呪術で放火か? 悪霊が発火したか!? インドで「怪火事件」が連続発生

文=遠野そら

    これは放火ではない! 不思議で不審な発火現象がインドで連続発生。呪術師の怒りか、霊的存在からの警告か?

    1日10回もの発火現象

     2026年6月下旬、インド中部マディヤ・プラデーシュ州グワリオール近郊のアンタリ村で原因不明の連続出火が発生し、現地では「怪火事件」として大きな注目を集めている。

     異変が起きたのは今から約4か月前のこと。5人兄弟の長男、カルヤン・バグヘル氏の自宅で発生した原因不明の発火現象がすべての始まりであった。収納家具から突如として煙が上がり、中に収められていた衣服が瞬く間に燃え始めたのである。

    「本当に不思議でした。周りに火の気がないにも関わらず、突然、炎を上げて燃え始めたのです」

     カルヤン氏は当初、漏電や火の不始末を疑い、家の中を調べて回ったが、発火につながるような異常は何ひとつ見つからなかったという。

     だが、この不可解な現象は一度きりでは終わらなかった。
     やがて同様の怪火は4人の兄弟の自宅でも連鎖的に発生。誰もいない部屋や電気ブレーカーを完全に落とした中でも、家具や日用品、さらには家畜の餌まで次々と発火したのである。激しい時には1日に10回以上も同様の現象が繰り返されたという。

     幸いにも家全体を焼き尽くすほどの火災には至らなかったが、衣類や家具などが突如として発火するたびに、家族は消火に追われ、日常生活そのものが少しずつ困難になっていったそうだ。そこで兄弟は、家財道具を守るため、近隣住民の家に荷物を移したのだが、今度は避難させたはずの荷物が次々と発火。バグヘル一家を追い続ける不気味な怪火現象に、アンタリ村はパニックに陥ったのである。

    *現地で撮影された映像。屋外へ運び出されたベッドが激しく燃え上がっており、その周囲は多くの村人たちで騒然となっている

     この発火現象をめぐっては、当初、家族間のトラブルが疑われていたが、調査に訪れた警察官の目の前で、衣類が突然発火し、事態は一変。科学捜査研究所までもが現地調査に加わり、電気配線の異常や可燃性物質による自然発火、人為的な犯行による可能性の検証が行われたのである。だがそれでも原因を裏付ける科学的な証拠は確認されず、バグヘル一家を襲った炎の正体については今なお調査を進めている段階だという。

    バグヘル一家を執拗に襲った謎の怪火現象 画像:https://www.indiatoday.in/india/story/madhya-pradesh-gwalior-village-mystery-fires-five-brothers-homes-scientific-investigation-2936239-2026-06-28 より。

    呪術師や霊的存在からの祟りなのか

     インドでは古くから説明のつかない災厄を、「ブータ」や「プレータ」といった霊的存在や、呪術、祖霊の怒りなどに結び付けて解釈する民間信仰が根強く残されている。このことから、現地では「兄弟一家が誰かの恨みをかった呪い」「神聖な存在の怒りに触れた」といった噂も広がっているというが、兄弟には一切身に覚えがないという。

    インドに古くから伝わる悪霊「ブータ」画像:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%BF より。

     もっともこのような「原因不明の怪火」は、決してインドだけで報告されている現象ではない。火の気のない場所で突如炎が上がる事例は、これまでも世界各地で報告されてきた。可燃物の酸化や、化学反応による自然発火といった科学的要因が有力視されている一方、「人体自然発火」や「パイロキネシス(念力発火)」といった本来の発火メカニズムでは説明のつかない現象との関連を指摘する研究者もおり、その真相はいまだ解明されていない。

     バグヘル兄弟を襲った不可解な怪火の正体については、現時点では憶測の域を出ない。だが、まるで意志を持つかのように兄弟の住まいを渡り歩き、執拗に彼らを追い続けた炎には、ある種の執念さえ感じる不気味さがあるだろう。

     はたしてそれは未知の自然現象だったのか。それともインド神話や伝承で語り継がれてきた「見えない力」だったのか。1日も早くバグヘル一家に平穏な日々が戻ることを願いたい。

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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