崇徳天皇 怨霊と祟りの真相/MUTube&特集紹介 2024年11月号
崇徳天皇は日本最恐の怨霊として恐れられてきた。だが現在では、日本を守護する英雄神となっているのだという。その事実を三上編集長がMUTubeで解説。
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「フリーメーソン」という言葉は、だれでも一度は聞いたことがあるだろう。だが、その実態については謎の部分が多い。それもそのはず、フリーメーソンは秘密厳守を掟とし、内部から情報が漏れることはないからだ。秘密のベールに包まれた秘密結社の正体とは?
目次
今や陰謀論の総本山といった感のある「フリーメーソン」。多数の世界的指導者や著名人を輩出しながら、一方では、超古代の叡智を秘儀を継承し、世界統一政府の樹立を企んでいると囁かれるなど、世界史や実態には謎の部分が多い世界最大の秘密結社だ(厳密には各個人会員を「フリーメーソン」、団体名を「フリーメーソンリー」というが、日本では混用されているので本稿でも区別しない)。
直訳すれば「自由な石工」。ただし起源は判然とせず、いくつかの説が唱えられている。
①古代エジプトの大ピラミッドを建造した石工集団=謎多きギザの大ピラミッドを建造した石工集団を起源とする。
②ソロモン神殿の建築に携わった石工集団説=ユダヤのソロモン王の神殿(紀元前958年に着工し7年半後に完成)の建設責任者だったヒラム・アビフが組織した石工職人の集団を起源とする。
③テンプル騎士団説=聖地エルサレムへの巡礼者を保護するためにフランスで結成されたテンプル騎士団が、14世紀にフランス王フィリップ4世によって潰滅状態に追い込まれたおり、スコットランドに逃れた騎士たちが新たに創設した組織を起源とする。
④中世イギリスの石工職人組合(ギルド)説=1360年、ウィンザー宮殿建造の際に徴用された568人の石工職人が、自分たちの技術や知識を門外不出とすべく結成した組合を起源とする。
いずれの説が的を射ているかは定かではないが、フリーメーソンが歴史上にその姿を明確に現したのは1717年6月24日(聖ヨハネの日)、イギリスのロンドンにおいてだった。
当時、ロンドンにすでに存在していたフリーメーソン組織の4ロッジ(集会所)の代表者が「グース・アンド・グリドアイアン」という居酒屋に集まり、4ロッジを統括する「イングランド・グランドロッジ」を結成、アンソニー・セイヤーを初代グランドマスターに選出し、近代フリーメーソンのスタートは切られるのである。
中世ヨーロッパにおいては、あらゆる分野の技術に精通する必要があった建築家の社会的地位は高く、技術の伝承には厳しい掟が定められていた。ために、近代フリーメーソンには建築とは無関係の王侯や貴族、知識人などが相次いで加入し、職人団体とはまったく別の組織へと変貌。イギリスからヨーロッパ諸国、ロシア、アメリカ大陸、さらに西欧諸国が植民地化したアフリカやアジアへと広まり、会員数600万超という世界最大の国際秘密結社へと成長していったのである。
ただし石工団体の名残として、彼らの必需道具だった直角定規とコンパスをシンボルマークにしている。両道具と同時に描かれることが多い「G」は、「神(God)」「幾何学(Geometry)」「栄光(Glory)」「寛容(Grandeur)」「グノーシス(Gnosis)」などを意味するという。
ピラミッドに左目を配した「ピラミッド・アイ」も有名なシンボルのひとつだ。これは「プロビデンス(摂理)の目」「神の全能の目」「万物を見通す目」などとも呼ばれ、古代エジプトで信仰されたホルス神の左目に由来するとする説がある。ちなみに、フリーメーソンの起源が大ピラミッドを建造した石工集団にある、と主張しているのはこの説の支持者たちだ。
儀式や集会において、エプロン(前垂れ)や手袋、コテ、槌などを用いるのも石工団体時代の名残である。
また、フリーメーソン内の位階制度にも、石工団体時代の「親方(棟梁)」「職人」「従弟」という呼称が残されているが、王侯や貴族、知識人らの加入によって組織が拡大するに伴い、上部位階はピラミッド形に積み重ねられていった。たとえば、最も有名なスコティッシュ・ライト(儀礼)では第33位階の「最高大総監」、ヨーク・ライトでは第13位階の「聖堂騎士」、スウェーデン・ライトでは第12位階の「ソロモンの代理者」が最高位になっている。
