時間の流れを超える理論と実践「タイムリープ、やってみた」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    タイムリープ、やってみた

    BTTP 著

    タイムリープを制御する仮説を検証するため、大規模な実験を実施

    「タイムリープもの」といえば、SFやアニメなどの、定番のネタとなっている。中には、一世を風靡した傑作もあるが、多くの人にとっては所詮、単なるフィクションに過ぎない。
     だが一方で、ネット上の掲示板やSNS等を見ると、タイムリーパーを自称する正体不明の怪人(有名どころでは、あの「ジョン・タイター」や「未来人2062」、「時空のおっさん」等々)があふれ返っているのもまた事実である。
     はたして、タイムリープなどという現象は実在するのか。そしてもし実在するというなら、それを人間の手で制御することは可能なのか?

     本書は、「時空の不思議現象研究家」であり、YouTubeチャンネル「BTTPのタイムトラベルや不思議な話」の主宰者であるBTTP氏が、自らの実体験に基づいて、ネットをにぎわすこの現象の謎に、正面から挑む野心作である。
     なんと著者BTTP氏は、2ちゃんねるに現れた、知る人ぞ知る伝説的なタイムトラベラー「梯子」と「実際にやりとりしている」というから驚く。
     なお、著者のいう「タイムリープ」とは「自分の"意識だけ"が、肉体を離れて過去や未来に移動すること」であり、一般的な「タイムトラベル」や「タイムスリップ」などとは、少々ニュアンスが異なっている。


     著者は本書において、これらの現象について、相対性理論や量子論、ブラックホール、マルチバースからホログラフィ原理まで、ありとあらゆる現代物理学の最先端の知識を駆使して、説得力豊かに考察を繰り広げてゆく。
     そのようにいうと、何やら難解な本のように思われるかもしれないが、心配はご無用。紙面には、円顔に眼鏡の著者自身が登場し、某マスコミ・グループのロゴを思わせる「目玉のお化け」である優秀なアシスタントの「観察くん」との間で、軽妙洒脱な解説が、掛け合い漫才のように展開していくのである。この構成の妙には、正直、脱帽である。
     そして、多くの人々が参加する大規模な実験の結果、マインドフルネス瞑想や明晰夢、体外離脱などのテクニックの応用で、実際にタイムリープに成功してしまう人も続出。のみならず、第2の「きさらぎ駅」とも呼ばれる「霧島駅」など、異世界訪問の体験談も数多く紹介。
     単なる読み物としても面白いが、実用性においても第一級といえる好著。後述する『時間の正体』と併せて読めば、時間に関するより立体的な理解が得られよう。

    サンマーク出版/1980円(税込)

    (月刊ムー 2026年08月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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