南極からアフリカ大陸へ進む超巨大USO出現! 観測後に消失した気象データの怪奇
先日、南極付近に想像を絶する巨大な「未確認潜水物体(USO)」が出現していた! 超高度な潜航技術を有する未知の存在を前に、人類は何も対策を講じないままでいいのか──。
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毎回、「ムー」的な視点から、世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。 今回は、世界各地の海や湖、河川などに出没し、アメリカ軍にもその存在を認識された正体不明の潜水物体を取りあげる。
「USO」という言葉は、日本語で「未確認潜水物体」と訳されている。イギリスに生まれ、のちにアメリカに帰化して活躍した超常現象研究家のアイヴァン・サンダーソンは、これを「Unidentified Submarine Object」の略とするが、アメリカ海軍は「Unidentified Submersible Object」の略が「USO」だとしている。
アメリカ海軍はまた、似たような意味で「UAO(Unidentified Aquatic Objectの略)」という言葉も用いているが、いずれも「海や湖、河川などの水中で感知された謎の物体」ということである。
USOに分類される事例には、いくつかのパターンがある。厳密な意味での「潜水物体」ということであれば、海や湖などの水中で目撃されたり、ソナーで探知された謎の物体ということになるが、水面上で目撃されたり、水中から出入りするところを目撃された場合も通常USOと扱われる。
場合によっては、水辺近くで目撃されたものもUSOに含められることがある。だが、いずれのパターンでも、100年以上前から最近まで、多くの事例が報告されている。
江戸時代の日本で報告された虚舟も、海上を漂っているところを発見され、その後海に流されたというから、USO事例といえるだろう。
潜水物体の典型的な事例が、水中を移動したり、ときには水面に浮上しているのが目撃された潜水艦に似た物体、いわゆる「幽霊潜水艦」と呼ばれるものである。
南山宏によれば、幽霊潜水艦の最初の報告は、1902年にさかのぼる。この年の10月28日の深夜3時過ぎ、アフリカ西岸ギニア湾を航行中のイギリス貨物船フォート・ソールズベリー号の監視員が、前方に何か奇妙な物体が浮かんでいるのを見つけた。
早速サーチライトを照射してみると、浮かびあがったのは半分水に浸かった巨大な物体だった。一方の端にはオレンジ色のライトが2個、他方の端に青緑色のライトが2個点灯しており、全体として丸みを帯びた飛行船のような形をしていたが、その胴体の断面は直径約30メートル、長さは200メートルほどもありそうだった。
1902年にはすでにいくつかの国が潜水艦の開発に力を入れており、一部は就役している機種もあった。
しかし、当時最大の潜水艦であったフランスのギュスターヴ・ゼデ号も、全長は48・5メートル、幅が3・1メートルしかない。つまり、200メートル近い巨大な潜水艦を作れる国はなかったのだ。しかも、母国からアフリカ西岸まで航行できる性能を持つものもなかった。
謎の物体にフォート・ソールズベリー号が接近すると、内部から機械の回転音のようなもの、それに何語かわからぬ人声が聞こえた。そこで乗員たちは「救助が必要なら助けてやる」と叫んだが、怪物体は応答せず、徐々に海面下に沈んだという。
1920年代になると、スカンディナビア半島沿岸で、何度も謎の潜水物体が感知された。このときは、第1次世界大戦中に逃亡したドイツ潜水艦が密かに活動しているのではないかとの噂も出たが、敗戦で混乱しているドイツにそのような余力があるとは思えなかった。
幽霊潜水艦についてはその後も、1960年2月にアルゼンチン沿岸、1962年8月にスウェーデン領海、1965年前半にニュージーランドやオーストラリアの近海と、断続的に何度もその出現が報告されている。
最近では、2014年10月にスウェーデン沖で謎の潜行物体が感知され、懸命な捜索が行われたが、結局その正体はわからなかった。
謎の発光体が水中で確認された例もある。
古い例では1879年5月15日、イギリス船ヴァルチャー号がペルシア湾を航行中、船長のプリングルが、数個の明るく輝く物体が船の真下をくぐって海中で活動するのを目にした。
次いで東と西の海面に、大きな車輪状の物体がまぶしい光を放ちながら海上で回転しているのを見た。これらは最初の物体とは逆方向に、時速約135キロという高速で移動していた。
ペルシア湾では、1880年や1901年、1906年にも、車輪状の物体が海上で回転している光景や、何らかの光が炸裂する様子が報告されているが、1907年にはマラッカ海峡、1962年にはシャム湾でも同じような物体が目撃されている。
水中の物体が空中に飛びだしてそのまま飛び去るという事例も、1845年以来いくつも報告されている。
この年の6月18日、イギリス船ヴィクトリア号は、地中海にあるシシリー島の南方、北緯36度40分、東経13度44分の位置を航海中だった。
