死を呼び込む階段井戸の深みを覗く! インド・メフラウリ遺跡公園にまつわる心霊現象/遠野そら
宗教的、歴史的な地層が厚いインドの遺跡は、必然、異界の力が高まってしまうのか……。心霊スポットと知られる階段井戸の逸話を紹介。
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崩壊した聖なるマスジド・ハラームから〝発見〟された「ガブリエル・アーク」。モーセのアークにも匹敵する力を秘めたこの聖遺物は、はたして何を目的に創られたのか? そしてふたつのアークそれぞれの役割とは?
目次
2015年12月、ロシア国防省(MOD)によって作成されたと思われる報告書の内容が流出した。
コードネーム「緊要宗教軍(criticalmilitary-religious)」と呼ばれるこの文書には、イスラム教徒に古くから伝わる「ガブリエル・アーク(ジブリール・アーク)」を南極へ輸送する超極秘プロジェクトが記されていたのだ。
ロシア政府が国の威信をかけて輸送したガブリエル・アークとは、いったいどのようなものなのだろうか。
「それは、偉大なる神の力が備わっているもの。人の手に落ちてはならない。最後の審判/復活の日(ヤム・アル・キヤマ=Yawm al-Qiyamah)まで決して開けてはいけない。またその力を試すようなことをしてはならない。人間が神に創造される前に、天使が神を礼拝していた場所の近くに埋葬するように」
これは『古代コーランの写本』に記されているといわれる一節である。大天使ガブリエル(ジブリール)の名から「ガブリエル・アーク」と呼ばれるこの箱は、イスラム教の創始者である預言者ムハンマドによって、聖なる場所の地中深くに埋められたといい伝えられている。
2015年9月11日。サウジアラビア・メッカで、聖モスク「マスジド・ハラーム」に巨大クレーンが激突。少なくとも108人が死亡、230人以上が負傷するという大事故が起きた。2週間後にイスラム教の大巡礼(ハッジ)を控え、大がかりな拡張工事中のことだった。
マスジド・ハラームは、イスラム教徒にとってもっとも神聖なカアバ神殿がある世界一の大モスク(礼拝堂)である。健康で経済的に余裕のあるイスラム教徒には一生に一度のハッジ(メッカへの大巡礼)が義務づけられており、イスラム暦におけるハッジの際には、世界中から300万人以上もの巡礼者がメッカに集まるという。
年々増えつづけるイスラム教徒のために国は数千億円という莫大な費用を投じ、マスジド・ハラームの敷地を約40万平方メートル拡張し、最大220万人が同時に礼拝できるよう大掛かりな工事を行っていたのだ。
「箱のようなものがあるぞ‼」
モスクの壁近くの基礎工事で、掘削作業にあたっていた作業員が、地中から四角い箱のようなものを発見した。それはまだ半分ほど土中に埋まっていたが、鉄のような固い素材で、石棺のような形をしていたという。
聖地の地下から出土した謎の石箱に、作業員らの目の色が変わる。制止する声も聞かず、ひとりの作業員が建築用バールでこじ開けようとした。
だが、次の瞬間──。
箱から稲妻のような強力なエネルギーが放出されたかと思うと、作業員の体は瞬く間に宙へと飛ばされた。そして放出されたエネルギーの衝撃で重さ数十トンともいわれるクレーン車までも転倒、モスクに直撃したのだ。
謎の石箱から放出されたすさまじい威力に、現場は慄然。閃光はモスクの外でも目撃され、巡礼者らはパニックに陥った。
「この事故は、まさに人間の力を超えていたとしかいえません。それは神の行為であり、私の知る限り人間側の過失はひとつもありませんでした」
工事を担っていたサウジアラビア最大の建設会社サワディ・ビンラディングループのクレーン技術者は、クレーンの先にある吊り上げフックが突然揺れ、車体が転倒したと説明した。
さらにこのクレーン事故から2週間後の9月24日。今度は専門家立会いのもと、慎重に石箱の発掘作業が行われた。だが、またもや箱から超強力なエネルギーが放出してしまうのだ。この日はイスラム暦・ハッジの祝日でもあり、相当な数の巡礼者が訪れていたことから、4000人以上もの犠牲者を出す大惨事となってしまった。
史上最悪ともいえるこの事態を重く受け止めたイスラム教の2大聖域、カアバ神殿があるメッカとムハンマドのモスクがあるマディーナの代表らは、発見された石箱が伝説のガブリエル・アークである可能性があるとしてサウジアラビア政府に相談する。
カアバ神殿は、神の命(めい)によって天使たちが建造した場所であり、天の寺院の真下にあるとされている。もし「天使が神を礼拝していた場所」がカアバ神殿を指しているのだとしたら、ムハンマドがガブリエル・アークを埋めた場所としてもっとも近いものだ。
