新発見が相次ぐ「ナスカの地上絵」の基礎知識 ゆるい絵と巨大絵には時代の違いがあった!
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今年、2024年の9月24日、ペルーのナスカ台地で新たな地上絵を大量に発見した、と山形大学が発表した。
その数、なんと303! 1940年代から行われている調査で、これまでナスカでは400点以上の地上絵が見つかっていた。今回はそれに迫るほど、一挙に大量の発見となったわけだ。
これは、地上絵のデータをAIに学習させ、そのパターンから航空写真で未発見の絵を分析させるという、まさに現代テクノロジーの成果といえる。
ちなみに研究チームの報告によれば、発見された絵はいずれも従来のものより小規模で、平均すると全長9メートルほど。描かれていたのは主に人や家畜で、小集団の間で情報を共有するための「掲示板」のような役割があったのではないかと推測されている。
そもそも地上絵が描かれはじめたのは、今から2000年も前のことだ。
描き方は、乾ききった砂漠の表面を覆う黒い石の層を取り除いて幅1〜2メートル、深さ30センチほどの溝を掘り、そこに明るい色をした下層の土を露出させるというもの。こんな原始的な手法の絵が今日まで残されてきたのは、この地方が年間を通じてほとんど雨が降らず、厳しい気候のまま安定していたためである。
ところが、地上絵のほとんどは地上からでは全貌を認識できない。現地は丘も山もない平原で、絵を見下ろせるような場所はないからだ。
そのため地上絵について、異星人との関係を指摘する声が多いことは、本誌読者ならよくご存じのことだろう。
観光だが、自動車や歩行者によって地上絵が傷つけられるケースもあり、ペルー政府は保存に神経をとがらせている。足を踏みいれる際には地表を傷つけない特別な靴の着用を求められるが、そもそも地上からではダイナミックな絵を見ることはできないのだから、飛行機で見学するのが現実的な方法となる。
その場合、ペルーのリマから長距離バスでクスコへ行き、遊覧飛行を行うことになるが、リマから直接、遊覧飛行機を利用する方法もある。
(月刊ムー 2024年12月号)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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