NASAが「プラスチックを食品に変える」新技術を開発! 火星探査の食料問題に大きな前進か

文=webムー編集部

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    NASAの研究チームが、プラスチックを食用化する技術を開発した! 実用化されれば、宇宙探査の課題のみならず人類全体の食糧問題まで解決されるかもしれない――。

    プラスチックが食品に早変わり!?

     特別に作り出された酵母を用いることで、プラスチックや農業廃棄物を食用のタンパク質や脂質、香味料に変換する――そんな研究が、NASAが推進する「ディープ・スペース・フード・チャレンジ」の一環として行われ、目覚ましい成果を上げたという。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     近い将来、人類が挑戦することになる火星探査。現在のところ火星との往復には最短でも約3年を要し、宇宙飛行士は極限の環境下で限られた資源をやり繰りしなければならない。廃棄物を栄養源へと変換できるテクノロジーは、宇宙での長期ミッションにおいて極めて重要かつ必要不可欠なものとなる。

     今回の研究を率いたのは、米サザン・イリノイ大学カーボンデール校の微生物学者、ラヒル・ジャヤコディ氏だ。同氏は「もとを正せばプラスチックは炭素、食品も炭素である」を標榜し、プラスチックを栄養源へと変換する“アップサイクリング技術”の開発を進めてきた。

    画像は「The Guardian」より引用

     研究チームが用いたのは、ペットボトルの原料として知られるポリエチレンテレフタレート(PET)。まず、高温高圧下で水と酸素を使いPETを“消化”し、多くの炭素を含む小さな分子へと分解する。そして、これらの分子を遺伝子改変された酵母に与えると、酵母がプラスチック由来の炭素をタンパク質・脂肪などの生体分子へと変換する仕組みだ。

     こうして生成されたスラリー状の素材は、デンプンと混ぜ合わせることで食品として成形可能となる。さらに、別の酵母株を用いて植物バイオマスからバニラ香料を生成することにも成功したという。研究チームは、このスラリーを3Dプリンターに通して円盤状のクッキーまで試作している。

    新技術は地球の食糧危機にも応用可能か

     しかし、肝心の試食はまだおこなわれていない。そのためには、ヒトを対象とした試験の承認が必要であり、正式な許可が下りるまでは研究者自身も口にすることができないという。製造コストは1キログラムあたり60ドル。この価格であれば現状でも実用化は難しくないと思われるが、酵母の効率向上と生産規模の拡大により、将来的にはさらに大幅なコスト削減も見込めるそうだ。

     研究チームは、今回の技術が潜水艦、被災地、食料供給が不安定な地域など、宇宙以外の過酷な環境での食糧生産手段としても活用できる可能性を指摘する。ジャヤコディ氏は「2050年までに世界の食糧需要は35~56%増加し、世界の人口の約30%が飢餓のリスクにさらされる」と述べ、微生物を活用した新たな食糧技術の必要性を強調した。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     最大の問題は、一般の人々がはたして“プラスチック由来の食品”を受け入れることができるか、という点に尽きるため、今後は啓発活動も一層重要になってくると思われる。とはいえ廃棄物を栄養源、そして食品へと変換する発想は、宇宙開発と地球環境の双方に新たな可能性をもたらしてくれる。これからは食糧の概念そのものが変わっていくのかもしれない。

    【参考】
    https://www.theguardian.com/food/2026/aug/24/cookies-plastic-astronauts-space-food

    webムー編集部

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