米先住民チェロキー族に伝わる精霊「ヌンネヒ」は異星人か!? 超能力を備えた「不滅の旅人」の正体
好戦的部族の侵略を受け、絶体絶命の窮地に立たされた少数民族を救った頼もしい援軍。それは目に見えない不滅の精霊「ヌンネヒ」であった――!
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世界に存在する謎に並木伸一郎が鋭く切り込む。今回は、多数の犠牲者を出した恐るべき実験「フィラデルフィア計画」の真相に迫る。
ニコラ・テスラといえば、ムーでも幾度となく登場してきた稀代の天才科学者として知られる人物だ。1918年にクロアチアからアメリカへ移住後、交流電気方式、無線操縦、蛍光灯、そして高周波・高電圧を発生させる共振変圧器「テスラコイル」などを発明。2度にわたりノーベル物理学賞の候補にあげられるほど、電気技師、発明家として名をはせている。
そのテスラが推進したといわれ、なかば都市伝説と化しているのが、米軍と共同で行った極秘のレーダー不可視化実験、通称「フィラデルフィア計画」だ。本稿では、謎に満ちたこの実験について、今回、新たに得た情報を骨子にその内実を検証し、真の姿を探っていくことにする。
フィラデルフィア計画は、テスラが発明した共振変圧器「テスラコイル」がその中核をなしている。テスラコイルは、ふたつのコイルが共振することで高周波と高電圧を発生させるものである。
第2次世界大戦下にあった当時、敵影を感知するレーダーは船体が発する磁気に反応するシステムと考えられており、テスラは自身の発明であるテスラコイルによって船体がまとう磁気を消滅させればレーダーを回避できるようになると考えていた。
この仮説に米海軍が目をつけた。すでに終戦後のビジョンを見据えていた政府および軍部では、世界の覇権を握るため、新たな技術の獲得を求めていたのだ。
はたして、テスラの研究と実験のために無制限の資金援助を約束し、1931年、米海軍の主導のもと「フィラデルフィア計画」(正式名称「レインボー・プロジェクト」)がスタートしたのである。
テスラを中心に科学者が結集し、対レーダー不可視技術の研究は進められた。そしてスタートから10年、特殊なテスラコイルを搭載する小型船を使った実験がブルックリン海軍工廠で行われ、全面的な成功をおさめる。だが、駆逐艦エルドリッジで行われた運用実験では深刻な人的被害が発生し、両者の関係に決定的な溝が生じることになる。
1941年、テスラ指揮の下、エルドリッジに何千フィートものケーブルが巻かれた。ケーブルは銅製の1セント硬貨をつなげて作られたもので、これがテスラの回転増幅器と高周波発生器=テスラコイルにつながれていた。
エルドリッジがデラウェア川へ進水すると同時に実験開始。ほどなくして緑色の明光が放たれ、その後に黄色に変化。最終的には船影全体が蜃気楼のように歪み、約60秒後に無線が途絶え、レーダーから船影が消失した。
消失からおよそ6時間後、エルドリッジが帰還。2500キロ以上も離れたノーフォークのバージニア海軍基地に瞬間移動したといい、それを裏づけるように艦体は激しく損傷していた。
だが、艦内はもっと凄惨な状況だった。高電圧の影響で体が船と一体化した者、体が燃えている者、凍結した者、さらには消失した者もいた。下層にある機械室は鉄の隔壁に遮られていたため、そこにいた乗員は身体的には無傷ですんだものの、精神を病み、機密保持のために軍の病院で長期療養という名の軟禁生活を余儀なくされた。
不可視化だけでなく瞬間移動という副産物をもたらしたという点では、実験は成功といえるかもしれない。だが、死者・行方不明者が16名、精神的ダメージを受けた者が6名という犠牲は看過できるものではない。
これを懸念したテスラは計画が未成熟であり、時間的猶予が必要だと主張したが、軍上層部の理解は得られなかった。
かくしてテスラは計画から離脱。その後、原子力爆弾開発で知られるジョン・フォン・ノイマンが後任となるが、彼のもとで行われた実験も悲劇を繰り返すだけだった。
