あらゆる疑惑を総覧する労作「NASAの噓」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

    NASAの噓

    トレバー・ウィーバー 著

    「NASAの嘘」を暴く証拠をウェブサイトにみる

     今から半世紀以上も前の1969年に、人類史上――というか、地球生物の歴史上、初の月面到達という桁外れの偉業を成し遂げた「アポロ計画」。この計画では、全6度におよぶ有人月面着陸が実現された。

     ところがこの「アポロ計画」、華々しい成果の一方で、当初からキナ臭い噂がつきまとい、一部の人たちの格好の標的とされてきた。すなわち、実際には人類は月になど行っていない、あの月面での映像は巧妙な捏造であり、人々に信じさせるためのNASA(あるいは米政府)による陰謀だ、という主張である。

     本書は、この陰謀論の立場から、標題通り「NASAの嘘」を、白日の下に暴き立てようとする野心的な試み。

     著者のトレバー・ウィーバーは、欧州委員会や世界銀行に国連など、名だたる世界的機関でソフトウェアマネージャーを務めてきたシステムの専門家。その経歴からもうかがえるように、本書ではその「証拠の多くをウェブサイトから引いているという点で斬新」であるという。実際、本書は構成自体がウェブとリンクしており、追加情報のURLを参照することで、本書のヴォリュームは何倍にもなるように設計されている。

     内容の是非はともかく、これほどまでに大量の資料が一冊にまとめられている本は実に貴重である。陰謀論を受け入れて真剣に論ずるにせよ、単に面白がるにせよ、そのための基本文献として本書を手許に置いておくと、何かと便利であろう。

    五十嵐友子 訳/ヒカルランド/3300円(税込)

    (月刊ムー 2026年08月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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