あるオランダ船が産んだ「小豆洗い」と「呪い」の奇妙な歴史/黒史郎・妖怪補遺々々
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アメリカ・ロッキー山脈を舞台に繰り広げられた「フォレスト・フェンの埋蔵金」騒動。2020年に発見され、騒ぎは落着したと思いきや……? (2022年5月30日記事の再掲載)
35万人もの人々がロッキー山脈に分け入った大騒動として記憶される「フォレスト・フェンの埋蔵金」。2020年に見事発見され、人々を熱狂させた宝探しゲームは幕を閉じた――かに見えたが、まだまだ話題は尽きないようだ。
2020年6月。アメリカで美術商を営んでいた大富豪、フォレスト・フェンが隠した財宝が発見された。発見したのは当時32歳だった医学生のジャック・ステューフ氏である。ステューフは、2011年に発刊されたフォレスト・フェンの自伝『The Thrill of the Chase(追跡のスリル)』に記された24行の詩をヒントに、イエローストーン周辺を捜索、2年の歳月をかけて財宝の在りかを突き止めることに成功したのだ。
ステューフが発見したのは、金塊、ルビー、エメラルドといった宝飾品の数々。鑑定の結果、それらはすべて本物であり、コロンブス入植以前に製造された金貨などが多数含まれていたという。さらには埋蔵金が入っていた宝箱も約2000万円の価値がある貴重なものであった。鑑定士は「ざっと見積もっただけでも総額1億円~2億円はくだらない」と公表、世界中の注目を集めたのだ。
フェンの埋蔵金が発見されたのは、カナダ西部からアメリカ南西部にまで連なるロッキー山脈の火山地帯、イエローストーン国立公園である。Rubyキャンプの駐車場から約60m離れた下流の泥と腐葉土に覆われた古い丸太の下に隠されていたという。ここは過去、何人ものトレジャーハンターたちが血眼になって捜索していた場所。それだけに「やられた!」と地団駄を踏む者も少なくなかったそうだ。
トレジャーハンターのみならず古美術商や歴史研究家にとっても垂涎の的となったフォレスト・フェンの埋蔵金。宝探しに熱中するあまり、仕事を辞めた人、配偶者に愛想をつかされ離婚された人など、人生が大きく変わった人も少なくはない。そのことからも発見された後の反動が大きく、「発見されたことで気が滅入り、鬱になった」「我々を愚弄した」など落胆の声や誹謗中傷が飛び交ったのだ。
発見者のステューフは、ライバルから「そこは私がマークしていた場所よ! 私のメールをハッキングして宝の場所を探し出したに違いないわ」と、裁判まで起こされている。ちなみに60万で示談を持ちかけられたようだが、ステューフは応じなかったようだ。
現在では、発見された場所がイエローストーン州立公園の敷地内であったことから州事務所からも埋蔵金の譲渡を求められており、6月には、フェンの財宝が捏造だったという疑惑で裁判が予定されている。
部外者からすれば、完全な言いがかりにしか見えないが、発見者のステューフ本人にすればこれが今なお続いているのだからたまったものではないだろう。
「すべて彼らの勝手な妄想であり、身勝手なこじつけでしかない」とステューフは語る。
彼は今、家族とともに複数の警備員が常駐しているセキュリティーが強固な住居へ引っ越したというが、彼が安寧に過ごせる日はいつになるのだろうか。
フォレスト・フェンは埋蔵金発掘騒動から約10か月後、自宅で静かに息を引き取っている。
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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