ドキュメンタリー映像の古代エジプト的な異星人は何者だったのか? 幻の「ホロマン空軍基地」事件/忘れじのUFO事件史
空飛ぶ円盤という言葉が世に飛び出して約80年。 数々の遭遇の中から忘れられない―― 忘れたくない事例を振り返る。 今回のテーマは米軍からの情報提供で制作されたドキュメンタリー映像!! 決定的な映像はな
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空飛ぶ円盤という言葉が世に飛び出して約80年。数々の遭遇の中から忘れられない―― 忘れたくない事例を振り返る。今回はオーストラリアで発生した、異星人による誘拐事件について。記憶の欠落と体の傷があっても、事態の全貌はなぜかまったくわからない。
1993年8月、オーストラリアで最も信憑性が高いといわれる、異星人による誘拐事件が起きた。
ビクトリア州出身の3児の母であるケリー・ケイヒル(当時27歳)はその日の夕方、夫のアンドリューとともに、友人の誕生日パーティーに参加するために州都のメルボルンへと向かっていた。午後7時半ごろ、彼らの車はのどかなダンデノン丘陵地帯を通るハイウェイを走っていた。ユーメメリング・クリークの近辺を通過するころ、ケリーは助手席に座り、流れ行く山々の景色を眺めていたという。
突然、奇妙な何かが彼女の視界に入った。それは薄暗い野原の中で、無気味に輝く5、6個のオレンジ色の光だった。それらはリング状に連なって見えた。
彼女は混乱し、運転席のアンドリューに「UFOを目撃した」と訴えた。彼はそんなはずはないと退け、「飛行機かヘリコプターだろう」という常識的な答えで否定した。
ケリーはパーティー中もUFOのことが頭から離れなかったが、夫とともに参加者に目撃体験を面白おかしく話したりしており、あまり重大なこととは捉えていなかったようだ。
だが帰途で、彼らはUFOを再度、目撃することになる。
UFOは道路の上に浮かんでおり、形は丸く、周囲には窓とライトがついていた。車で近づくと、ケリーはUFO内部に人の気配を感じたという。その瞬間、UFOは消えるように飛び去ってしまった。
彼らは訝しみながらも車を走らせつづけたが、1キロほど先で突然、強烈な光に包まれた。直後からふたりの記憶は途切れてしまう。気づくと悪臭が車内に充満しており、異様な雰囲気だったと語る。
彼らは恐怖を感じ、急いで家に帰った。帰宅後にシャワーを浴びたとき、ケリーは腹部に奇妙な三角形の傷跡があることに気づいた。その傷は、まだ出血していたという。
その後の数週間、ふたりは頭痛や吐き気、倦怠感など、不可解な症状に悩まされた。ケリーは月経周期も異常になり、ほとんど歩けなかったと語る。
失われた彼女の記憶は、徐々に戻っていった。あの瞬間、50メートルはあるUFOの着陸を目撃していたこと、それを見るために車を降りたこと、同じように停車していた車から数人の人が降りてUFOを見ていたこと。そして彼女は身長2.1メートル以上ある、赤く光る眼を持った異星人に出会ったことも思い出した。彼らはとても邪悪な雰囲気だったという。




ケリーの証言は信じがたいものである、それにもかかわらず、精神疾患の病歴もなく、話をでっち上げる動機も見当たらず、UFOコミュニティーとの関係もなかったため、信頼できる証人とみなされた。
彼女は最終的に、アメリカのUFO研究団体MUFONに所属していたビル・チョーカーに連絡を取った。チョーカーは現地の研究団体フェノメナ・リサーチ・オーストラリア(PRA)と協力して事件の調査を進め、ケリーとともにUFOを見ていたという他の車のドライバーを見つけるため、地元の新聞に広告まで出した。
その効果は覿面だった。すぐにふたりの女性の目撃者が見つかり、ケリーの話を裏づけたばかりか、彼女たちはUFOの中でのアブダクション体験まで語りはじめたようだ。ふたりにもケリーと同じように、腹部に三角形の傷跡があったとされる。さらにPRAは、地元の弁護士が運転していた3台目の車も見つけ、ケリーと同様の証言をしたと報告した。
チョーカーとPRAはUFOが着陸した場所を詳しく調査し、放射線や磁気異常、不可解な痕跡など物理的証拠を発見したと主張してもいる。複数の目撃と証拠の多さから、この事件は当時、高い信憑性があるとされ、大きな注目を浴びた。
ケリーは数多くのテレビ番組に出演し、1997年には『Encounter』という、自身の体験を綴った本を出版し話題となった。テレビドラマシリーズ「X-ファイル」でも「ユーメメリング・クリーク事件」として、主人公のフォックス・モルダーがこの件に言及している。
一方でPRAやチョーカーがいう「300ページにも及ぶ詳細な報告書」は、30年以上たった今もって公表されず、ケリー以外の証人も身元不明なまま。夫のアンドリューでさえも事件に対しての見方は冷ややかだったようだ。
1998年ごろにはケリーは公の場から姿を消し、現在の動向は不明である。まばゆい光、人間を誘拐する生物、体に残された痕跡、そして記憶の欠如など、典型的なアブダクション事例の特徴をすべて備えている。だがそれ以上に他のアブダクション物語とは違う、話を裏づける複数の目撃者と物的証拠があることが重要だった。しかし時間の経過とともに、その信憑性は薄らいでいる。今やこの事件を支えるものは、実はケリーの語る夢のような証言だけで、現在は肯定派からも距離を取られる寂しい事例となっている。
なお、夜に車で走行中にUFOと遭遇する事例は非常に多い。オーストラリアではこの事件の数年前には車ごとUFOに攫われそうになった「ノウルズ一家UFO接近遭遇事件」なども起きている。読者の方も闇夜にハイウェイを走る際には気をつけてほしい。そして無闇にUFOに近づくのは危険なのでくれぐれも注意が必要だ。普通は近寄らないと思うが、念のため。






●参考=https://www.abc.net.au/news/2020-09-26/ufo-abduction-book-kelly-cahill-encounter-eumemmering-australia/12661498
https://www.amazon.co.jp/Encounter-Kelly-Cahill/dp/0732257840
https://youtu.be/Mdtlu8fe1VY?si=iuVIBEGkmE0PwuFk
(月刊ムー 2026年06月号)
オオタケン
イーグルリバー事件のパンケーキを自作したこともあるユーフォロジスト。2005年に発足したUFOサークル「Spファイル友の会」が年一回発行している同人誌『UFO手帖』の寄稿者。
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