翼をもつ不可思議な遺物は古代の航空機か?「黄金ジェット」の謎 /羽仁礼・ムーペディア
毎回、「ムー」的な視点から、世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。 今回は、南米コロンビアの古代遺跡から発見されたという奇妙な形状の黄金製オーパーツについて取りあげ
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子供たちはとっくに帰宅し、静まりかえった校内。巡回のため階段にさしかかると、踊り場の鏡に男性とおぼしき姿が。いるはずのない人の姿がなぜそこに?
◆Hさん(52歳)/静岡県
これは、以前、私と同じ学校に勤務していた、S先生というベテラン女性教師が体験した出来事です。
S先生に『戸締り当番』がまわってきた日のことでした。その学校では、月に1~2度、順番で、教師が帰宅する前に校舎内の戸締りを確認することになっていました。
その日は何かと忙しく、遅くまで仕事をしていたS先生。戸締り当番だったことを思いだしたのは、夜9時ごろだったそうです。
職員室にはすでに自分と教頭先生しか残っていなかったそうで、あわてて戸締りの確認をしにいきました。
大急ぎで教室や廊下の窓の鍵を確認してまわるS先生。だれもいない夜の学校は静まりかえっていて、とても気味が悪いものですが、ベテランのS先生は慣れたものでした。
その学校の階段の踊り場には大きな鏡があります。S先生が階段を下りながら何気なくその鏡に目をやると、自分のすぐ後ろに男の人のような人影が映りました。思わずハッとして振りむきましたが、男の人どころかだれもいません。
“変だな、おかしいな”
と、思いながらまた鏡のほうを向くと……。
その瞬間でした。何といきなり鏡の中から手が出てきて、先生がしていたネックレスのチェーンをつかみ、引っぱってきたのです! !
先生は動転しながらも、何とか鏡の中に引きこまれないようにと懸命に踏んばり、抵抗しました。
ところが、ネックレスのチェーンを引っぱる手の力はものすごく強く、グイグイと引っぱられているうちに次第に首が締まってきて、だんだん意識が遠くなっていきます。やがて先生は気を失い、その場に倒れてしまいました。
どれくらいたったころでしょう、先生はその鏡の前で座りこんでいる状態で目を覚ましました。なぜかそのとき頭がものすごく痛かったそうです。
それでも何とか立ちあがり、腕時計を見ると、すでに深夜1時を過ぎていました。
先生には自分の身に起きたことがどうしても現実とは思えませんでした。そこで、あれはきっと自分が疲れているせいで、巡回途中に意識を失って倒れてしまい、悪い夢でも見たのだろうと考えることにしました。
しかし、それにしては首筋が何やらヒリヒリと痛みます。そこで目の前の鏡に顔を近づけ、首のあたりを映してみると――何と首筋に紫色に変色した痕がクッキリと残っていたのです。それはまさにネックレスのチェーンを強く引っぱられたときにできるような痕でした。
“エッ!?”
