殺されたい魔神と君の恒久世界!『君の目的は僕を殺すこと3』考察/ムー通特別版

文=藤川Q

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    謎の魔神に「殺してくれ」と頼まれるゲームをご存じだろうか? 終わりなきプレイフィールをメタ認知しつつ味わう「ボク殺3」に、ムーまでも取り込まれていく。

    メタ構造スマホゲーム『ボク殺3』

     私や君が見ている世界はシミュレーターが生成した仮想にすぎない。まさに仮想世界そのものであるゲームの世界は、このシミュレーション仮説にぴったりのモデルだ。古くは『MOTHER』でプレイヤーへ直接語り掛けるキャラクターや、『moon』の自身がゲーム世界の中の存在なのではないかと思索に耽る登場人物たち、そして『UNDERTALE』でのプレイヤーとプレイアブルキャラクターの関係性、UIへのギミックなど、メタフィクション的な構造を持ったゲーム作品も少なくない。

     こうした第四の壁を越境するかのようなゲーム体験は、プレイヤーと画面の向こうのゲーム世界――現世と彼岸の境界線上に湧きあがるもの。プレイヤーに「自分ももしかしたら、なんらかのシミュレーターの中の存在なのか? それとも神に等しいポジションなのか?」といった世界構造と上位者の存在を予感までさせる。

     そんな中、いまや世界の情報と観測者であるあなたを接続する世界認識端末と化したスマートフォン用のゲーム作品として、メタ構造を持った奇妙な作品が2016年から人気を博している。

     その名も『君の目的はボクを殺すこと3』。略して「ボク殺3」だ。フルネームでも、略称(ボクコロと読む)でも物騒なタイトルの人気作である。「3」ということは「2」があるはずだが、「2」は作中の魔神と創造神との闘争で抹消されたらしい。

     本作のプレイヤーは無設定ないし匿名性が非常に高く、魔神から「君」と呼ばれる存在である。その君がボク=魔神を殺さねばならない関係性は通常のゲームプレイもまたメタ的である。

    魔神を傷つけられる魔法生物タマちゃんを魔神に向けてぶつけてHPを削り、魔神を殺めるのが目的。

     ちなみに本作をプレイしていると、魔神からアプリを削除して立ち去るように警告されるなど、導入段階から君=プレイヤーへのアクセスを試みてくる。
     それだけではない、魔神によれば、プレイヤーであるあなたは創造神に洗脳されているというのだ。生半可ではないメタ構造において、魔神はタイトルの通りに自らが殺されることを望み、そのためにプレイヤーを“協力者”と位置付ける。作中にはだれも気づかないような謎解きがあり、魔神の思惑が秘匿されているという……。

     ところで魔神はゲームという仮想世界の中で、自身が創られた存在だと認知しているのだろうか?
     魔神の造形は、ネット匿名掲示板のアスキーアートをほうふつさせるものであり、八尺様やくねくねのように匿名掲示板の共有創作から生まれた架空の存在の姿だ。
     魔神も何らかの形でゲームキャラとしての自らを、外部メディアや現実世界へと変容させようとしているのかもしれない。

    いわゆるアスキーアートを思わせる見た目の「魔神」

    「ムー」コラボでメタフィクションがさらに多層化

     そんな『ボク殺3』が「ムー」とのコラボイベントまでも開催している。

     意外だろうか?

     だが考えてみれば、『ボク殺3』には世界各地の神話伝承存在や、かのクトゥルフを始めとする数多の邪神群(世界を夢見て眠るアザトースも!)がプレイヤーの下僕として入手可能になっている。

    クトゥルフ神話のアザトースと、UFO記念日が同居する世界となっている。メタフィクション&ノンフィクション世界を感じる組み合わせだ。

     いまや神話に記録された情報としての伝承存在もエンタメ作品で見かけることのほうが多くなっている……。
     こうした情報の専門誌である「ムー」とのコラボは、『ボク殺3』という仮想世界に閉じ込められた魔神が、実在する雑誌を依代として“こちら側”に出んとする計画の一環なのではないだろうか?

     ゲームに閉じ込められた魔神との対話を望むなら、自己責任で本作をインストールして確かめてみてほしい。

     終わりなき世界へ、ようこそ。

    「ムー」コラボ期間では上記のようなUMA魔神が出現する。
    「ムジャキ」がムーを読む。両面開きのパラレルムーか?
    グレイが「下僕」となる。攻撃アクションはゲームでご確認を。

    『君の目的はボクを殺すこと3』
    iOS Android 各配信中
    基本プレイ無料(「ムー」コラボ期間:2026年6月24日~7月22日)
    ©ふんどしパレード

    iOS版はこちらから
    君の目的はボクを殺すこと3アプリ – App Store

    Android版はこちらから
    君の目的はボクを殺すこと3 – Google Play のアプリ

    藤川Q

    ファミ通の怪人編集者。妖怪・オカルト担当という謎のポジションで、ムーにも協力。

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