「鵺(ぬえ)」を射抜いた二本の矢が眠る愛媛「赤蔵ヶ池」探訪! 源頼政の母の執念が伝わる妖怪現場の謎
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現在、東京・大手町の「平将門(たいらのまさかど)の首塚」で密かに工事が進められている。数々の怪異を生んできた首塚は今後、いったいどうなるのか?
昨年(2020年)11月22日午後7時ごろ、東日本広域で地震が発生した。
震源は茨城県沖で、茨城県では最大震度5弱が観測され、東京でも震度3の揺れが生じた。マグニチュードは5・8であった。東京在住の筆者は、久々に感じた大きめの揺れにしばし胸騒ぎをおぼえた。自宅のテレビの前でくつろいでいる人が多い時間帯だったので、テレビの緊急地震速報を目にした人も多いはずだ。
さて、この地震、震源地はたしかに茨城県沖だが、その原因はじつは東京の都心にあった。
前日、東京・大手町の将門塚(まさかどづか)がひそかに動かされていた。―—このことこそが今回の地震の真の震源である。首塚の動きに、かつて「新皇(しんのう)」を称して朝廷に反旗を翻した平将門(たいらのまさかど)が拠点とし、また彼の終焉の地ともなった茨城県(下総国)の大地がすかさず反応し、はげしく動揺したのである。
関東に独立国家を樹立することをめざして乱を起こした将門が、朝廷から派遣された藤原秀郷(ふじわらのひでさと)の軍勢によって討たれたのは平安時代の天慶(てんぎょう)3年(940)2月のことである。その後、将門の首は京都に送られて市中にさらされ、行き交う人びとから侮蔑の視線と憎悪の声を投げかけられた。
だが、首は歯噛みして復讐を誓い、おのれの胴を求めて東国へ一気に帰り飛んだ――と伝説はいう。
そしてその首の落ちた先が、武蔵国豊島郡芝崎、すなわち現在の東京千代田区大手町1丁目であった。当時の村人はささやかな塚を築いて首を葬り、東国の不世出の英雄を弔った。これが「将門の首塚(将門塚)」のはじまりである。
この首塚が、幾多の怪異譚を生みながら、高層ビルが林立する都心の一等地に現代まで守られつづけてきたことはいまさらいうまでもない。
「関東大震災後、首塚周辺で大蔵省庁舎の再建工事をはじめたところ、大臣と工事部長が急死した」
「終戦後、進駐軍が首塚周辺をブルドーザーを使って工事しようとしたら、ブルドーザーが横転し、運転手は死亡した」……。
首塚に手をかけようとするたびに生じる怪異は、しばしば将門の祟りによるものと噂され、その都度、工事計画は変更され、首塚は祀りなおされ、将門の鎮魂があらためて行われた。これが、都心の一等地ながら、この一画のみいまだ再開発の手を免れている理由にほかならない。
将門塚では、昭和36年(1961)以降、保存のために何度か大規模な改修工事が行われてきた。そして昨年11月からは、大手町に立地する一流企業が会員に名を連ねる「史蹟将門塚保存会」の管理のもと、「第6次整備工事」が開始された。
もちろん、それは首塚を今後も安定的に保存するための工事であり、さらなる将門鎮魂のための改修ではある。だが、敷地全体を整地する必要があるので、一時的ではあれ、塚自体を動かさざるを得ない。加えて、古くから塚のしるしとなっていた基壇の上に置かれていた「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と刻された墓石と、その奥に立つ五輪塔も、臨時の遷座(せんざ)を余儀なくされたようである。その工事が行われたのが、どうやら11月21日だったらしい。
すると、将門の霊が深い眠りから目覚め、時ならぬ大地の鳴動を生じさせたというわけだ。
だが安心してほしい。改修工事は今年4月末には完了し、装いを新たにした瀟洒な将門塚が御目見えするはずだ。
丁重に祀りなおされて大都会のど真ん中に蟠踞する首塚は、令和東京の守護霊として、きっとコロナ禍を収束に向かわせ、社会に平穏を取り戻させ、東京オリンピックの熱狂をももたらしてくれるに違いない。
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