これらの基本情報はかなり広範に知られているが、フリーメーソンの実相や活動内容は深い謎の中にある。フリーメーソン側では「自由・平等・友愛・寛容・人道の5つの基本理念のもと、会員相互の特性と人格の向上を図り、良き人々をさらに良くすることを目的とした友愛団体」と説明し、世界各地に堂々とロッジを設けている。
しかし、陰謀史観論者の見解は違う。世界史に極太の字で記されるような数々の大事件のほとんどすべてにフリーメーソンは深く関与してきた、と主張するのである。
いくつか事例をあげよう。まずは、フリーメーソン暗躍のきわめて明白な証拠が残っているアメリカの独立だ。
アメリカ合衆国の「独立宣言」が採択されたのは1776年7月4日。起草の中心人物はフリーメーソンのトーマス・ジェファーソンで、ベンジャミン・フランクリン(ペンシルベニア州フィラデルフィアのセント・ジョーンズ・ロッジのグランドマスター)が協力した。しかも独立宣言に署名した「建国の父」56名のうちじつに53名がフリーメーソンだった。
独立戦争が終結したのは1781年で、1787年に合衆国憲法が制定され、1789年にジョージ・ワシントン(ニューヨーク・グランドロッジのグランドマスター)が初代大統領に就任した。
直後、ワシントンは政府の重要機構を整備し、国務長官に前記のジェファーソン、債務長官にアレクサンダー・ハミルトン、陸軍長官にヘンリー・ノックス、司法長官にエドモンド・ランドル、副大統領にジョン・アダムスを任命した。その全員がフリーメーソンなのである。
アメリカ大統領はバラク・オバマが第44代になるが、歴代大統領のうち初代のワシントンを含め少なくとも19名、しかも第3代のジェファーソン、第4代のジェームズ・マディソン、第5代のジェームズ・モンロー、第7代のアンドリュー・ジャクソン、第11代のジェームズ・K・ポーク、第12代のザカリー・テーラー、第13代のミラード・フィルモア、第15代のジェームズ・ブキャナン……と、初期の大統領の大半がフリーメーソンだった。
建国へのフリーメーソンの深い関与は国璽からも証明できる。アメリカ合衆国の国家の印たる国璽に、なんとフリーメーソンのシンボルのひとつである「ピラミッド・アイ」が描かれているのだ。同じシンボルは1ドル紙幣の裏側にもデザインされているので、実際に目にしたことがある読者もいるだろう。
ニューヨーク湾リバティ島に立つ自由の女神像もしかり。アメリカ独立100周年を記念してフランスから贈呈されたとされているが、正確にはフランスのフリーメーソンからアメリカのフリーメーソに贈られたもので、台座には直角定規とコンパス、Gをデザインしたフリーメーソンのシンボルマークがくっきりと浮き彫りにされていた。
大統領官邸「ホワイトハウス」の設計者ジェームズ・ホーバンもフリーメーソン。国家『星条旗』の作詞者フランシス・スコット・キー、作曲者ジョン・スタンフォード・スミスもフリーメーソン。行進曲『星条旗よ永遠なれ』の作曲者ジョン・フィリプ・スーザもフリーメーソンである。
1789年のフランス革命も、フリーメーソンが舞台裏で暗躍した革命だった。
革命を主導したルイ・フィリップ2世(オルレアン公)やマクシミリアン・ロベスピエール、オノーレ・ミラボー、ジャック・ピエール・ブリッソー、ジョルジュ・ダントン……ら、その大半がフリーメーソンだった。
人間の自由と平等、人民主権、言論の自由、三権分立、所有権の神聖などフランス革命の基本原則を高らかに謳い上げた「人権宣言」を中心になって起草したマリー=ジョセフ・ポール・イブ・ロシュ・ジルベール・デュ・モンティエ(ラファイエット侯爵)もフリーメーソンで、起草がなされたのはフリーメーソンのロッジ「エクス」においてだった。しかも人権宣言の前文部分には、あの「ピラミッド・アイ」が描かれている。
また、革命派が掲げた「自由・平等・博愛(友愛)」のスローガンは、いうまでもなくフリーメーソンの基本理念を反映したものだ。3色の国旗(トリコロール)の「青・白・赤」はそれぞれ「自由・平等・博愛(友愛)」を表しているし、フランス国歌『ラ・マルセイエーズ』を作詞・作曲したルージェ・ド・リールもフリーメーソンである。
根拠はそれだけではない。フリーメーソンのフランス革命への積極的関与を肯定するフリーメーソンの内部資料すらある。一例をあげれば、フランスのグランドロッジである「グラントリアン(大東社)」が1920年に開いた大会の議事録に「フランス革命の偉大な作者であったジャコバン協会は、いうなればメーソン・ロッジの表の顔にほかならなかった」と記されているのだ。
