、呪術師に依頼して邪悪な魔術をかけたトコロシェを送り込んだに違いないというのだ。
事実、マロペ氏もやられっぱなしではない。
親族に対抗し、“サンゴマ”と呼ばれる呪術医に頼みトコロシェを追い払ってもらったことがあるという。だが、結局は同じ応酬の繰り返しで、しばらくするとまたトコロシェが現れるようになったそうだ。
もう、なるべく気にしないように生活するしかない、というマロペ氏だが、一番の心配は奥さんだという。
「妻に捨てられないか心配です。この問題を完全に解決できる人にどうか助けて欲しい」
これまでもトコロシェを祓うため多額の私財を投じているというが、今のところその効果はないようだ。
マロペ氏の証言すべてがトコロシェの仕業なのかどうかは判断がつかないが、近隣諸国ではかなりの被害が報告されており、現代でもサンゴマへの依頼が後を絶たないという。氏のニュースも地元で大きく報じられたが、“なんとか力になってあげたい”と、同情する人が圧倒的に多いようだ。
マロペ氏のトコロシェ被害に対し、有名なサンゴマのシボンギル・マルレカ氏は、「悪夢は、先祖が我々に何かを伝えようとしているメッセージなのかもしれない。だが、どちらにせよ、この家には特別な儀式を執り行う必要がある」と語っている。
果たしてマロペ氏が安眠できる夜は訪れるのだろうか。氏の切実な願いが届くことを祈るばかりである。
(2022年1月17日記事を再編集)
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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