「契約の聖櫃」は究極兵器だった! 聖書の記述から聖遺物の実像を考察/嵩夜ゆう
『旧約聖書』に登場する契約の箱。モーセが与えられた十戒の石板を収めた聖なる遺物だが、聖書の記述を細かく検証すると思いもかけない正体が浮かびあがってきた!
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超常現象研究の第一人者・並木伸一郎がセレクトした〝世界の新七不思議〟をご案内! 今回は〝聖書の七不思議〟に選定したなかから、今世紀に入ってもなお、新発見があったふたつの聖書関連の遺物を紹介します。
2017年2月9日、ヨルダン川西岸地区のクムランで、「死海文書」を蔵する12番目の洞窟が発見された。今回の発見は未使用の羊皮紙や文書の保存瓶(文書は盗掘に遭ったらしく中は空)などだったという。
同文書の最初の発見は1947年。羊飼いの少年が洞窟の中から、壺に入った羊皮紙巻物を見つけたのだ。その後も他の洞窟から総数972もの文書が出土した。主にヘブライ語で書かれた文書は、紀元前3世紀ごろから後1世紀ごろのものだ。書き手はこの地の住人・ユダヤ教「クムラン教団」とされる。内容は『旧約聖書』最古の写本や外典、聖書関連書の注解書、そして教団関連の文書などの3つに大別される。
なお近年、最後の「教団関連の文書」が注目されている。というのも、この中で教団の教義「この世を光と闇の抗争の場とし、最後に光が勝利を治める」が語られているが、これは最終戦争を示す預言なのだ。そして、光が勝つまでに人類は滅びの淵に立たされるという。時期は2017~2018年! だが、ふたりの救世主(=メシア)、「アロンのメシア」と「イスラエルのメシア」が出現して人類は救われる。
――イスラエル王国には12の支族がいた。紀元前10世紀ごろ、2支族が分かれユダ王国を建国。紀元前6世紀ごろ、この2支族はバビロン捕囚に遭ったが、後に故郷に戻った。現在のユダヤ人はその子孫だ。
残りの10支族は、紀元前8世紀ごろ、イスラエル王国はアッシリアに占領され、捕囚の身となった。そしてアッシリア滅亡後、彼らは行方不明となったのである。
「死海文書」によると、アロンのメシアは2支族=現在のユダヤ人から、イスラエルのメシアは10支族の末裔から現れるという。
だが、10支族はどこにいるのか?これについては諸説あるが、現在有力なのはなんと日本だ。彼らが来日して日本人の祖先となったという。イスラエル王国と日本の共通点は多々あるが、本当にメシアは日本にいるのか? その謎を解くのは死海文書のさらなる読み込みと、クムラン周辺のより詳しい調査以外にない。
さて、このように『聖書』関連の発見は、過去に終わったことではない。もうひとつ紹介しよう。
『旧約聖書』「創世記」に登場するノアの箱舟だ。これが実在する可能性が高まっている。『聖書』による“箱舟伝説”とは次のようなものだ。
――神は人間の堕落と不信心を嘆き、滅ぼすことにした。しかし信仰心篤いノアだけは救おうと、彼に箱舟を建造し、家族と雌雄1対の動物たちを乗せるように指示した。その後、40日40夜、雨が降りつづき、地上の生き物たちは絶滅した。箱舟は150日間漂流した末に、アララト山上に止まった。ノアは水が引いたのを確認してから地上に降り立ち、新たな人類の祖となった。
アララト山はトルコ東部、イランやアルメニアとの国境間近に位置する、標高約5165メートルの火山だ。この山の山腹から巨大な木造船の残骸が発見されたという。2006年4月、アメリカでアララト山を撮影した1枚の衛星写真が公開された。これは海抜4700メートルの「アホラ・ゴルジェ」と呼ばれる地点を撮影したもので、中央に氷河に埋まった巨大建造物が確認できる。
このとき、撮影者のダニエル・マッギバーンはこう述べた。「この写真によって、アララト山の物体がノアの箱舟だったことが確実となった」
実はアララト山はこれまでも何回か箱舟の存在が指摘され、調査も入っている。アホラ・ゴルジェでも、すでに1949年にアメリカ空軍によって人工建造物らしきものが撮影されている。そしてCIA(アメリカ中央情報局)が巨大な船体らしきものであることを確認し「アララト・アノーマリー(異常物)」というコードネームをつけて、調査中だという。マッギバーンの発言は、こうした背景を受けてのものだったのだ。
なお、『聖書』によれば、箱舟のサイズは長さ150メートル、幅25メートル、高さ15メートル。一方、アララト・アノーマリーは長さ138メートル、幅23メートル、高さ14メートル。両者の数字はほぼ合致している。
謎に満ちた記述が多い『旧約聖書』に記された、かつて世界を大洪水が襲ったという大事件が、“史実”であったことが証明される日も遠くはなさそうだ。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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