先生は驚くとともにあわててその場から離れ、急ぎ足で職員室に戻りました。すでに教頭先生は帰宅した後で、職員室は消灯され、鍵もかかっていました。当然、先生も大急ぎで帰宅したそうです。
そんな出来事があったことをS先生が私に話してくれたのは、その翌日のことです。S先生の首筋についた痛々しい紫色の痕を私が見つけ、思わず理由を聞いてしまったため、先生は身を震わせながら渋々話してくれたのでしょう。
その出来事は、S先生にとってよほどの恐怖体験だったのだと思います。その後、しばらくしてS先生は退職してしまいました。
◆Kさん(26歳)/大分県
私の知りあいのA子さんの、高校1年生の夏休み中の体験です。
その日、部活があったため、彼女は午前中から学校に来ていました。
やがて家に忘れ物をしたことに気づいた彼女は、自転車で10分ほどの自宅まで急いで取りに戻ることにしました。
普段の通学路ではなく、ちょっと近道をすれば自宅へはもっと早く着けるはずでした。ただ、その近道の途中には、長さ200メートルほどのトンネルがあります。
鬱蒼とした山道の途中にあるそのトンネルは、実は地元では有名な心霊スポットでもありました。トンネル内は昼間でも真っ暗で、なんとも無気味な雰囲気がある上に、道幅が非常に狭いこともあって、地元の人たちが利用することはめったにありませんでした。
しかし、彼女は、そこを自宅までの近道と知っていたため、それまでも何度かそのトンネルを通ったことがありました。
ただ、そんなときにはたいてい数人の友だちといっしょだったので、そこがそれほど怖い場所だという認識はありませんでした。それどころか、心霊スポットというのもただの噂ではないかとすら思っていたそうです。
やがてそのトンネルに近づいてきました。周囲には彼女以外、だれもいません。
多少、ほかの人たちより慣れているとはいえ、ひとりで真っ暗なトンル内を通ることに、彼女はいくら
か心細さを感じていました。とにかく急いで忘れ物を取りにいかなければと、はやる思いで強くペダルを踏みこみ、トンネル内へと自転車を乗りいれました。
トンネル内を半分ほど過ぎたころでした。突然、自転車の荷台が後ろに引っぱられたように感じたのです。
“えっ? 何!?”
とっさにブレーキをかけて自転車を停め、すぐに背後を確認しました。しかし、とくに異状はありません。
“変だな、おかしいな”
そう思いながら再び自転車を走らせると、次の瞬間、今度はハッキリと後ろにグイッと引っぱられる感覚があったといいます。
トンネル内は、緩(ゆる)やかな下り坂になっていたので、じつは後ろに引っぱられると感じること自体が不自然だったのですが……。
彼女は、“ちゃんと自転車を停めて背後を確認しなければ”と、思いました。ところがその瞬間、彼女の背筋にゾクッと悪寒が走ると同時に、“振りむいてはいけない! !”と、強く感じたそうです。
そこで彼女は、そのまま自転車を停めることなく、後ろから何かにグイグイと荷台を引っぱられる力に抗あらがいながらも、必死にペダルを漕ぎつづけました。
そうして何とか無事に恐怖のトンネルから抜けだすことができたといいます。
その後、無我夢中で自宅へたどりつくと、忘れ物を手に、今度は近道は使わず、学校へとんぼがえりしたそうです。
学校に戻った彼女は、すぐさまほかの部員や顧問の先生に、自分が体験したトンネル内での出来事を話しました。すると、顧問の先生やみんなから、あのトンネル内での恐怖体験談が次々と飛びだしたといいます。以来、彼女は二度とそのトンネルを通る近道を利用することはありませんでした。
◆Sさん(51歳)/栃木県
私が県内の総合病院で医療事務の仕事をしていたときのことです。
その日、私はある医師から頼まれた書類の作成に手間取り、夜遅くまで残業をしていました。いつもは外来患者さんや見舞いの人たちでにぎやかな院内ですが、夜もすっかり更けている今は、シーンと静まりかえっています。
私はなるべく早く仕事を終わらせようと思い、デスクに向かって集中していました。
どこの病院でも、医療事務の仕事が行われる場所は、たいていナースステーションの横にあるサービスカウンターの奥にあります。
どれぐらいたったころでしょうか、仕事に一区切りつけて、自動販売機のコーヒーでも買いにいこうかと思い、私は大きく伸びをしました。
するとそのときです。廊下のほうから、ペタ、ペタ、ペタと、だれかが裸足で歩いてくるような足音が聞こえてきたのは……。
私はその足音の感じから、どうやら子供のようだと思いました。振りかえって廊下のほうを見ようとしたのですが、事務室のドアが閉まっていて、廊下まで見わたすことができません。
そこでとにかくコーヒーを買いにいこうと思い、もう一度、書類を目にした後、立ちあがろうとした瞬間でした。なぜか突然、ゾクッとひどい寒気がしたのです。
同時に、背後に何やら妙な気配を感じて思わず振りかえると――何とそこにいたのです! 三つ編みした髪を肩まで垂らし、白いパジャマを着た女の子が! !
