「トート・タロット」でパスワーキング瞑想 カードを通じてアストラル界へ至った実践例/ヘイズ中村
魔術的用法を前提に制作された「トート・タロット」。今回は、その用法をもうひとつご紹介する。カードをじっと見つめて瞑想し、その世界へ没入してさまざまな体験をするという「パス・ワーキング」だ。
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「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
レオン・サリラ 著
アレイスター・クロウリーが全精力を傾けて作ったトート・タロットの秘密を完全解読
タロット・カードの起源は、謎に包まれている。
単なる遊戯用カードから発展したという説もあれば、古代の秘密の魔術知識を、カードの形で伝えているともいわれる。
タロットのデッキは、22の大アルカナと、56枚の小アルカナから構成されるが、大アルカナとヘブライ語の22文字を結びつけ、カバラとの関係を指摘したのは、フランスの魔術師エリファス・レヴィである。
このレヴィの考えを受け継いだのが、イギリスの魔術結社「ゴールデン・ドーン」であり、中でもアーサー・エドワード・ウェイトはレヴィの考えを発展させ、従来4つのスートに最低限の装飾を施しただけだった小アルカナすべてにイラストを添え、全カードの意味を強調した。このウェイト流のカードは、現在では、タロットのひとつの潮流ともなっている。
同じく「ゴールデン・ドーン」に所属していたアレイスター・クロウリーは、ウェイトとは別の方向で、新しいタロット・カードを作りだした。それが、トート・タロットである。
このカードは、クロウリーのラフなスケッチと最後の著作『トートの書』に記された指示に基づいて、弟子のレディ・フリーダ・ハリスが図柄を描いたものだ。クロウリーは、彼の魔術知識の精髄をカードのデザインに込めようとし、ひとつのカードに、何種類ものデザインが提案された。
このため、当初3か月で完成予定だったカードの作成に、5年の歳月が費やされた。しかも完成したカードは、結局ふたりの死後まで発行されることはなかった。しかし、クロウリーが全精力を傾けたカードだけあって、タロットの最高傑作と評価されることもある。
本書の著者は、このトート・タロットについて、魔術師ガレス・ナイトのタロット理論をさらに進める形で、いっそう深い意義を発見した。著者によればこのカードは、人間の意識、考え方が一段階進化した、新しい時代をもたらすために作られたものなのだ。
本書は、50年以上タロット研究に携わってきた、著者の集大成ともいえる大著であり、78枚すべてのカードの秘密が、おしげもなく読者に披露されている。
(月刊ムー 2025年7月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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