カナダのUFOスポットに飛来した「チャーリー・レッドスター」の謎/遠野そら
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水量が減って目視が可能になった湖底に不思議な紋様が浮き彫りとなった――。これは「ナスカの地上絵」と同様にエイリアンが遺した“サイン”なのだろうか。
上空から見下ろすことで理解できる構造物が、気球や航空機のない大昔に作られているという謎――。つい先日も、日本の研究チームの尽力によって168点が“新発見”されたというペルーの「ナスカの地上絵」、チリの「アタカマの巨人」、イギリスの「サーン・アバスの巨人」などの存在をどう考えたらよいのだろうか。
一部の専門家によれば、これらの地上絵は地球外知的生命体による“サイン”なのだという。はるか昔から地球にやってきているエイリアンが、地球に初めてやってくる他のエイリアンに向けて「訪問済」であることを示すために折に触れてこうした地上絵を遺しているというのだ。
中国北東部の湖南省にある大きな淡水湖、洞庭湖(Dongting Lake)では最近の干ばつによって極端に水量が減ってしまったが、すると露わになった湖底に謎の紋様が浮かび上がった。まさに地上絵のようこの不思議なパターンは誰がいつ、どんな目的で作成したのだろうか。
この話題を取り上げた香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の記事は、湖底のパターンは「間違いなくエイリアン文明(の痕跡)だ」と断言し、「最近の干ばつによって中国の湖底に現れた奇妙なパターンが、ネット上で異星人と古代文明の憶測を引き起こした」というリード文で記事を展開している。
記事が言及しているのは、最近の干ばつによって洞庭湖の水位が70%低下して湖底が可視化され、サッカー場ほどの大きさの長方形からなる不思議なパターンがいくつもあらわれたと説明している。
普段であれば2800平方キロメートルほどある広大な淡水湖が干ばつで数分の1に縮小、地元住民の間では当惑と不安が広がっている。ドローンを飛ばして空撮映像に収めた住民は、上空から見下ろす湖底のパターンについて「まるで巨大な迷路のようだ」とコメントしている。1つがサッカー場ほどの広さの迷路で遊ぶのは、いったいどれほどの巨人だというのだろうか。
また、別の地元住民は「巨大なエイリアンが湖底のさらに地下深くに住んでいる」と推測。その考えは洞庭湖の神話に由来するものだという。
「洞庭」とは読んで字のごとく“洞窟の庭”を意味し、湖の下に巨大な庭、ホール、または洞窟があるという伝説に基づいた名称である。
湖の地下にあるという華美な“宮廷”には皇帝の娘と女神の霊が宿っているとされ、水と天候の神である龍王が住んでいるともいわれている。
また、中国戦国時代の楚の政治家で詩人の屈原(紀元前339~278)は、楚の将来に絶望して洞庭湖で入水自殺したが、その霊は今でもここにあるとされ、彼に敬意を表してドラゴンボートレースの祭りが毎年開催されている。
このように数々の伝説と歴史に彩られた洞庭湖だけに、湖底のパターンとの関係を指摘する声もそれなりにあるのだが、人々の夢とロマンを打ち砕く指摘もあるようだ。
地元住民のヤン・シンウェイ氏は「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」紙に、これらのパターンが人間以外によって作られたという証拠は見当たらないと語り、湖底のパターン構造は干潮時に魚を囲い込むための罠であると説明している。現在はこの種の魚を追い込む罠は禁じられているが、昔はこの罠で漁業が行われていたというのである。
果たして、今回突如として人々の目に触れることになった湖底のパターンは地球外文明が手がけたものなのか、それとも昔の漁師が作ったものなのか? 真相ははともかく、かくも深刻なのは中国内陸部の気候変動である。
洞庭湖の水はかつて農業に利用されていたが、干ばつによって野生生物が姿を消し、湖に生息するスナメリは絶滅の危機に瀕している。
また逆の悲劇もある。2007年の揚子江の氾濫により、中州の島に生息していた20億匹ものネズミが周辺のコミュニティに拡散して農作物に損害を与え、地域の生態系を混乱させたのだ。
したがって洞庭湖のこうした近年の惨状は、地元の人々にとってはいっそのことエイリアンが戻ってきて、再び昔の湖に戻してくれることを願いたくもなる事態といえそうだ。
気候変動による干ばつが湖底を露出させ、神秘的な巨大迷路が現れたことをどう理解すればよいのか。ひょっとするとこれが太古のエイリアンが残したサインであり、人間が地球環境を破壊していることを未来のエイリアンに伝え、早く地球に戻ってきて問題を解決するように促しているのだとすれば、一縷の望みは残されていることになるだろうか。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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