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文=遠野そら
同じ時間に別の場所で、同じ人物が目撃される。「バイロケーション」現象。聖職者が自分の意思で発現させる特殊能力としての報告が多いが、はたしてそれは神の恵みか、パラレルワールドとの接触か?
同じ人間が同時に2か所で目撃される現象「バイロケーション」。自分の意志で、他の場所に姿を発現させる超常現象の1つである。かの有名なピタゴラスや、ノストラダムスの他、カトリック教会における聖人たちがこのような能力を示したというが、どのようにして自分の分身を発現させていたのだろうか。
バイロケーションに関する最も古いバチカンの記録は14世紀。聖パドヴァのアントニオがフランス・リモージュにあるサン・ピエール教会と、そこから何キロも離れた場所にある教会の2か所で同時に礼拝説教をしていたことが記されている。これは多くの教会関係者らに目撃されており、どちらの本物のアントニオで間違いない、という証言が数多く残されている。また他にもアントニオは数々のバイロケーションを行っていていたことから、バチカンでは高い宗教認識の証であり、聖人が示す奇跡の1つとしているという。
さらに16世紀になると、今度はバイ(=2か所)ロケーションのみならず、3か所に姿を発現させるトリロケーションが報告されるようになる。
南米ペルー・リマにあるドミニコ修道院の聖マルティン・デ・ポレスは、修道院の敷地内から一歩も出ることなく、メキシコやアフリカ、日本と言った遠い異国の地でも頻繁に発現していたというのだ。
特にマルティンは北アフリカへ幾度となく赴いており、貧しい人々に衣食を提供していたと伝えられているが、驚くのはこればかりではない。現地の文献にもマルティンのバイロケーションを示す記録が、はっきりと残されているのだ。もちろん、マルティンの名を語る別の人物が存在していた可能性もゼロではないだろう。だが、内容にはあまりにも重なる部分が多く、バチカンでは「最も信頼できるバイロケーションの記録」としているそうだ。
どのようにバイロケーションを行うのか? その方法についてマルティンは「神が魚を繁殖させることができるならば、私を複製することは簡単だろう」と答えている。このことから、瞬間的に移動する=テレポーテーションとは違うようだ。
聖人の中には修道院で仕事をしながら、台所で料理をする、というような両方の体を同時に、かつ正常に機能させていた者もいたという。バイロケーション中の彼らは見た目もいたって自然で、周囲とも普段通りに会話をしていたということだ。
他にもう1人の自分が現れる現象としては、ドッペルゲンガー有名であろう。自分とそっくりな人間を見かける、または身に覚えのない場所で知人に目撃される、といった現象だが、ドッペルゲンガーは、その場にいる人とコミュニケーションをとることができず、また行動もどこかぎこちないと伝えられていることから、バイロケーションとは大いに異なるようだ。
バイロケーションの要因については他にもパラレルワールドや、時空のゆがみ、など様々な説が唱えられているが、今なお奇々怪々な事例として説明が付かないままである。もちろん宗教的な背景も根底にはあるのかもしれないが、時代を問わず世界中で報告されていることから、ただの迷信とは断言できないのかもしれない。
(2022年6月6日記事を再掲載)
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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