オルメカ文明はヒンドゥー神話の継承者だった!? 古代の宇宙人「隠されたマヤの知識」レビュー

文=遠野そら

    ヒストリーチャンネル「古代の宇宙人」シーズン13放送が日本でも公開される。気になるエピソードを先行解説!

    ヒストリーチャンネル人気番組の新シリーズ開始

     世界各地に散らばるさまざまなミステリーを多角的に検証していく『古代の宇宙人』シリーズ。ヒストリーチャンネルの人気シリーズで、4月から新しくシリーズ13が始まる。今回はシーズン13の第163話「隠されたマヤの知識」を紹介したいと思う。

     紀元前1000年頃からスペイン人に侵略されるまでの16世紀にかけて発展したマヤ文明。今日のメキシコ南部から中米にかけてメソアメリカ地域全体に広がり、文字、暦、算術、天文学のほか、優れた都市建築技術を有していた。
     しかしながらスペインに侵略されて植民地となり、1549年にはローマ・カトリック教会の異端審問で、マヤの痕跡を残す記録や遺物はことごとく破壊されてしまった。それゆえ彼らがいかにしてその知識を会得したかが最大の謎となっている。

     今回紹介する番組では、古代宇宙飛行士説の観点から大胆な切り口でマヤ文明の秘密に迫っている。

    オルメカ文明と古代の宇宙人

     謎多きマヤ文明の起源は、紀元前1500年頃メキシコ・タバスコ地域で興ったオルメカ文明とされる。大きな人頭像で知られるオルメカだが、それらの遺物に示された特徴がアジアやアフリカ系の他に、ポリネシアや白人種などさまざまな人種をとらえていることはご存知の方も多いだろう。

    オルメカの「人頭石」の一部はメキシコの人類学博物館にも展示されている。
    オルメカの人頭石。©2025 A&E Television Networks. All Rights Reserved.

     その理由について古代宇宙飛行士説の提唱者、デヴィット・チルドレスは「人々が世界中からメキシコに来ていた」とし、複数民族で構成された文明だったと説明している。特に南米コロンビアのマグダレナ川上流に位置するサン・アグスティンの遺跡群については、他に類をみない南インドのヒンドゥー寺院で多く見られる特徴を有していることから、古代ヒンドゥー教徒が深く関わっているのではないかとまで推測しているのだ。
     最も古いものでは紀元前3000年にも遡るというサン・アグスティンの遺跡。映像ではチルドレスがヒンドゥー教専門家のモハンとともに破壊神「シヴァ」や、シヴァの象徴である「ムカ・リンガ」と思しき遺物を解析していくのだが、いずれもヒンドゥー教との繋がりを示唆するものばかり。蛇神「ナーガ」とマヤの創造神である羽毛のある蛇神「ククルカン」の共通点や、アステカ建国伝説に由来するメキシコ国旗とヴィシュヌ神の乗り物である霊鳥「ガルーダ」の類似性など、チルドレス氏の説明には、遠い南インドから海を渡り、この地で文明を築いたヒンドゥー教徒の存在を感じる人も少なくないだろう。

    古代宇宙飛行士説の提唱者、デヴィット・チルドレス。©2025 A&E Television Networks. All Rights Reserved.

     中米古代文明に多大な影響を与えたことから「母なる文明」とも呼ばれるオルメカ。チルドレスの説が史実だとすれば、オルメカの起源は遥か遠い大陸にあることになるが、ではその先祖はいったいどのような種族だったのだろうか。

    メキシコのソチカルコ遺跡のレリーフ。真ん中の人物は、統治者など支配階級の人物を表しており、手には「力の杖」を持つ。

     番組のホストであるジョルジョ・ツォカロスはアメリカ自然史博物館に展示されているオルメカ男性像の着衣が、胸元に管のついた制御装置と6枚の翼が施された与圧服であることから、これを“宇宙服を着た宇宙飛行士”と断言する。このことからオルメカの人々は数千年も昔から異星人に高度な航空技術を与えられていたと推測している。
     実はサン・アグスティン遺跡近くの川沿いでは、ヒンドゥー教の聖典のひとつ『マハーバーラタ』に登場する「ヴィマナ」や現代の航空機に酷似した黄金製の遺物が17個も発見されている。ヴィマナも尾翼付きのものや、円盤型のものなど、多様な形状があるのだ。ツォカロス氏の主張どおり、その昔、この地に移住した古代オルメカ人の飛行船を模写した可能性もあるだろう。

    「古代の宇宙人」の進行役、ジョルジョ・ツォカロス。©2025 A&E Television Networks. All Rights Reserved.

    スカイピープルの再来はあるのか

     これらを踏まえると、オルメカの人々は、飛行船を製造し自由自在に地球を移住できる古代ヒンドゥー教に関わりのある集団ーーということになるが、番組では古代宇宙飛行士説を軸に、チャム族との関係性について見解を展開しているのでぜひ確認していただきたい。マヤの創造神「ククルカン」もまた、宇宙船を操縦するヘルメット姿の宇宙飛行士であるとすれば、南米各地に伝わる「天空神」との関連性を感じずにはいられない内容だ。

    メキシコのソチカルコ遺跡にある「ケツアルコアトル(ククルカン)」のレリーフ。

     今なおマヤの長老たちが伝える人智を超えた存在に「スカイピープル」がある。その正体については不明だが、高度な航空技術を持っていたオルメカにルーツを持つマヤは、カトリック教会にとっては脅威であったろう。自分達の信じている創造神が、万が一にも地球外に由来する異星人だったとしたら……。バチカンが一部秘密裏に保管している可能性も捨てきれないが、南米大陸で唯一文字を持つマヤの記録を破壊することで、自分達の立場が揺らぎかねない歴史を葬り去ろうとしたのではないだろうか。

     しかし彼らの思惑とは裏腹に、現在も熱帯性雨林の分厚いジャングルの下や、古代遺跡からマヤの痕跡は続々と発見されている。真実が日々、明かされ続けている今、カトリック教会が躍起になって隠したマヤの証拠が見つかる日はそう遠くないのかもしれない。

    マヤ文明には未発見、未発掘の遺跡も多い。©2025 A&E Television Networks. All Rights Reserved.
    未発掘のピラミッドには、古代の宇宙人とのかかわりが隠されている可能性もある。©2025 A&E Television Networks. All Rights Reserved.

    番組情報
    ヒストリーチャンネル「
    古代の宇宙人 S13」
    4月6日~ スカパー!ほかで放送開始
    ©2025 A&E Television Networks. All Rights Reserved.

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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