どっぺちゃん、こいとさん…死に至る影の病「ドッペルゲンガー」の恐怖/朝里樹の都市伝説タイムトリップ
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杉浦千賀代 愛知県岡崎市
先日、私は夫のドッペルゲンガーともいうべき分身に会いました。
その日、私は買いものに出かけ、ついでにウインドーショッピングしようと思い、ショッピングモールのエレベーターに乗りこみました。
目的の階に到着し、ドアが開くと目の前に夫がいます。
仕事の途中、このショッピングモールに来ることがあると、かつて本人から聞いたことがあります。しかし、突然のことだったため、「驚いた! 偶然だね」と、いうと、「このあたりにおまえがいるような気がしてね。靴を買ってほしくて捜していたんだ」という返事が返ってきました。
リクエストどおり靴の売り場へ行き、品定めをし、サイズを合わせ、夫が希望する靴を買いました。
その後、ウインドーショッピングをしたのち階下へ。まだ時間があるというので喫茶店へ入りました。
お昼間際になり、「そろそろ職場に戻るね」「頑張ってね」といった会話を交わし、夫は職場へ戻りました。
夜、仕事から帰宅した夫に、「今日の昼間、偶然、会えたね」と、いうと、「えっ!? 今日はずっと市外にいたよ。会社に戻ったのは夕方4時30分ぐらいだったかな」と、いいます。
「覚えていないの? モールで会ったじゃない。エレベーターのドアが開くと目の前にいて、靴を買ってくれっていったよね? その後、靴を買って、お茶をして……」
「そうそう靴だけど、今日の雨で靴底がパカッと取れてダメになっちゃった。だから明日から違う靴を履いていかなきゃならないんだ」と、意味不明なことをいいます。
「だから買ったじゃない! 今日、一緒に! !」
私がどう説明しようが夫と話が嚙みあいません。仕方なく購入した靴を夫に見せることにしました。
「おっ! いい靴じゃん! 俺の好みがわかってるね。さすが! !」
そういったのち、夫は試しばきを始めました。
「ピッタリフィット! いくらサイズが合っていても、靴によって微妙に大きかったり小さかったりするんだわ。よくわかったな?」
実際に靴屋さんで履いてサイズ合わせをしたのですから、ピッタリ合うのは当然です。
「何度もいっているけど、ショッピングモールで、偶然、会って……」
「俺は、今日、モールには行かんかったよ、行けんって。だって一日中、市外で仕事だったもん」
新しい靴を手にいれて喜ぶ夫を見ながら私は呆然としました。
ショッピングモールで会ったのは確かに夫です。しかし、夫は否定します。さっぱり意味がわかりません。
世の中には3人似た人が存在すると耳にしたことがあります。しかし、夫のそっくりさんと買い物やお茶などするはずありません。あれは完全に夫でした。
考えれば考えるほどわけがわかりません。いったいこれはどういうことでしょうか? 私はだれと買いものをしたり喫茶店でお茶を飲んだのでしょう。まったくもって理解に苦しみます。

(本投稿は月刊『ムー』2026年06月号より転載したものです)
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webムー編集部
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