その顔色は真っ青です。恐ろしいことに私の驚いた顔を見て、ニーッと笑っています。その後、痩せほそった両手を私のほうに伸ばし、「遊ぼ……」と、ささやいたのです。
私はあまりの恐怖に息を呑んだまま、全身を凍りつかせていました。
すると女の子がスッと私に近づき、デスクに乗せたままだった私の手に軽く触れてきたのです。私はその手のあまりの冷たさに、思わずイスから飛びあがってしまいました。
そして、その勢いのまま事務室のドアに飛びついた私は、ドアを開けると同時に廊下へと一目散。
すぐ横にはナースステーションがあります。そこにベテランの看護師さんがいました。私は声と指を震わせながら事務室のほうを指さし、その看護師さんに女の子のことを訴えました。
するとその看護師さんが、私を落ちつかせようとするような優しい笑顔のまま、「それって、たぶんS美ちゃんじゃないかしら」と、ひと言。
それを聞いた瞬間、私も唐突に、S美ちゃんという難病との闘いの末に昨年亡くなった女の子のことを思いだしました。
いわれてみれば、確かにあれはS美ちゃんでした。彼女とは、何度か院内で言葉を交わしたことがあります。あまりに突然の出現に驚いて、私は咄嗟にS美ちゃんとはわからなかったのでしょう。
私はその夜が初めてだったのですが、そのベテラン看護師さんはそれまでにも何度か、夜勤のときなどに院内をさまようS美ちゃんを見かけているとのことでした。それで私の話を聞いて、すぐにピンときたのだそうです。
S美ちゃんが無事に成仏できるよう、私は今も、毎日、手を合わせています。
祖母の死と村の嫌がらせ
Kさん(78歳)/千葉県
今から65年ほども前、私が中学生のころだったが、今でもはっきりと覚えている。真冬の寒い夜、夕食を終え、家族全員がこたつに入り、ラジオから流れる落語を聴きながら団らんしているときだった。
突然、ガラガラッと玄関の戸が開く大きな音がした。だれが来たかと玄関を見たが、玄関の戸は開いていなかった。しかし、その後また、ガラガラッと玄関の戸が閉まる音がした。
そこは封建制が強く残る古風な村。私たち家族は東京からの引揚者だったため、よそ者を快く思わない村人たちから夜中に家に石を投げつけられるなど、いろいろと嫌がらせを受けていた。そのときもその類いだろうと思っていた。
ところが、その翌日、母親の実家から祖母の死の知らせが届けられた。しかも前夜、玄関の戸が開いて閉まる音がした時刻にちょうど息を引きとったとのこと。私は祖母が自分の死を知らせにきたのだと思った。
不思議なことに、その日を境に村人からの嫌がらせがなくなった。村人の嫌がらせに心を痛めていた祖母の霊力か!?
ないはずの歩道橋
Sさん(37歳)/富山県
これは私の母から聞いた話です。母が子供のころ、小学校の通学路にもなっていた交通量の多かった道路に横断歩道橋が設置されました。子供たちにはもちろん地元の大人たちにもその歩道橋は大いに役立ったので、だれもがみんな日常的にありがたくそこを利用していました。
しかし、やがてときがたつにつれて、歩道橋の老朽化も進みます。次第に危険度が増してきて、ついには取りこわされることになりました。不思議なことが起きはじめたのは、その歩道橋が撤去されてからしばらく経ったころからだったそうです。
何と町の人々が昼夜を問わず、すでにそこにないはずの横断歩道橋を上っていったり下りてきたりする、たくさんの淡い人影を目撃しはじめたというのです。どうしてそうした現象が起きるのかまったくわかりませんが、私の母もそんな不思議現象の目撃者だったそうです。
数年後、その歩道橋のあった場所の近くにお寺ができると、なぜかピタリとその現象は収まったそうですが……。
(月刊ムー2020年11月号掲載)
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