住宅街で集団目撃された巨大発光体! ドイツ「プラウエンUFO」事件/忘れじのUFO事件史
空飛ぶ円盤という言葉が世に飛び出して約80年。数々の遭遇の中から忘れられない――忘れたくない事例を振り返る。 今回はドイツの住宅街で複数人が遭遇したUFOについて。 ご近所のみなさんのトラウマとなった
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空飛ぶ円盤という言葉が世に飛び出して約80年。数々の遭遇の中から忘れられない――忘れたくない事例を振り返る。今回はアメリカ南部に出現した全身銀色のヒューマノイドについて。70年代、世界各地で「サム」たちが世界を巡っていたのかもしれない。
1973年10月、アメリカ南部にある小さな町フォークビルで奇妙な事件が起きた。
深夜、「UFOが着陸している!」というヒステリックな通報を受けた当時の警察署長ジェフ・グリーンホウは、念のためポラロイドカメラを手に取って現場へ向かった。
そこで彼が目にしたのは、グシャグシャにしたアルミホイルを全身に巻いたような、銀色に輝く人間のような何かだった。よく見ると胴体と頭が直接繋がっているようで、声も発さず、ただ道路の中央に立っていた。グリーンホウはこの存在をポラロイドカメラで4回撮影したが、その直後にそれはすごいスピードで走り去り、車でも追いつくことはできなかったという。
これが、現在も知られる「フォークビル事件」である。
撮影された写真には、人間の背丈ほどの銀色のヒューマノイドが、光を反射してぼんやり立っている姿が写っている。全体的にのっぺりとした質感で、顔の部分には目鼻口らしき凹凸も見当たらない。
この写真だけを見ると、この事件はどこか滑稽だ。アルミホイルを全身に巻いた人間の悪ふざけだと笑う人もいるだろう。実際「高校生の悪戯だった」という噂も早くから囁かれ、「うちの息子ならやりかねない」と思った親も多かったらしい。しかし高校生にしては足が速すぎるし、異星人にしてはアルミホイルすぎた。そのため半世紀以上がたった今でも決定的な犯人は現れず、この事件は未解決のままである。
ちなみに、アルミホイルで工作したことのある人は少ないだろうが、私はある。UFOの有害電波除けによいとされるコーン型帽子(ティンホイル・ハット)を作ってみたのだが、形は崩れるし剥がれるしで意外と厄介だ。これを全身に巻いて走るなど、とうてい無理だろう。
この事件はUFOコミュニティに大きな論争を巻き起こした。
しかし、影響はそれだけではなかった。グリーンホウは嘲笑と疑念の的となり、警察署長の職を失い、イタズラや嫌がらせが続き、住んでいた家が原因不明の火災に見舞われ、ついには妻とも離婚。かなりの踏んだり蹴ったりで、UFO事件当事者が社会的に切り捨てられていく典型例として語られることも多い。この事件が語られるとき、たいていここまでがセットだ。

しかしこの事件には、ほとんど注目されない重要な点がある。それは異星人のようなヒューマノイド、つまりその、人型の存在の走り方だ。
グリーンホウの証言によれば、その人型は関節の屈伸や重心移動が人間的ではなく、どこか機械仕掛けの玩具を思わせる挙動だったという。そしてパトカーで追いかけると、普通の人間のように走ったのではなく、両腕を体の側面にぴったり沿わせたままピョンピョンと跳ねるように逃走したというのだ。走り方もだいぶ怪しい。

でも、この奇妙な走り方には憶えがある。1978年のポーランドで起きた「エミルシン事件」だ。71歳の農夫が遭遇した全身真っ黒の人型は、フォークビル事件と同様、移動は短い跳躍を繰り返すようだったと証言されている。
さらにフォークビル事件が起きた1973年という年に目を向けると、この一致は単なる偶然とは思えなくなる。フォークビル事件のわずか6日前、地理的にも近いミシシッピ州で、あの有名な「パスカグーラ事件」が起きているのだ。こちらはふたりの目撃者が人型と接触したという事件。その姿は、首がなく胴体と頭部が一体化したような体型と、どこか皺くちゃな印象だったという……。これらの点で、フォークビル事件の人型とよく似ている。そしてやはり、歩行が人間的ではなく、滑るように移動していたとも証言されているのだ。
これはなんだろう? 関節が不完全で、歩けない、走れない、だから跳ねるか滑るしかないのか?
異星人が派遣した偵察用のロボットだからという意見もあったが、いや、今や地球のロボットでもそんなロボットらしく動いたりしない。その不自然さは、準備が間に合わずに省略された表現のようにも感じられる。何者かが、人間の前に現れるためにその場しのぎで人間を模倣した人型のインターフェースを作ったとでもいうのだろうか?
1973年という年はアメリカ南部を中心とした大きなUFOフラップがあった年なのだが、イギリスにも「サンダウンのピエロ」と呼ばれる人型が現れている。サンダウン島という小さな島でふたりの子供が「すべての色のサム」と名乗るカラフルなピエロのような人型と遭遇した事件だ。面白いことに、その人型も首がなく、跳ねるような歩き方だったという。
さらに人型は「サム」は自分の名前ではないと説明し、他にもいると話している。もしかしたら今回紹介した人型たちは「サム」の一族なのかもしれない。
サンダウンのカラフルなピエロが「すべての色のサム」だとするならば、全身まっ黒のエミルシンのそれは「モノクロームのサム」、パスカグーラは「皺くちゃのサム」、そしてフォークビルは「銀色のサム」……。70年代に現れた人型たちの奇妙な共通点に、その秘密を解き明かすヒントが隠されているかもしれない。

最後に、この事件の当事者ジェフ・グリーンホウの近況について触れておこう。彼は警察署を辞めてからさまざまな土地を点々とし、別の職を得たらしい。再婚もしている。5人の子供がいて、そのうち3人は養子なのだそうだ。自身の体験についてはあまり語りたがらないが「体験したことは当時のまま」と語っている。
●参考
Mystery Planet「El hombre de metal de Falkville, ¿fotografía de un robot extraterrestre?」https://mysteryplanet.com.ar/site/el-hombre-de-metal-de-falkville-fotografia-deun-
robot-extraterrestre/
CURIOUS ARCHIVE「Sam the Sandown Clown: Alien, Man in Black, or Folie à Deux?」https://www.curiousarchive.com/sam-the-sandown-clownalien-
man-in-black-or-folie-a-deux/
(月刊ムー 2026年03月号掲載)
秋月朗芳
2005年に発足したUFOサークル「Spファイル友の会」代表。同会で年一回発行している同人誌『UFO手帖』の編集長を務める。また最近『日曜版』という、オカルト/ポップカルチャー/テックを扱うニュースサイトの運営も始めている。
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