1600年前に刻まれた縄文人からのメッセージ 北海道余市町・フゴッペ洞窟/日本不思議再興計画

文=中村友紀

    各地のムー的ミステリースポットを紹介!

     日本のウイスキー発祥の地であり、余市ワインの産地としても知られる北海道余市町。ここにフゴッペ洞窟がある。内部の壁に1600〜1300年前の続縄文時代後期に描かれた岩壁彫刻が、800以上も残されている国指定史跡だ。
     洞窟は日本海に面した海岸から南に250メートルほど入った、「丸山」と呼ばれる砂岩質の丘陵にあり、現在は余市町教育委員会が管理・公開している。

    フゴッペ洞窟の外観。余市町教育委員会によって管理・公開されている(写真提供=余市町教育委員会)。

     一般公開されている洞窟は幅約5メートル、奥行約6メートル、高さ約7メートルの範囲だが、西・北・南の壁面に動物や舟などの不思議な絵がびっしりと刻まれた迫力は、まさに圧巻だ。
     注目すべきはやはり、角や翼を持った人物らしき姿だろう。
     本誌「ムー」的には、「古代に地球を訪れた異星人だ」「姿を現した神の姿だ」と主張したいところだが、学術的には「シャーマンが仮装した姿を描いたもの」と説明されている。洞窟内では貝殻や占いに使われたと思しき獣骨(卜骨)も見つかっており、おそらくはここでシャーマニズム的な、何らかの宗教的儀式が行われていたのだろう。

    びっしりと壁に彫られた洞窟内の岩壁彫刻。中央上部には、翼をつけた人物らしき姿が描かれている(写真提供=余市町教育委員会)。

     こうしたシャーマン文化は、当時の北海道やシベリアなど、北東アジアで広く見られたものだ。 たとえばシベリア東部を流れるアムール川周辺のサカチ・アリアン遺跡には、フゴッペ洞窟ときわめてよく似た「舟」の絵が残されている。これは当時の大陸との交流を考えるうえで、重要な資料として注目されているのだ。

    アムール川周辺の遺跡で発見された岩壁絵とよく似たフゴッペの「舟」の絵(写真提供=余市町教育委員会)。

     ちなみにお隣の小樽市の手宮洞窟にも、「角のある人」や「手に杖のようなものを持った人」、けた人」、「角のある四足動物」といった線刻画が見られ、広範囲に同じ文化圏が広がっていた可能性を裏づけるものとなっているのである。

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    (月刊ムー 2026年9月号)

    中村友紀

    「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。

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