日本古代史を自由に語るエッセイ集「聖なる国 日本」/ムー民のためのブックガイド
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「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2026年7月号、第507回目の内容です。
その色鮮やかなピンクのアイフォン(スマホ)は、持ち主のうっかりミスで、英国ミルトンケインズのウイレン湖で毎年冬になると臨時に設けられるスケートリンクの厚さ約6センチの固い氷中に封じ込められてしまった。
当のピンクスマホを落としたのはスケートリンクの工事請負業者のひとりで、本来は娘さんの持ち物なのを臨時に借りていたのだが、リンクの完成後現場にうっかり置き忘れてしまい、気がついた時にはもう注水された6万リットルもの水ががっちり凍りついていて、どうにも取り戻しようがなくなっていたのだそう。
当人は泣く泣く回収を諦めてそのまま放置したため、それ以来氷上からくっきりと氷中に見えるピンクスマホは、このスケートリンクの観光名物と化し、英国はもちろん世界中のあらゆるニュースメディアに報じられた結果、スケートファンだけではなくスケートとは縁もゆかりもない観光客や一般人までが、ひと目見んものと大勢押し寄せるようになった。
それだけではなく、動画サイトのTikTokでは、1000万回以上もアクセスされたのだ。
さらに2025年1月9日付の「BBCニュース」によれば、氷が溶けだす季節になってようやく回収され、所有者の手に戻った時、驚いたことに当のピンクスマホは、2か月間も氷中に封じ込められていたにもかかわらず、何の問題もなく正常に使用できたのだ。
「過剰汚染された空気が引き起こす心身への老化ダメージを、われわれが入手した最新式の〝イスラエル製タイムマシン〟を使って逆転消滅させるだけではなく、望むなら最大20年までは若返りすることを可能にする!」
インドはカンプール市の自称セラピスト、ラジーブ&ラシュミ・ダブニー兄弟はそう主張して、これまでに二十数人を超える被害者から、総計少なくとも3億5000万ルピー(約5億7700万円)もの大金を騙し取った容疑で、現在ただ今警察に追われている。
ダブニー兄弟は「数か月で目に見える効果が現れる」と約束したが、その数か月が経たぬうちにどこかへ姿を消し、被害者たちは財布を底まではたいたのに、1ミリも若返ることはないまま泣き寝入りするほかなかった。
南米アルゼンチンには、昔から「7番目に生まれた子供は、満月の夜になると、〝ロビゾン〟(狼男)に変身する!」といういささか物騒な迷信が存在する。
大統領に就任以来、つねに官僚主義的政治の〝チェインソー的打破〟(氏自身の言葉)を標榜してきた現職のハビエル・ミレイ大統領は、この厄介至極な昔ながらの迷信を葬り去るために、
「自分が〝7番目の子供〟たち全員の名づけ親になろう!」
とこのほど公的に宣言した。
大統領が〝7番目の子供〟全員の象徴的〝父親〟になれば、どの子も7番目ではなくなり、したがってその恐ろしい運命から逃れられるというわけだ。
これまでも半世紀以上前に制定された法律により、〝7番目の子供〟の洗礼式(クリスチャンになるための入信儀式)には、大統領の特使が出席して、当の子供に金メダルと少額ながら奨学金を進呈するのが習わしになっていて、すでに1万2000人以上の子供がその恩恵に浴しているそうだ。
「早ければ2029年ごろには、地球から発信された信号電波を受け取った異星人が、意図的に返信してくれる可能性がある!」
米カリフォルニア大の宇宙研究チームは、最近そんな大胆な発表を行なって注目されている。
地球から意図的に発信された電波としては、例えば1974年にプエルトリコのアレシボ天文台から、地球外知的生命体に向けて送信された人類初の星間メッセージがある。それにはDNAの構造や人間、太陽系、望遠鏡の図形が含まれ、約2・5万光年離れたM13球状星団を標的に、人類の技術力を示す目的で送信されたのだ。
カ大チームの計算では、上記の星間メッセージはすでに4個の恒星に到達しており、そこにもし文明惑星が存在していれば、きっと受信して返信してくれるはず。
いちばん早ければ、それが2029年ごろには実現することが期待されるというが、はたして?
2023年4月11日、ロシアでは国をあげて祝う「宇宙飛行士記念日」の前日の夕方、同国中央部の大都市エカテリンブルクの東約80キロの地点に、隕石と思しき火の玉が落下するのが目撃された。
その直後、近くのボグダノビッチの町の原野に、突然〝火の輪〟が、それも2個出現したという。
当然、町当局はそれを隕石落下と結びつけた。もっとも、落下隕石が火災を引き起こすほど熱かった、という実例はないという。
実際、空中に目撃された物体が本当に隕石だったかどうかについても、疑問がある。後日、興味を持った町の有志が〝落下地点〟付近を懸命に捜しまわったが、それらしきものは発見できなかった。
さらに同じ時間帯に同地区では祭り花火が打ち上げられ、その録画映像の1本には、夜空を彩る花火を背景に、火の玉が落下するところが確かに撮られているのだ。
この曖昧さは翌日になっても、さらに増幅されただけだった。
ボグダノビッチ町長のオレグ・ネイフェルド氏は、ソーシャルメディアで「前夜、町には何も落下しなかった」と全面否定した。
結局この〝火の玉騒動〟は、騒動がいわば終始、ひとり歩きしただけで終わった。
ギリシャはマグネシアの栽培農家イアニス・ブロウニス氏にとっては、すでに猛暑と洪水の連続打撃を喰らってフラフラ状態のところへ、まさにとどめの一撃をくらったも同然だった。
無理もない。羊の群れが温室に押し入って、栽培中の医療用マリファナ272キログラムを、根こそぎ食われてしまったのだから。

南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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