ニュートンの終末予言「2060年」に秘められた本当の意味とは!? ハルマゲドンの発生年への猶予は間近
西欧近代科学の巨星、アイザック・ニュートンはその優れた科学研究の一方、聖書の黙示録預言の解読にも没頭しており、いずれはこの世に“終末”が訪れることを信じて疑わなかったといわれている。ではニュートンは、
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豊かな自然に囲まれた、セルビアの小さな村。19世紀、その村にふたりの予言者が現れた。彼らは自国の未来を正確に語り、ついには国家から危険人物視される。その彼らが残した予言に、現代社会を的確にいい表したものがあった。はたしてそれは、どのような内容なのか? (初出:月刊『ムー』2023年9月号)
★ 第1回:国家がタブー視する「タラビッチのクレムナ予言」の概要はこちら
★ 第2回:「タラビッチのクレムナ予言」誕生の経緯と背後にある思想はこちら
幼いころのミロシュ・タラビッチは、ほかの子供たちと何ら変わることのない「普通の子」だった。しかし成長するにつれ、自分が「普通の人間」とは違っていることを自覚しはじめる。
ミロシュは友人や家族とさえも距離を置き、ひとりで行動するようになった。夏の間は山で羊の群れと一緒に過ごし、村一番の行事である祭りにも参加せず、単独行動を通した。
時折、暗くなってから山を下り、家で汚れた服を着替えると、陽が昇る前にまた山に戻っていった。
冬もひとりで過ごし、夕方になると家を出て近隣の松林まで行き、そこで何時間も過ごしていた。冬の寒さも狼の恐怖も、彼にはまるで関係がないかのようだった。
「寒くないのか」
「狼などの獣に襲われてもいいのか」
そうした質問にはこう答えた。
「星が光っているから暖かいよ。それに獣たちはみんな神の羊だから、心配なんていらないよ」
20歳になるころには、ミロシュが未来を透視する特殊な能力を持っていることが村人にも知られはじめる。村でもっとも優れた人物と認められ、「石の賢者」と呼ばれた。
そんなミロシュが晩年、唯一心を許し、何でも話したのが、自分の子供くらい歳が離れている若きザハリヘ・ザハリッチ司祭だった。
ちなみにザハリッチ司祭が書き留めた予言はミタールのものだけで、ミロシュの予言については直接のメモは残されていない。そもそもミロシュが亡くなった1854年当時、ザハリヘは司教になったばかりの20歳前後の若者だったからだ。
ミロシュ・タラビッチの最初の予言は、自分の死についてだった。
ミロシュの母親は息子の奇行を心配し、早く結婚してくれといいつづけたが、ミロシュはこう答えた。
「俺は45歳になったら死んでしまうから、結婚なんてしないよ。母さんは俺を埋葬することになるんだよ」
この言葉どおり、ミロシュは1854年2月6日、ちょうど45歳の誕生日に亡くなっている。
一方、ミロシュの甥であるミタール・タラビッチも、やはり読み書きができなかった。
ミタールはミロシュのように孤独を好んだわけではなく、村人とも普通につきあっていたが、代父のザハリッチ司祭を信頼し、予言についてよく話していたのはミロシュと同じだった。
ザハリッチはきわめて良識的な司祭だったので、ミタールが時の政権が転覆することや為政者が殺されることなど、次々に衝撃的な予言を行うことに対して疑義を唱えた。ミタールが「そうじゃないんですよ、司祭様!」と食ってかかる場面もあったという。
ミロシュもミタールもクレムナという小さな村の予言者にすぎなかったため、具体的な内容はあまり広まらなかった。しかし、セルビア正教会のエリート司祭であるザハリッチ司祭が介入したことで、彼らの噂は中央政界にも伝わっていくようになる。
ミタールが生きた時代は19世紀後半で、セルビアではカラジョルジェビッチ家とオブレノビッチ家の間で政権が争われていた。
セルビア公国を成立させたミロシュ・オブレノビッチが中央集権化に失敗し、1838年に退位したとき、ミタールはまだ9歳だった。1842年のクーデターで政権がカラジョルジェビッチ家に渡ったときには12歳。
その後、ミロシュ・オブレノビッチ1世が復権してセルビア公となり、息子のミハイロに継承されるのだが、彼は1868年に暗殺される。
問題はこの暗殺劇が、ふたりのタラビッチによって正確に予言されていたことだ。そのためクレムナの予言は悪質なデマとして厳しく取り締まられ、ザハリッチ司祭も危険人物と見なされるようになる。
しかし、予言の正確さは隠しようもなく、事実を知る人々の手によって着実にセルビア国内に広まっていったのだった。
★ 第1回:国家がタブー視する「タラビッチのクレムナ予言」の概要はこちら
★ 第2回:「タラビッチのクレムナ予言」誕生の経緯と背後にある思想はこちら
★ 全編は、月刊『ムー』(2023年9月号)をご覧ください。
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19世紀、セルビアの小さな農村クレムナ村から発信された「クレムナの予言」を読み直し、新たな解釈と未来への警鐘を見出した一冊。本稿では伝えきれなかった「クレムナの予言」の詳細がここにある。
たくきよしみつ
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