アポロより先に月面を歩き、惑星モニヘヤを旅した!? 愛すべきUFOコンタクティの奇妙な晩年
73歳という晩年にUFOと遭遇し、月や金星を旅した男がいた。突拍子もない体験談を通じ、彼は何を訴え、いかに愛されたか。
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「ムー」的な視点から不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。 今回は、「アポロ計画」による人類の月面着陸はねつ造だったとする、いわゆる「アポロ陰謀論」の真偽を取りあげる。
アメリカ東部夏時間2026年4月10日の夕方(日本時間11日朝)、4人の宇宙飛行士を乗せた有人宇宙船「オリオン」が、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ沖の太平洋に着水した。
オリオンは、アメリカが主導する月探査計画である「アルテミス計画」の第2段階、「アルテミス2」の一環として4月1日に打ちあげられ、6日には人類が到達した最遠地点となる、地球から40万6771キロに到達し、その後地球に帰還したものだ。
アルテミス計画が順調に進めば、来年には宇宙船と月着陸船のドッキング実験、そして2028年には「アポロ17号」以来56年ぶりとなる人類の月面着陸が予定されている。
前回、人類を月まで運んだこの「アポロ計画」は、人類の月面到達を目標として1961年から実施されたアメリカの宇宙開発計画である。

1957年10月4日、人類最初の人工衛星である「スプートニク1号」の打ちあげによって、宇宙開発でソ連に後れを取ったアメリカは、1958年にアメリカ航空宇宙局(NASA)を設立、国の威信をかけて巻き返しを図った。
1958年から61年にかけての「マーキュリー計画」では、6回の有人宇宙飛行を行い、続く「ジェミニ計画」では宇宙飛行士ふたりを乗せた宇宙船の地球周回飛行に成功。これらを引き継ぐ形で始まったアポロ計画では、69年の「アポロ11号」によって人類初の月面着陸に成功した。
アポロ宇宙船はその後も6回月に到達し、事故によって月面着陸を中止した13号を除き、12号、14号、15号、16号、17号まで、11号も含めると計6回の月面着陸に成功、そして72年に計画は打ち切られた。
しかし、この度重なる月面着陸をめぐっては、一部で「アポロ宇宙船は実際には月に到達しておらず、関連するすべての写真や映像は地上で撮影されたフェイク映像である」とする説、いわゆる「アポロ陰謀論」というものも囁かれてきた。
こうした主張は意外に歴史が古く、最初に登場したのはアポロ計画が打ち切られてわずか2年後の74年、アメリカのビル・ケイシングの著書『我々は月に行ってなどいない』によるものである。
ケイシングは、アメリカの宇宙開発に関わっていたロケットダイン社で働いていたこともある人物だが、同僚の科学者から「当時の技術では人間を月に送ることはできても、安全に地球に返すことはできない」という話を聞き、「人類は月に到達できない」と確信したという。
そこで、アポロ宇宙船の度重なる月着陸は、すべて地上で撮影された映像を用いたフェイクだと断じるようになったのだ。
その後、この説は世界的に広がり、2000年代初頭には日本でもいくつかのテレビ番組がこの説を話題にした上、物理学者の大槻義彦元早稲田大学教授までが、この説を支持するような発言を行ったことがある。
アポロ陰謀論者は、月着陸が陰謀だとするさまざまな根拠を指摘している。
たとえば「月面で撮影されたとされる写真の背景に星がひとつも写っていない」「空気のない月面に立てられた星条旗がはためいている」「最初に月面に降りたはずのアームストロング船長の姿が、月面の何者かによって撮影されている」「月面に写る影が平行でなく、方向がばらばらになっている」「ヴァン・アレン帯を通過できない」「地球の天文台や無人の月探査機からアポロの痕跡が確認されていない」などといったものである。
さらに一部では、こうしたねつ造映像はSF作家のアーサー・C・クラークが脚本を書いて、ハリウッドのスタッフがアリゾナで撮影したとか、映画『2001年宇宙の旅』の監督スタンリー・キューブリックが作ったものだ、などという主張も現れた。
しかし、彼らの主張はすべて、科学的には間違っていたり、事実をちゃんと確認していないことによる誤解である。

たとえば、「月面で撮影された写真の空に星が写っていない」というのは、写真に詳しい人なら一目で解明できるもので、単なる露出の問題である。
問題の写真は月の昼間にあたる時間に撮影されており、露出は太陽光が当たって輝いている地表に合わせて撮影されている。つまり露出をかなり絞っている状態なのだ。この状態では、明度の低い空の星は写り込まないのは当然だ。

