ひとつ目の藁人形を流す奇祭! 大宝八幡宮「ひとつもの神事」/奇祭巡り・影市マオ
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無気味な姿形の正体不明の謎の生き物UMA。UMAと遭遇し、恐怖の体験をした人は多い。忘れようにも忘れられない、そんな恐怖体験の数々を紹介しよう。
1990年代後半、スカイフィッシュ/フライングロッドと呼ばれるUMAが世界的に大きく話題となったのをあなたは覚えているだろうか。
1995年、ホセ・エスカミーラが、ビデオ映像の編集作業中、偶然コマ送りにした映像に映っているのを発見した。
映像には、細長い何かが空中を目にも留まらぬ高速で移動する姿が映っていた。きれいに節目が並んだ棒状の体の側面には、帯状のヒレが並んでおり、羽のように器用に羽ばたかせながら空を飛ぶのが確認できる。
その姿からこの未確認生物は、フライングフィッシュ/フライングロッドと名付けられた。
日本でもこの発表を受け、同様の映像が多数発見されたため、全国的に大きな話題となった。
しかし、フライングフィッシュは映像では確認できるのだが、肉眼では確認されたことがなく、実際に捕らえられた前例もないことから、しばらくの間は謎のUMAといわれた。
ところが近年の研究によって、スカイフィッシュはハエなどの小型の昆虫がカメラの直前を通過する際、ピントが合わないうえに羽ばたきが残像現象として映ってしまうため、棒状の体にヒレのついた生き物に見えるとわかった。
実際、映像の主流がハイビジョンに変わった現在、ほとんどこの現象が起きることはなくなり、スカイフィッシュも映像に映らなくなった。さらに、発見されてから20年以上たった今も捕獲されたという事例はない。
N子さんは今から20年ほど前の夏に大学のサークルの仲間と神戸にある六甲山の展望台まで遊びに行った。みんなで神戸の街を見下ろしながらあれこれと他愛のない話をしていると、「そういえばこのあたりにスカイフィッシュが出るんだよ!」と、突然友だちのMがいいだした。
「まさか」
「本当よ、この間も撮った写真に写ってたんだから」
そういってMは以前撮ったという写真をカバンの中から取りだした。見ると写真には青い空の広がる神戸の街が写っている。その下で満面の笑みを浮かべたMがピースサインをしている。おそらく風景からしてもこの展望台から撮られたものであろう。
ところがそのMの顔の周りを、いくつもの棒状の物体が直線を描いている。
「ねっ、間違いなくスカイフィッシュでしょ。だからさあ、みんなで写真を撮ろうよ、きっと今日も写るよ!」
N子さんたちは、Mにそそのかされるまま、手持ちの使い捨てフィルムカメラで何枚も展望台周辺の風景を撮影した。
使い捨てカメラには撮影枚数に限りがある。そこでN子さんは、カメラのファインダーを覗くと慎重にシャッターを切った。周りの友だちもパチパチとシャッターを切っている。そして何枚目かのシャッターを押しているときだった。
「痛いっ!」
N子さんは突然、手に走った激痛でカメラを落としてしまった。慌てて手を見ると手の甲が血まみれで、何かが当たったような傷がついている。
「何が当たったんだろう……」
そう思いながらハンカチで血を拭っていると「痛い!」「痛いっ!」と周りの子たちも声を上げた。あたりを見渡すと皆、手や顔を押さえて痛がっている。その中にはあのMの姿もあった。
突然のことにパニックとなり、N子さんたちは逃げるように展望台を後にした。
後日、展望台で撮影したフィルムを現像してみたところ、驚くものが写っていた。
青い空の広がる六甲の展望台の風景。人物は写っていない。たぶんスカイフィッシュを撮ろうと周囲を写したものだろう。ところが、画面の端にもじゃもじゃとした白い棒状ものが何本も写っている。
それは撮影が進むごとに手前へと近づいてきて、最後には画面いっぱいに白い直線が縦横無尽に走り、そこで写真は終わっていた。
20年以上たった今、当時の写真は行方不明になってしまったが、N子さんは、あの手の傷は六甲山に集まってきたスカイフィッシュにやられたと思っているそうだ。
西浦和也
不思議&怪談蒐集家。実話怪談の調査・考察を各種メディアを通じて発信。心霊番組「北野誠のおまえら行くな。」や怪談トークライブ、自身のYouTubeなどで活動する。
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