しかし、イスラム教はもちろんのこと、キリスト教やユダヤ教にとっても聖地といわれる場所が数多くあるメッカで、伝説のガブリエル・アークが発見されたとなれば、また多くの血が流れるのは必至である。そこで彼らは、アークにまつわる記述が残されているという『古代コーランの写本』を保管するロシア正教会と秘密裏にコンタクトをとった。
だがなぜ、ロシア正教会が『古代コーランの写本』を保管しているのか。
それを知るには、長い中東周辺諸国における戦争の歴史を説明しなければならない。
7世紀初めにアラビア半島で興ったイスラム教は、唯一神であるアッラーを信仰し、預言者ムハンマドが大天使ガブリエルを通じて下された神の啓示の記録『コーラン(クルアーン)』を啓典としている。
ムハンマドには最後の預言者として、23年間に渡り啓示が下されたとされているが、彼は非識字であった。そこで、数人の書記役がナツメヤシの葉や石板、羊皮紙などに啓示を書き写していったのだ。しかし信者が増えていくにつれ、地域の方言や伝承者の解釈の違いなど、恣意的(しいてき)な変更が増えていったため、写本を編纂して現在の『コーラン』が完成したとされる。
このとき生前のムハンマドが語った啓示が、本稿でこれまでに登場した『古代コーラン写本』と呼ばれるものである。もちろん長い間、大切に保管されていたが、東ローマ帝国や西方(ローマ・カトリック)教会から派遣された十字軍などとの戦いで、その多くを失うこととなった。
1204年。キリスト教における聖地奪還を求めて遠征を行っていた十字軍がその大義から外れ、味方であるはずの東方正教会の総本山・東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルを占領した。街では十字軍による残虐行為が繰り広げられ、何世紀もの間、大量の聖遺物を所蔵していたキリスト教5大教会のひとつアヤソフィア(ハギア・ソフィア大聖堂)からは、キリストが磔刑にされた「聖十字架」や「ノアの箱船の扉」など、多くの聖遺物が奪われたといわれている。そしてこの略奪から奇跡的に難を逃れた『古代コーランの写本』を、東方正教会から独立したロシア正教会が保管していたのだ。
ムハンマドがガブリエルから口述で受けた啓示をまとめた『コーラン』はすべてアラビア語で伝えられており、オリジナル言語であるアラビア語以外は認めない。神学的にいえば、『コーラン』で伝えられている言葉は神の言葉であり、人間の言語のそれではないのだ。
もしかしたら日本語との相違はあるかもしれない。だが、おそらくロシア正教会も問題の箱が伝説のガブリエル・アークだと考えたに違いない。
イスラム教代表者らに加え、サウジアラビア政府の要人と会談したロシア正教会代表のキリル総主教は、すぐさまことの顚末をロシアのプーチン大統領へ報告。キリル総主教とイスラム教側でどのようなやり取りがあったのかは不明だが、元ロシア政府科学者によると、プーチン大統領はこの報告を受けるとすぐに、南極にいたロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジミルスキーをサウジアラビアへ派遣。ガブリエル・アークを南極へ運ぶよう
指示した。
その作戦が「緊要宗教軍(criticalmilitary-religious)」なのだ。
11月下旬、サウジアラビア・メッカ州の紅海にのぞむジェッダ港に、大洋研究調査船アドミラル・ウラジミルスキーが入港した。ロシア海軍の船がジェッダ港へ派遣された理由について、海軍のスポークスマン表向きは「乗組員の休息と水や食料などの物資補給のために立ち寄った」と発表した。
だが、2大石油産地として関係が悪化しているロシアとサウジアラビアである。この前代未聞の出来事は世界中でニュースとなった。1週間ほど停泊したアドミラル・ウラジミルスキーは物資を積みこむと、再び南極へ向かって出港。するとインド洋へと入った途端、ソヴレメンヌイ級駆逐艦やミサイル巡洋艦といった戦闘戦艦のほか、大型海上給油艦や海賊対処部隊の救助曳船が現れ、同船を護衛する。さらに軍事衛星まで上空に移動した。さすがにこれは何かあると、だれもが思わざるを得ないだろう。
アドミラル・ウラジミルスキーが南極に到着した2016年2月。このタイミングを待っていたかのように、今度はロシア正教会キリル総主教がある人物と歴史的な会談を行う。
その相手とは、長い間分裂していたローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇である。
キューバ国際空港で行われたこの会談は、迫害を受けているキリスト教徒について話し合われ、まさに両教会の歩み寄りを象徴するような出来事であ