テスラと袂を分かったものの、海軍は彼が作った機器を保有していた。伝えられるところによれば、テスラの回転増幅器は小さな鉄製の箱で、ふたつの通気口が設けられており、重量は約23キロ。つながれた数基のテスラコイルと連動して高電圧の電流を生み出すというシステムであったようだ。
実験を効果的かつ安全に行うため、ジョン・フォン・ノイマンを中心に、アルベルト・アインシュタイン、グリエルモ・マルコーニ、タウンゼント・ブラウン、ジョン・G・トランプといった名だたる科学者たちが集められたものの、その調整に必要な数値はテスラしか知らなかった。
1943年、エルドリッジの整備が終わり、2回目の運用実験が行われる。回転増幅器は艦に載せられ、長いケーブルを経由して海軍造船所のドックにつながれていた。ただし、機器の接続もその調整についても手探りで行われたもので、万全とはほど遠い状況である。事実、開始から最初の数回はスイッチを入れても何も起こらなかった。
だが、すべての機器を異なる方法で最初から接続し直すことで、ようやくエルドリッジが緑色に光りはじめる。艦体は次第に黄色くなり、やがて蜃気楼を見るような歪んだ姿になるが、完全に消えるまでには至らない。
「この船を消すぞ!」
トランプが叫ぶと、アインシュタインらは発生器の出力を一気に上昇。エルドリッジは再びその姿を消した。だが同時に、艦内では再び惨劇が起こった。それでも実験は続けられ、およそ15分後、原因不明の機能停止によって打ち切られた。
実は、2回目の運用実験の際にテスラが密かに現場を訪れており、事態を見かねて実験を妨害したと伝えられているが定かではない。いずれしても、中断されたにもかかわらず、その被害は1回目よりも深刻だった。甲板の乗組員たちは溶解した骨と化しており、巨大な電子レンジの中で焼かれたように無残な姿であったという。
当然ながら、軍は実験の存在を軍事機密として封印した。その隠蔽は徹底しており、のちに事件の存在をリークした天文家でUFO研究家としても知られていたモーリス・K・ジェサップが怪死したのも、口封じのための暗殺が確実視されている。
いや、ジェサップだけではない。
1943年1月7日、ニコラ・テスラが自宅で死亡。死因は冠動脈血栓症とされているが、米軍と共同で行った実験と紐づけて考え、「謀殺説」を唱える研究者が数多くいる。その死因に疑惑がもたれているのだ。
理由は、彼の遺体は検視解剖が行われず、適切な対応なしに「睡眠中の自然死」とFBIが報告しただけで、当時主流であった土葬ではなく火葬で弔われているという事実にある。
さらに、だ。
テスラの死後、数トンにも達するという遺された研究資料のすべてがFBIによって押収されている。のちに返却されているが、不可解さは否めない。また、彼の葬儀にはFBIなどの政府機関の要人も参列し、のちの米大統領ジョージ・H・W・ブッシュの姿もあったというから、なおのこと陰謀めいた話になる。
驚くのは、これほどの犠牲を払いながら、今現在もテスラの研究は継続されているという事実だ。
テスラの研究が核となり、電磁波の実践的な研究が進められた。その成果として、プラズマ・ビーム砲、低周波発生兵器、電磁パルス兵器、マイクロウェーブ兵器が生み出され、さらにはマインド・コントロールや思念の物質化、1980年ごろには時空を超える亜空間トンネルの創出まで成功したと噂されている。
これらの一部は、軍や政府機関によって採用されている。マインド・コントロールは非殺傷電磁波兵器としてパナマ侵攻や湾岸戦争で成果をあげ、後に電磁波技術を応用した超兵器「HAARP」として結実したという。そのHARRPが今や陰謀めいた地震兵器として注目されているように、テスラの〝負の遺産〟は今なお残っている。
そう、フィラデルフィア計画を発端に、悪夢のような計画は姿を変えて息づいている。われわれがこうしている間にも、いびつな進化を遂げているかもしれないのだ。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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