超常現象が連発する中国・撫仙湖の謎! UFO・USO・UMA・海底ピラミッドまで…!
湖底に謎の古代遺跡があり、UFO目撃などの超常現象が数多く報告されているスポットが中国・雲南省にあるフーシアン湖である。この謎の湖についてこれまでに何がわかっているのか――。
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氷漬けの獣人死骸〝ミネソタ・アイスマン〟は本当に北ベトナムからアメリカに運ばれたものなのか? 1995年、動物学者・今泉忠明氏はこの噂の元を辿るべく、現地調査を行った。そこで得られた驚愕の事実とは!? (本記事は「ムー」2018年7月号に掲載したものです)
「ムー」本誌では、「ミネソタ・アイスマン」について何度も報じてきたが、本題に入る前に、いま一度、説明をしておこう。
1967年5月、〝氷塊に保存された氷河時代の人間〟という触れ込みで、氷漬けの獣人が見世物として公開された。本物ならば大発見である。
そこで、アイヴァン・サンダーソン、ベルナール・ユーベルマンのふたりの著名な動物学者が調査に名乗りをあげた。彼らは見世物の興行主フランク・ハンセンに連絡をとると、検視を開始。獣人は「ヒト科に近い未知の生物」と結論づけられ「ミネソタ・アイスマン」と呼ばれるようになったのである。
しかし、奇妙なことがあった。アイスマンには〝銃撃された痕跡〟があったのだ! すなわち、アイスマンは近代に生きており、射殺後に氷漬けにされたことになるのだ。
では、アイスマンは、どこでだれに殺されたのだろうか。
その謎を解く鍵が1966年11月1日付の「ワールド・トリビューン」紙の情報だ。同紙は「ベトナム戦争の最中、米兵が1頭の巨大な〝類人猿〟を射殺した。ベトナムには大型類人猿はいないため、未知のもの」と伝えているのだ。そして、当時、ハンセンも従軍していたというのである。
この事実から、ユーベルマンは、ハンセンが射殺した〝類人猿〟を見世物にして稼げると考え、戦死者を運ぶ棺に死骸を隠し、アメリカに持ち込んだと推測した。
だが、真相は判然としないまま、アイスマンは所在不明になってしまったのである。
これがアイスマンをめぐるエピソードの大枠だ。
ユーベルマンは2001年に他界するまで、アイスマンを未知の原人と信じたが、世間は作り物や、類人猿の死骸を加工した偽物の獣人と見てきた。そのため、アイスマンがベトナムから運ばれたものかすら、検証されなかった。
だが! 時を経て、噂の元を辿り現地ベトナムに足を運んだ人物が日本にいた!
その人物こそ、今泉忠明氏である。近年ではベストセラー『ざんねんないきもの事典』(高橋書店・刊)の監修などで知られる一方、環境庁(現・環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加した、正統派の動物学者である。
そんな今泉氏が、日本では異端とされる未確認動物の調査を行うことになったのは、1995年のことだ。
当時、ベトナムから運ばれたアイスマン情報が真実か検証すべく、テレビの特別番組が企画された。ベトナムの獣人を捜そうというわけである。
今泉氏がこの企画に参加することになったのは、前年に『謎の動物の百科』(データハウス・刊)という未確認生物についての本を執筆していたからだった。今泉氏はいう。
「以前から未確認生物の存在は決して否定できないという思いがあり、本を書きました。これがきっかけとなり、調査隊参加を依頼されました。現地で未知の存在を検証することはロマンがあります。だから、引き受けたんですよ」
獣人調査隊には、今泉氏をはじめ、山岳登山家やオーストラリアの未確認生物研究者など十数人が参加。同年10月22日にベトナムに出発した。
ところがーー
「ベトナム政府に、調査の目的は獣人捜しだと正直に伝えたんです。すると『わが国にはそのような不思議な生き物はいない』、と。怪しまれ、ホテルから一歩も出るな、と軟禁されてしまったんです」
調査はいきなりつまづいてしまったのだ。しかし、幸い見張りが四六時中いるわけではなかった。その隙を利用し、情報収集に奔走したところ、ハノイ大学に獣人の足跡の写真を持つ研究者がいることが判明。早くも獣人の手がかりをつかんだのである!