った。世界中で大々的にニュースとなったので、覚えている方もいるだろう。
だが、先にも述べたが、第4回十字軍の大義に反した侵攻で、東方正教会側のローマ・カトリック教会への不信は憎悪にまで高まったといわれている。その後、約1000年もの間、修復不可能なほど分裂していた両教会のトッ
プが突如、このタイミングで会談を行ったのはなぜなのだろうか。
筆者は両教会を結びつけたのは、ガブリエル・アークではないかと考えている。ローマ・カトリック教会もまた、十字軍が戦利品として持ち帰ったイスラム教諸国の宗教的蔵書を数多く保管しているのだ。
聖モスク・マスジド・ハラームの地中からガブリエル・アークが発見されたことで、ロシア正教会キリル総主教は『古代コーランの写本』を必ずひも解いたはずだ。そしてガブリエル・アークが恐るべき超エネルギーを宿していることも、イスラム教代表者らとの会談で聞いているに違いない。
そこで、キリル総主教は、ガブリエル・アークにも契約の聖櫃アーク同様に、細かい取り扱い方法があるのではないか、と考えたのではないだろうか。
『旧約聖書』に登場する契約の聖櫃アークとは、預言者モーセがイスラエルの民に繁栄と祝福を約束する代わりに授かった十戒が納められた箱である。この10の戒めを記した石板を納めるにあたり、神は、箱の材料や寸法はもちろんのこと、その装飾や運び方、設置する幕屋、さらには祭儀の際に着用する祭服にまで、こと細かに指示を出した。
そしてイスラエルの民はそれらを忠実に守り、畏敬(いけい)することで数々の奇跡を起こしてきたのである。あるときは川の水をせき止め、またあるときは堅固なエリコの城壁を壊滅させる──。民はアークの力を借りて約束の地カナンへとたどり着くのだ。
しかしその半面、神への畏怖(いふ)を忘れ、ぞんざいに扱えばたやすく民の命を奪う恐ろしい代物でもあった。神に許されていない者がアークに触れれば、即座に命は奪われる。イスラエルの民と敵対していたペリシテ人がアークを盗んだ際には、感染症などの厄災がもたらされ、多くの命が犠牲となった。
キリル総主教がフランシスコ教皇から、どのような話を耳にしたのかは推測するしかない。だが、おそらくこの会談において、ローマ・カトリック教会が保管する『古代コーランの写本』に書かれた「何か」を受け伝えられたのだろう。キリル総主教は会談後、その足で南極へと向かったのだ。
南極入りしたキリル総主教は、まず南極ペリングスハウゼン基地にある至聖三者聖堂で、ロシア正教会初となる礼拝を行ったと報じられている。
だがその礼拝者たるや、みな軍人である。彼らはガブリエル・アークの極秘輸送プロジェクト「緊要宗教軍」で派遣されたスペツナズ(特殊任務部隊)だったといわれている。
確かにここは最果ての地、南極だ。
プロジェクト「緊要宗教軍」を遂行するため、陸の護衛に特殊部隊がいてもおかしくはないだろう。このことからもガブリエル・アークが南極へ運びこまれたことは間違いない。
しかし、ここで疑問が残る。なぜ彼らは南極へと運びこんだのだろうか。
それにはさまざまな説があるが、筆者は『旧約聖書』に登場する契約の聖櫃にこそ、そのヒントが隠されていると考えている。そこでまずは契約の聖櫃とガブリエル・アークの違いについて、改めて確認してみたいと思う。
「彼らの預言者は言いました。彼の王権の印は(契約の)箱があなた方にやってくることです。その中にはあなたがたの主から静穏(サキーナ)があり、モーセ(ムーサー)家とアーロン(ハールーン)家の遺品があります。それ(遺品)を天使たちが運んできます。あなた方が信仰する人なら、本当にその中にあなた方への確かな印があります」(『コーラン』2:248)
これが『コーラン』が伝える契約の聖櫃である。箱の中には「モーセとアロンの遺品が入っている」と記されていることから、ここではわかりやすく「モーセ・アーク」とする。まず、ここにある「遺品」とは、十戒が刻まれた石板とアロンの杖のことであろう。
これら「遺品」が入っているとされるモーセ・アークに対し、ガブリエル・アークの中に何が入っているのかは不明だ。
また、その素材にも違いがある。モーセ・アークは金の装飾を施したアカシア材で作られているのに対し、ガブリエル・アークは鉄のような固い素材でできている。
さらにいえば、持ち運びタイプのモーセ・アークと、地中に埋めろと指示があったガブリエル・アークは、まったくの別物といっていいのではないだろうか。
では、具体的にこのふたつはどう違うのか。次章では、それを見ていくことにしよう。
『旧約聖書』によると、アブラハムの孫でイサクの子のヤコブが、のちのイ
