<読者投稿>生前、困りものだった父が私の夢の中で改心した!?

イラストレーション=不二本蒼生

関連キーワード:

    読者投稿から気になるものをピックアップ!

    生前、困りものだった父が私の夢の中で改心した!?

    ◆三浦和子/岩手県

     奇想天外な夢を見ました。
     私の父は若いころから「飲む・打つ・買う」といった人だったため、家族は人にいえない苦労をたくさんしてきました。
     そんな父が80歳を直前にして大病を患い、治療に専念するものの最後は苦しみぬいて亡くなりました。享年81歳でした。

     父が亡くなって数か月後のことです。就寝中の私は夢を見ていました。
     それまで見ていた夢が途中で場面が変わり、夢の中ながら驚いたものです。私は暗がりの中にひとりでポツンと立っています。
     突然、馬の後ろ姿が見えました。しばらくジーッと見ていると、今度は人が集まっているのが見えます。 近くへ行くと、おおぜいの黒衣の人たちが座禅を組み、輪のように座っていました。見れば黒衣の人たちの中心にもまた人影が見えます。黒い帽子に黒いコートを着て、立ち並ぶ数人の人たちです。
     驚くことにその人たちの前になんと私の父の姿がありました!!
     風貌は50代くらい。自慢の頭髪は丸刈りになり、見たこともない作業服を身に着けています。
     何よりびっくりしたのが、全身が傷だらけだったことです。
     やがて黒い帽子に黒いコートを着た人たちがいっせいに父に向かい、まるでお経か詠歌のような感じで、
    「そなたは妻子を泣かせ、怠け……不義理……その悪劫……だからつぐなう……」
     と、説教をしています。
     それに対して父は、
    「はい、はい」
     と、答えています。
     生前、傲慢だった父が血だらけで愛想笑いをし、
    「働きます」
    「○○いたします」
     と、必死で答えている姿はなんとも情けないものでした。
     しばらくして、父のそばに行ってみようと試みたところ、座禅を組んでいた人たちがすんなりと私を輪の中へ通してくれました。
     父のそばまで来ることができた私は、父に向かい手を差しだしましたが、父の手を握ることはできません。
    「お父さん!」
     呼んでも気づかないため、私は元の場所へ帰ることにしました。
     ところが、先ほど通してくれた人たちがいつの間にか合体し、大きなドーナツ状の肉塊となって私の進行を阻止します。そして、
    「おまえもここに残れ!」
    「われわれを踏みつけにするのか」
     と、恐ろしい顔で迫ってきます。
     怖くなった私は、
    「戻るんだ! 帰るんだ!」
     と、叫びながら必死に肉の壁を乗りこえたところで目が覚めました。
     私はあるときまで父を恨んでいました。しかし、死の直前、正視できないほど苦しむ父の姿を目にして、もう許そうと思ったものです。
     しかし、夢の中でいわれた、
    「おまえもここに残れ!」
     というセリフは、私の心の奥底にまだ眠っている恨みを見透かしての言葉だったように思えてなりません。

     夢の出来事を丸々信じるのは愚かかもしれません。しかし、今回の夢は、私のこれからの人生において自分の行動や言動を見なおすきっかけになったように思います。
     なお、その後も数度、父は夢に出てきました。さらに若返り、30代の男前のころに戻っています。反省することであの世でよい境遇になれたのかもしれません。

    (本投稿は月刊『ムー』2026年11月号より転載したものです)

    webムー編集部

    関連記事

    おすすめ記事