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岡本佳之 著
ダ・ヴィンチを軸に、イエス・キリストの起源と正体、キリスト教の闇に挑む
表題を見ただけでピンと来る方もおられるやもしれぬが、本書は、世界の最高学府であるロンドン大学LSEを卒業された、鬼才・岡本佳之氏による「解体新書」シリーズの最新作である。
同シリーズとしては、これまでに『アマテラス解体新書』『皇室と王室の解体新書』(以上、内外出版社)の2点をご紹介してきた。いずれも、一般的な常識を覆す壮大な歴史が提示され、浩瀚かつ膨大な資料と精緻な論理によってそれが証明されていくという、痛快な読書体験を味わえる傑作であった。
さて、シリーズ第3作にあたる本書は、人類史上の最重要人物のひとりであり、ある意味で今日に続く数多の戦乱の元凶ともなった稀有な存在、イエス・キリストの起源と正体に挑む野心作である。
第3作ということで、本書の前に前2作を読み込んでおくのが順序というものであるが、大まかな情報はその都度補完されるので、いきなり本書から取り組んでも、まったく意味不明というわけではない。
はたして、よく知られる「イエス・キリスト」なる人物は実在したのか。もしそうでないなら、だれが、何のために、何の目的で彼を作り出し、その物語を広めたのか。
そんな、だれもが気になる疑問に、本書は明解な答えを出す。曰く、キリスト教とは「古代のペルシア人・ギリシア人・そしてアレクサンドリアのユダヤ人の思惑によって」「仏教を含めた古代の神話を融合して作られた」ものであり、「人間としてのイエス・キリストという存在は創作」に他ならないのだ
と! 本書の膨大な内容(闇の人類史そのもの=『神々』の設計図)を、ここで簡単にご紹介するのは不可能であるが、あえていうなら、本書を貫く主題は、神話や宗教と天体の関係である。
磔刑図をはじめとする、キリスト教でよく知られる図像の数々が、実際には天空の星座の写し絵であるという、何とも斬新な指摘には思わず鳥肌が立ったし、最終的にすべての宗教が星辰信仰へと収斂されていく様は快感でもある。
ダ・ヴィンチを軸に、キリスト教の闇を暴くという体裁の本としては、映画化もされた、ダン・ブラウン著の小説『ダ・ヴィンチ・コード』が有名だが、本書を一読し、その圧倒的な説得力を前にすれば、あの小説ですらいたずらに等しく見えてしまうといわざるを得ない。

(月刊ムー 2026年05月号掲載)
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