「ところが、その先生が写真を見せるのを渋るんです。一瞬でも見せてほしいと頼むと、本当に一瞬、見せてくれました。でも、それだけでわかったんです、足跡の主が」
それは今泉氏たちを落胆させるものだった。足跡は、未知の獣人のものではなく、クマのものだったのである。
調査隊はベトナムでこれ以上の手がかりは得られないと判断し、帰国の途に就いた。
しかし、これでは終れない。1か月後、調査隊はラオスに入った。アイスマンの噂はベトナム戦争が元であり、国境を挟んだ当地はベトナム戦争の戦場でもあったからだ。
「また軟禁されてはたまらないから、ラオス政府には、『ラオスの自然を取材に来た』と誤魔化して入りました。それでも政府の情報局のような人が、監視についてきましたね」
調査隊はまず、首都ヴィエンチャンで準備を整えると、そこからベトナム国境に近い街ラクサオへ向かった。
途中で立ち寄った村でも獣人の聞き込み調査を行なった。だが、ベニガオサルらしき目撃談しか得られなかった。
「情報局の人がいつも側にいるでしょ。だからおおっぴらに獣人のことを聞けなかったということもありましたね」
そうこうして、調査隊はラクサオに到着。獣人のことを直接、口に出せない聞き込みはやはり難航を極めたが、大きな収穫があった。獣人目撃の証言が得られたのだ!
「現地の人に話を聞きながら、それを元にスケッチした絵を見てもらったんです。すると、確かにこんな(図1)だったと。ラクサオからさらに奥地、山を挟んでほぼベトナムとイコールの地域であるパバン村に獣人がいる、というんです」
調査隊一行はアイスマンを彷彿とさせる獣人目撃証言を得られたことに喜び勇み、パバン村へと向かった。
奥地の村で聞き込みを始めると、さっそく驚きの情報がもたらされた。村の長老が、獣人は昔から村の岩山の洞窟にいたと語ったのだ! だが、獣人の解釈が自分たちとは異なる可能性もある。そこで、今泉氏は用意していたさまざまな霊長類の写真や原人の復元図を長老に見せて確認した。
「長老は確かに区別していました。霊長類の写真を見れば、これはゴリラだ、と。北京原人の復元図なら、これはアンティークな人間だ、と。そして最後に残ったのが、ラオスで聞き込み、スケッチした獣人の絵でした。これだ、と。」
ついに、アイスマンの噂を裏づけるような証言が得られた。しかも、村の近くに棲んでいるというのだ。だがーー
「長老は、戦争で洞窟が空爆されて以来、見ていないというんです。だから獣人は、死んでしまったか、別の場所へ移動してしまったか……」
それでも今泉氏たちは現場に残る痕跡をその目で見たいと考えた。しかし、そこまでは、近いといっても村から1日以上かかるという。そのための食料や装備もない。しかも、予定にない行動は違反行動となるため、叶わなかった。
洞窟跡には行けなかったが、付近には獣人が棲息していたことはわかった。アイスマンの話の信憑性も高まった。
しかし! 話はこれで終わらなかった。
「聞き込みを続けていると、獣人の姿について、村の人はいろいろいうんです。総合すると、ウマのような顔をしていて立ち上がるという(図2)。まるでオオアリクイのよう」
なぜ、サルのような獣人が、異なる姿で語られるのだろう。それについて、今泉氏は自身の見解を披露してくれた。
「ラオスの山奥には、ガウルという世界最大の野牛がいるんです。現地では神聖視されている。これが、パバンで目撃されるサルのような獣人の情報と、まるで伝言ゲームのように混ざってしまったのではないかと思うんですよね」
さらに今泉氏は、もうひとつの推測を加える。
「ラオスには、イエローリーフと呼ばれる、放浪しながら暮らす少数部族がいるそうです。彼らもまた、獣人の噂に混ざっているのではないかと」
今泉氏によれば、人間が森に隠れる気になれば、捜しても見つけることはなかなかできないという。つまり、少数部族には、現地の人でも滅多に出会えない。現地の獣人譚、神聖視される野牛に加え、少数部族もまた、情報を錯綜させる原因になっているのではないか、というわけである。
やはりアイスマンは存在しないのだろうか?
「いや、可能性はゼロではないでしょう。山奥の人々が、本当に岩山の洞窟に〝いた〟というんですから。嘘とはいえないし、われわれが〝いない〟とはいえません」
ならば、である。ひょっとすると、これらすべての目撃が、複数種の未知の生物である可能性もゼロとはいいきれないのだ。
「謎はたくさんある。そこが面白いですよね。このときの調査は新情報に対して、準備不足という面は否めなかった。機会があるなら、また改めて獣人調査をしたいですね」
アメリカ発のアイスマンの噂ーーそれを調査した結果、現地には確かに獣人伝説があった! アイスマン自体の真贋はともかく、ベトナム、ラオスの獣人伝説にはまぎれもなく根拠があった。獣人がいたことは間違いなさそうだ。
こざきゆう
児童書ライター、作家、編集者。伝記、お話、学習漫画、動物などをメインに活動。
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