「まじない」で金運のみを求めてはダメ!/辛酸なめ子の魂活巡業

文・マンガ=辛酸なめ子 協力=き りん

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    今回は、九州のある地域に代々伝わるという「洞呪術」の継承者で、幼少期から祓い、鎮め、浄め、拓き(開運)を修めてきた「き りん」さんに取材。まじないをするときの心得と、初心者にも簡単に実践できるまじないを伝授してもらいました。

    だれもが「運玉」を持って生まれてくる!

    ※「人財」とは、その人にとって財産となるような人を意味する。

    運玉がすねると貧乏神になることも!

     龍神山岳信仰に由来する「嶽啓道」唯一の継承者で、「まじない屋きりん堂」を主宰するき りんさん。女性から女性へと口伝で継承される術だそうで、その記憶力にも驚かされます。
    「まじないは時代に即したものであれ、と教えられたので、道具は工夫して検証して探っていきます。実験のくり返しです」
     その人のルーツをたどることも、ときには必要になるとか。
    「ある芸能人に相談されたとき、先祖をさかのぼったらイギリス人が出てきました。そこでバテレン法を使ったら、スパッと霊障がとまりました」
     生年月日も、まじないや占いには重要な要素です。
    「個人の器は、船にたとえることができます。生年月日で船の形が決まるのですが、大型船の人もいれば、カヌーくらいの人も。大きい船がいいとは限りません。小さい舟は小回りがききます。その人が生きていく環境で動きやすいのがベターです」
     起業して成功したり、人を巻き込んで大きな案件の仕事をしている人は、たぶん大型船の人生なのでしょう。
    
     船には「運玉」と呼ばれる、その人の持つ運のエネルギー体が乗っているそうです。運玉同士のクッション剤になっているのが「霊氣」だとか。
    「金運、人財運、健康運などいろいろありますね。生来の運を使いこなせていたら、その人らしい生き方になります。でも、自分の持っている運氣を生かさないと、運玉は寂しがってすねてしまうんです」
    「人財運」をたくさん持っていた某有名音楽プロデューサーは、お金ばかりを追い求めために人財運の運玉がひび割れてしまい、船も壊れて運氣が下がってしまったとか……。自分の顔など、見える部分だけケアしている場合ではなく、運玉も磨かなければ、と思わされました。
    「金運だけを求めると、逆に他の運玉を傷つけて、運が低下することも。運玉がすねると貧乏神になってしまいます」
     まるでゲームの設定のようですが、運玉は大事です。じつは私の運玉も人財運がメインだとか……。投資に不勉強なまま大金を投じたため、損益が膨大になったのは、金運だけを求めたからだと反省。運玉に即した生き方を心がけます。

    辛酸なめ子

    漫画家、コラムニスト。芸能界から霊能界、セレブから宇宙人まで独自の視点で切りこむ。

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