「月面で星条旗がはためいている」という点に関してはどうだろう。確かに風のない真空中では、旗は横にはためいたりせず垂れさがってしまうはずだが、月面で星条旗が横に広がっている写真や映像が実際に公開されている。
しかし、映像をよく見ると、星条旗は風ではためくというより、横に広がったまま一定の周期で振動していることがわかる。じつは月面に立てられたこの星条旗の上部には、旗がちゃんと見えるよう横棒が仕込まれていたのだ。



アポロ11号のアームストロング船長が、月面に人類最初の一歩を刻もうと梯子を降りていく映像が月面から捉えられているのは、まさに月面に足跡を刻む瞬間を捉える目的で、昇降用の梯子の横にテレビカメラが設置されており、このカメラで撮影されたものだ。


またアポロ陰謀論者は、月面では太陽の光が一方向からしか届かないので、物体の影の方向は同じ向きに平行になるはずであるが、写真の中には影の方向が異なっていたり、長さが違っていたりするものがあるとして、こうした写真は地球上で撮影されたのだと述べる。
しかしこれも、写真の角度によっては同じ向きの影でも遠近法の関係や地表の傾きなどによってそうは見えなかったり、長さが違って写ったりする場合があることによる。

ヴァン・アレン帯についてはどうだろう。ヴァン・アレン帯とは、1958年にアメリカが打ちあげた人工衛星「エクスプローラー1号」の観測結果から発見された放射能帯で、発見者であるアメリカの物理学者ジェームズ・ヴァン・アレンにちなんでこう呼ばれる。
ヴァン・アレン帯は赤道上の高度2000~5000キロと、1万~2万キロの2層の位置で地球全体をとりまく、帯状というより球面状の領域のことで、この場所には地球の磁場にとらえられた陽子や電子が高密度で存在している。

人間がこの領域に入ると、こうした粒子が放射線となって降り注ぎ、重度の放射線障害を起こす可能性が指摘されてきた。アポロ陰謀論者は「人間がこの領域を無事に通過できるはずがない」として、アポロが月に行ってないことの根拠とする。
アポロ計画では、人類史上初めてこの領域を通過するミッションとなったのだが、放射線は完全には遮蔽できないものの、宇宙船がかなりの高速度でヴァン・アレン帯を通過したため、ほとんど影響はなかったのだ。
さらにアポロ陰謀論者は、実際にアポロ宇宙船が何度も月に着陸しているのなら、その痕跡が地球の天文台やその後の無人の月探査機から痕跡が見つかるはずだが、いっさいそうした報告がなされていないとも述べていた。
月は、地球からの平均距離38万キロの位置を公転している。これだけ離れた月に地球から望遠鏡を向けたとしても、望遠鏡の分解能力に限界があるため、アポロの痕跡は写らない。また2000年代までに打ちあげられた月探査機に搭載されたカメラも性能が低いものが多かったため、同様の状況にあった。
しかし、2008年に打ちあげられた日本の月周回衛星「かぐや」がアポロ15号の着陸地点を観測したデータには、月着陸船の噴射跡が確認されている。
2009年になると、高解像度カメラを搭載したNASAの月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター」が、アポロ11号、12号、14号、15号、16号、そして17号のそれぞれの着陸点を観測し、着陸の痕跡を撮影している。今となっては「着陸の痕跡が見つからない」という主張も成り立たないようだ。


他方、アポロ陰謀論と呼ばれるものには、もうひとつ異なる種類のものがある。
これは、1972年に打ち切られたはずのアポロ計画が、その後もソ連と共同で密かに継続しており、実際にはアポロ20号までが打ちあげられたとするものだ。しかも、アポロ19号と20号には、月面に地球外生命体が残した宇宙船を調査するミッションが課せられていたという。
この説によれば、19号はミッションを終えて地球に帰還する途中事故に遭い、米ソふたりの宇宙飛行士とともに失われてしまったという。
しかし、20号は月の裏側にあるイザーク・クレーターで宇宙船らしき構造物を発見、内部にも足を踏み入れた。すると船内には解読不明の記号のような文字が並び、そこにふたりの人間型異星人がいたという。
一方は男性のようですでに死亡していたが、もう片方の女性と思われる異星人はまだ生きており、20号のクルーは彼女を地球へ連れ帰ったとされる。彼女は「モナリザ」と名づけられ、今でも地球のどこかで生きているはずだという。


確かに興味深い話ではあるが、そもそも月探査船をまったくの秘密裡に打ちあげることなどできるのだろうか。
世界には、毎日のように望遠鏡で空を見ている天文マニアが何万人といるはずだ。また地球との交信を行えば、だれかがその電波を傍受するだろう。こうした者たちに気づかれないまま、大型ロケットを打ちあげることなどは到底できないように思われる。果たして事実はいかなるものだったのか。
●参考資料=『人類の月着陸はあったんだ論』(山本弘他/楽工社)
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