スラエル民族・ユダヤ民族の父となり、ヤコブの12人の息子たちがイスラエル12支族の祖となった。このことから、モーセやイエスは彼らの末裔だ。
これに対して、アブラハムとエジプト人の奴隷ハガルとの間に生まれたイシュマエルは、アラブ民族の父となり、イシュマエルの12人の子たちがイシュマエル12支族の祖となっている。このことから、ムハンマドはイシュマエルの末裔となるのだ。
そこで改めて、このふたつのアークを比べてみると、どうだろう。神はモーセ・アークをイスラエル12支族に与え、ガブリエル・アークは、イシュマエル12支族に与えたものとなる。
また、イスラエル12支族の末裔であるイエス・キリストが創始したキリスト教、そしてモーセによるユダヤ教と、イシュマエル12支族の末裔であるムハンマドが創始したイスラム教──これらは異なる宗教ではあるが、いずれも「世界の終末」と「最後の審判/復活の日」について、重要なるつながりが見られるのである。
まずはイスラム教における「終末の日」と「最後の審判/復活の日」を見ていきたいと思う。
啓典『コーラン』によると、世界の終末はある日突然起こる。アレキサンダー大王(ズールカルナイン)によって作られたふたつの崖の間の鉄壁が突如崩れ落ち、閉じこめられていた巨人ゴグ(ヤァジュージュ)とマゴグ(マァジュージュ)が大きな波のようになって世界を荒らしはじめるのだ。神の創られた7つの天は大きく揺れ、崩れ落ちる。輝く星たちは、光を失って地上に降り注ぎ、地上の山々は崩壊。大地は海の水に覆われる──。
こうして人類は、混沌となった世界で滅亡するのだ。
そして世界が終わると、最後の審判/復活の日が始まる。
すべてが終了したことを知らせるラッパが鳴ると、もう一度ラッパが鳴り、神の裁きが始まるのだ。右肩の天使が善行を、左肩の天使が悪行を記しており、その本の重さで最終的な目的地が決まるという。
そこには、最後の審判/復活の日まで決して開けてはならないという、ガブリエル・アークについては、それらしき記述は見られない。
では、キリスト教ではどうだろうか。『コーラン』では突然現れる巨人が世界の終末を連れてくる存在として描かれているのに対し、『新約聖書』「ヨハネの黙示録」にある終末は大きく違っている。
終末は突然訪れるものではなく、まず7つの封印が解かれ、7人の天使がラッパを鳴らし、7つの鉢が地上へと投げられる。すると、徐々に終末へと近づくのだ。
また、『コーラン』では巨人がトリガーとなり世界に終末が訪れているが、「ヨハネの黙示録」では、ユダヤ教のモーセ・アークがそれとなる。
7人目の天使が最後のラッパを吹き、天の聖所にある契約の箱が現れると世界は終末に向けて突き進む。そして千年王国が終わりを迎えると、底なしの淵から魔王アポリオンが解放され、悪魔の手先となったゴグとマゴグが大軍を率いて暴風のように進み、雲のように地を覆うのだ。モーセ・アークが「終末」を意味するのであれば、最後の審判で復活を意味するガブリエル・アークはまさに「再生」を意味していると思われる。そしてこれこそが、南極に運びこまれた真の理由なのではないだろうか。
終末に現れるモーセ・アークが、「壊滅」を意味しているのであれば、復活の日に現れるジブリール・アークの意味はおそらく「再生」であることは先述した通りだ。
ロシア政府の極秘プロジェクト「緊要宗教軍」によって南極へと運ばれた理由がこの「再生」にあるとすれば、彼らがガブリエル・アークを運んだ場所は、南極のピラミッドなのではないだろうか。
ガブリエル・アークに対し、“祀る”という表現が正しいのかはわからない。だが、「天使が神を礼拝していた場所の近くに埋めるように」と指示されていたこと、そしてイスラム教最高の聖地・カアバ神殿がある聖モスクで発見されたことから、ガブリエル・アークこそ「聖なるもの」である気がしてならない。この南極大陸でも、太古の昔より聖なる場所として崇められていたピラミッドが数多く発見されているのはただの偶然ではないだろう。
ポールシフトという混沌とした世界が終わり、訪れる復活の日。そのとき大天使ガブリエルから託されたガブリエル・アークによって、分厚い氷の下に眠るピラミッドは深い眠りから目を覚ますのではないだろうか。
イスラエル12支族に与えられたモーセ・アークとイシュマエル12支族に与えられたガブリエル・アーク。筆者にはそのとき、このふたつが月と太陽のようにひとつにつながる気がしてならないのだ。
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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