全世界を震撼させた2度の世界大戦もまた、フリーメーソンによって意図的に引き起こされた、と陰謀史観論者は主張する。
じつは、第1次世界大戦の勃発を予告した1871年8月15日付の書簡がある。
「第1次世界大戦は、ツァーリズムのロシアを破壊し、広大な地をイルミナティのエージェントの直接の管理下に置くために仕組まれることになる。そしてロシアはイルミナティの目的を世界に促進させるための’’お化け役 ’’として利用されるだろう」(「イルミナティ」はフリーメーソンの最高評議会のさらに上に位置するといわれる超絶的な陰謀秘密結社)
差出人はアメリカの人のアルバート・パイク。スコティッシュ・ライト最高位の第33位階に昇りつめ、イルミナティの全米における全権責任者として権勢をほしいままにし、「フリーメーソンの黒い教皇」と異称された人物だ。受取人はイタリア人のジュゼッペ・マッツィーニ。同じくフリーメーソンの高位会員で、イルミナティの政治部門の最高権力者でもある。
この手紙が書かれてからじつに半世紀近い43年を経た1914年に第1次世界大戦が勃発し、1917年に広大な北の大地を300年間にわたって支配したロマノフ王朝が滅亡してツァーリズムは完全崩壊(ロシア革命)。1922年にはソビエト連邦が誕生した。
歴史はフリーメーソン=イルミナティの最高幹部の書簡どおりに推移したのだ。
これは偶然の産物ではない。第1次世界大戦の引き金を引いたサラエボ事件の具体的計画を立てたのはセルビアのフリーメーソン・ロッジ「ナロドア・オドゥプラナ」であり、オーストリア=ハンガリー二重帝国の皇太子夫婦を暗殺したガヴリロ・プリンツィプはフリーメーソンだったのだ。
第1次世界大戦がフリーメーソンによる陰謀だった証拠はまだまだあるが、紙数が限られているので先を急ぎ、第2次世界大戦の検証に移りたい。前出のパイクの書簡にはこうある。
「第2次世界大戦は、ドイツの国家主義者と政治的シオニストの間の圧倒的な意見の相違の操作の上に実現されることになる。その結果、ロシアの影響領域の閣僚がなされ、パレスチナにイスラエル国家が建設されるべきである」
右書簡中の「ドイツの国家主義者」をナチス、「政治的シオニスト」をユダヤ人に置き換えてみればいい。第2次世界大戦が勃発した1939年の68年も前に、その構図を的確に予告し、戦後の世界情勢をも驚くべき正確さで描いている。次々と領土を拡大したロシア=ソ連の影響力が及ぶ地域は大幅に拡張され、1948年にはユダヤ人国家イスラエルが2000年に歳月を経てパレスチナに再建されるという奇跡が起こったのだ。
これをパイクの予言の成就と解する読者がいるかもしれないが、断じてそうではない。すべては仕組まれていたのであり、フリーメーソン=イルミナティが世界を意のままに動かくべく描いたシナリオ、すなわち結社の最高位にある者しか知りえない極秘事項を、パイクは書簡に認めたにすぎない。そう、世界の歴史は「見えざる世界政府」フリーメーソン=イルミナティによって、闇の彼方から操られつづけてきたのである。
では、現在はどうなのか。
秘密結社の秘密の活動なのだから、当然、明確なことはわからないが、興味深い断片情報はあるので、ふたつほど紹介しておこう。
フランソワ・オランドが当選した2012年のフランス大統領選の前、候補者のうちオランド、フランソワ・バイル、ニコラ・デュポン=エニャン、エヴァ・ジョリ、ジャン=リュック・メランション、エルヴェ・モラン、ドミニク・ド・ビルパンがグラントリアンに招待されて同ロッジを訪れた、という奇怪な事実がある。
一方、2013年3月22日付の韓国紙「ソウル新聞」は、北朝鮮の最高指導者・金正恩が右手を懐に入れている写真を掲載、その所作がナポレオン・ボナパルトの真似である、と報じた。報道の真意はわからないが、右手を懐に入れる所作はフリーメーソンの会員同士の秘密の合図とされる。またナポレオン自身がフリーメーソンだったことを立証する史料はないが、兄弟のジョセフ、リュシアン、ルイ、ジェロームは皆高位会員だった。
ただ、これらの断片情報がフリーメーソンの最終目的といわれる「世界征服計画」にどうリンクしているかは、現時点では不明である。
(ムー2016年11月号掲載)
藤島啓章
ライター。ムーにて基礎知識連載「世界ミステリー入門」などを担当
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