午後9時30分、突然激しい風に見舞われたが、風は2時間ほどで収まった。しかしこのとき、乗員は高熱と硫黄の臭いを感じ、同時に輝く物体が800メートルほど離れた海から飛びだすのを目撃した。物体はその後、どこへともなく飛び去ったという。
最近では2014年7月8日の午後9時15分ごろ、ロサンゼルス近郊トーランス市在住のある男性が、西方に望む水平線に近い静かな海面から飛びだし、ゆっくりと上昇する赤オレンジ色の物体をいくつも目撃するという事件が発生している。
このとき、最初の発光体は高度600メートルほどに到達すると、発光が白色に変わって輝きが弱くなった。第2の物体は飛行方向を変えて、サンタカタリナ島の北端を目指しはじめた。第3の物体はそのまま上昇を続け、さらにその後から同じような発光体が、海面のほぼ同じ位置から続々と飛びだしてきたという。
逆に上空を飛ぶ物体が水中に突入して姿を消した例としては、イギリス船インナービック号の事件がある。
1885年2月24日、北太平洋の北方を航海中のインナービック号の頭上に、突然目もくらむばかりの光を放つ巨大な物体が現れたかと思うと、あっという間に海面に突入していった。同船はそのあおりで危うく転覆しそうになったという。
このような事例も近年まで絶え間なく報告されており、最近では2020年12月29日、ハワイのオアフ島で大勢の人々が、青い巨大な楕円形の光が水中に突入する光景を目撃した。その様子を撮影した動画は地元のテレビニュースでも取りあげられ、話題となった。
このときは青い大きな光体のほかにより小さな白い光体も目撃されており、小さい光体のほうは青い光が水中に没した後、山の方向へ飛び去ったという。
上空のUFOと水中のUSOが、何らかの連絡をとりあっていたように見える事例もある。
それは2002年1月11日のことで、ある男性がカリフォルニアのマグー岬付近の浜辺を散策中に、海上30メートルほどの空中を行ったり来たりしている“光球”を発見した。
驚いて見ていると、さらにそのUFOのすぐ下の海中に、同じような光球が2個光っていることに気がついた。この光球も水中でさかんに行ったり来たりを繰り返していた。海中のUSOも空中のUFOもまったく無音で、その行動は何かを捜しているように見えたという。
USOが水中から飛びだしてUFOに変じたり、逆にUFOが水中に突入したりするこのような事例を見ると、UFOとUSOとは基本的に同じ存在なのではないかとも思えてくる。
つまり、それが空中で目撃されればUFOと呼ばれ、水中に潜ったり水面に浮かんでいるとUSOと呼ばれるのではないかということだ。実際、USO事例はUFO現象の一部として語られることも多い。
また、アメリカ軍においては近年「UAUP(Unidentified Aerospace-Undersea Phenomenaの略)」、つまり「未確認航空・海中現象」という用語を用いているが、これはまさにUFOとUSOを同時に指す言葉となっている。
仮にUFOとUSOがいずれも宇宙人の乗り物だとすれば、UFOで地球にやって来た宇宙人たちは、もう100年以上前から水中にも活動拠点を設けているということになるだろう。
だが、USOについては、地上とは別の文明が海中に存在しており、その文明がUSOを操っている可能性を指摘する者もある。
SFの世界では、「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者として有名なコナン・ドイルの『マラコット海淵』や日本の映画『海底軍艦』のように、かつて高度な文明を誇りながら海中に没した古代大陸の住人が密かに海底で生き延びているというモチーフがいくつもある。
「眠れる予言者」として知られるエドガー・ケイシーなどによると、古代のアトランティス大陸には、現代文明をしのぐほどの科学技術が発展しており、水中でも空中でも人を運ぶことができる水陸両用の乗り物さえ持っていたというから、アトランティスやムーの生き残りが海中でUSOを建造している可能性もあるかもしれない。
さらに、冒頭でも名前を挙げたアイヴァン・サンダーソンは、人類とは別の知性体が海中文明を築いており、彼らがUSOを操っている可能性を指摘している。
サンダーソンによれば、地球の生命は海中で発生し、陸上よりもずっと長い期間海中で進化してきた。そうであれば、人類以上の知能を持つ生物が生まれても不思議はないということらしい。
USOのような機械装置の建設には、金属加工の技術も必要となるが、サンダーソンは水中でも金属加工は可能ではないかといい、このような人類以外の知性体を「インビジブル」、あるいは「OINTs(Othe Intelligencesの意味)」と呼んでいる。
ともあれ、地球表面の7割以上は海であり、深海は人類にとって今も未知の領域である。その深淵の暗闇に、われわれの想像もつかないものが潜んでいる可能性を完全には否定できないだろう。
●参考資料=『空飛ぶ円盤の跳梁』(高梨純一著/高文社)、『UFO事典』(南山宏著/徳間書店)、『UFO海底基地説』(I・T・サンダーソン著/大陸書房)
羽仁 礼
ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。
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