千利休はキリシタンだった!? 織田信長の野望を支えたイエズス会の謎/加治史観の世界
信長、秀吉、家康らが覇を競った戦国時代。その背後にはイエズス会とキリシタン千利休の姿があった! 作家・加治将一氏の論証をもとに、茶の湯とキリスト教の深い関係に迫る。戦国時代は茶室も”戦場”だった!
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宿曜道に由来する9つの星を表す家紋「九曜紋」をテーマとした展覧会が、細川家の屋敷跡・永青文庫で開催!
細川家の家紋のひとつである「九曜紋(くようもん)」をフィーチャーした夏季展「Come on!九曜紋 ―見つけて楽しむ細川家の家紋―」が、東京都文京区の永青文庫(えいせいぶんこ)で2024年7月27日(土)から開催される。
細川家は、室町幕府三管領の一つとして栄えた武門の誉高い家。そんな細川家が伝えてきた歴史資料・美術工芸品などの貴重な文化財などを研究・展示し、一般に公開している施設が永青文庫だ。江戸時代から戦後にかけて所在した、広大な細川家の屋敷跡の一隅にある。
今回の展覧会では、武器武具、調度品、染織品など、細川家の九曜紋があしらわれた大名道具が幅広く展示され、作品のあちこちに隠された九曜紋を見つけて楽しむ展覧会となる。
「かもん、くようもん」という、口に出したくなるタイトルの響きを飛び越えて、興味深い展示内容がアナウンスされているので、九曜紋の由来と合わせて紹介したい。
現在の細川家は、藤孝(幽斎)を初代として室町時代に始まった。武人の藤孝は和歌など諸芸に優れた文化人として、また織田信長の雑賀征伐に弱冠15歳で初陣を果たした2代忠興(三斎)は、千利休の高弟の一人としても名高い。そこに嫁いだのが明智光秀の娘・玉で、キリスト教に入信した彼女は細川ガラシャの洗礼名で知られている。
その忠興が、仕えた信長より拝領したと伝えられるのが、九曜紋である。1つの円の周りに8つの円を配した形で表されるその紋様は、「9つの星」を表すと言われる。
さて、九曜紋が表す「9つの星」とはなのか? その根源を辿ると、元々はインド占星術が扱う9つの天体とそれが表す神である。それが中国で「宿曜経」という東洋の占星書に漢訳され、さらにそれを弘法大師・空海が密教と共に日本に持ち帰った。
この「宿曜経」が発展し、いわば仏教占星術と言える「宿曜道」が体系づけられる。そう、現在の「宿曜占星術」の基盤である。宿曜道はかつて、天体で政治や物事の吉凶を占ったおなじみの陰陽道と人気を二分した時期もあった。
実は九曜紋とは、この宿曜道の占いで重要な役割を果たす9つの星=「九曜」に由来する紋様なのだ。具体的には、日(太陽)・月・火・水・木・金・土の七曜星に、羅睺星〈らごせい〉と計都星〈けいとせい〉を加えたものを九曜と言う。
七曜星はまあわかるとして、残りの2つは何かと言うと、実は本物の星ではない。宿曜道で、羅睺は日食・月食を起こす魔物、計都はその尻尾または彗星と言われ、いわば架空の天体的なものとして表されていた。…のだが、宿曜道に表されているその運行内容を現代科学で計算したら、羅睺は月の昇交点、計都は月の遠地点であることが解明されたという流れもあって、この辺は掘り下げると非常に興味深い。
そんな九曜の存在、いわば仏教占星術における星への信仰に由来して作られたのが、九曜紋のデザインなのだ。
既述の通り、1つの円の周りに8つの円を配し9つの星=九曜を表しているわけだが、この紋様自体は細川家の家紋となるより昔から存在し、平安時代から交通安全などの加護を願って乗り物や衣服にあしらわれていた。
それがやがて、家紋として広く用いられるようになっていく中で、忠興が信長から拝領して細川家の定紋(じょうもん、公式の場で用いる家紋)とした…という経緯だ。
なお、江戸時代には大名・幕臣100以上の家が九曜紋を用いていたとか。下総国の千葉氏の紋として知られ、関東から東北、やがて全国へと広まっていったそうだ。
ちなみに、忠興が信長より九曜紋を拝領したのち多用された、9つの円が離れた紋の形となったものは「細川九曜」とも呼ばれる。細川家において九曜紋は、武器武具から調度品、染織品、掛軸の表装にいたるまで、様々なところに表された。
なお、永青文庫で家紋をテーマとした展覧会を実施するのは今回が初とのこと。本展では、こうした九曜紋の起源を解説するとともに、星の信仰に由来する軍扇などを紹介予定。さらに大名家の伝来品にみられる九曜紋が幅広く展示され、細川家と九曜紋の関わりが紹介される。山鳥の羽を扇状に付けた兜、鞍の上にかける鞍覆など、これまではあまり公開する機会のなかった珍しい作品も展示されるとのことだ。
さらに、会期中(休館日を除く)の来館者には、毎日先着30名様に永青文庫オリジナル「九曜紋うちわ」がプレゼントされるキャンペーンも実施予定。ぜひ、展示作品のあちこちに隠された九曜紋を探しに行ってみては?
<イベント概要>
会期:2024年7月27日(土)〜2024年9月23日(月・振)
会場:永青文庫
住所:112-0015 東京都文京区目白台1-1-1
時間:10:00〜16:30(最終入館時間 16:00)
休館日:毎週月曜日(ただし8月12日・9月16日・9月23日は開館し、8月13日・9月17日は休館)
入館料:一般:1000円、シニア(70歳以上):800円、大学・高校生:500円※中学生以下、障害者手帳をご提示の方及びその介助者(1名)は無料
公式サイト:https://www.eiseibunko.com/
杉浦みな子
オーディオビジュアルや家電にまつわる情報サイトの編集・記者・ライター職を経て、現在はフリーランスで活動中。
音楽&映画鑑賞と読書が好きで、自称:事件ルポ評論家、日課は麻雀…と、なかなか趣味が定まらないオタク系ミーハー。
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