究極の愛が技となる! 物理学者・保江邦夫が創始した「冠光寺眞法」/辛酸なめ子の魂活巡業
相手を全身全霊で愛すれば、指1本で床に転がすことも、軽々と抱え起こすことも可能!? 物理学者・保江邦夫氏が創始した「冠光寺眞法」の中核は「愛」。そのエッセンスを体験させていただこうと、大勢の門人が集う
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理論物理学者の保江邦夫氏は、かつて播磨陰陽師の首領として活躍した眞殿氏の末裔であるという! 現在、保江氏は積極的に陰陽道のノウハウを役立てるとともに、講演会や著書を通じて一般に広めている。今回は、その一部を指南していただく。
*画像は保江邦夫氏の著書『秘伝和気陰陽師 現代に活かす古の知恵』(青林堂/本体1700円+税)。
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保江氏が聞いた物語のなかには若者(陰陽師)が登場せず、村人たちが団結して妖怪に立ち向かうものもあったという。 「いかにも弱そうな村人が妖怪退治に使った武器は、妄想力です。たとえば、妖怪が崖から落ちて死んだときの無残な姿を何度も脳裏に描くのです。 妄想をくり返しながら眠りに入ると効果てき面で、自分に都合のよい未来が実現すると、祖母は教えてくれました。 昼間にあれこれと悩んでも、まったく意味がありません。また、神仏に願かけをしても効果は期待できない。眠りに落ちる直前、脳波がシータ波になったときの潜在意識に働きかけることが現実化に直結します」 保江氏はこの方法でさまざまな願望をかなえてきたという。 たとえば、岡山県でナンバーワンといわれる岡山朝日高校を受験したときは、同校のトレードマークである角帽をかっこよくかぶる保江氏に、女子高生が群がる光景を毎晩のように脳裏に焼きつけた。受験を決意する前、保江氏の成績は、後ろから数えたほうが早かったそうだ。 ただ、首尾よく合格したものの、朝日高校には県内のエリートが集うだけに、成績は低迷した。3年生時は400人中378番だったという。 「お前の成績じゃ、国立大はどこも無理だ。1年浪人しろ」 そう担任にいわれたとき保江氏の心に火がつき、大学受験も妄想力で乗り越えると決意。ちょうど異星人やUFOへの興味が再燃しはじめた時期だったので、東北大でUFOと異星人の研究に没頭する自分の姿を妄想するようになった。 さらに、東北大学から京都大学大学院へ進むときには、舞子や芸妓がしゃなりしゃなりと歩く京都の街で、楽しく大学院生活を送る様子を妄想した。 大学院合格を勝ち取ったポイントはもうひとつある。面接試験の最後に「合格したらどの研究室に入りたいのですか?」と聞かれたとき、名前を知らない若い助教授が居眠りをしているのが目についた。よし、とばかりに意を決した保江氏が、その助教授を名指しすると、彼はいきなり背筋をピンと伸ばし、目を大きく見開いた。学生に指名されるのははじめてで、保江氏を育ててみたいと、他の教授に頭を下げてくれたという。 「みんなが選びそうなものは避けよ。これも祖母から教わった秘伝のひとつでした」 次に狙ったのは、京都大学大学院から名古屋大学大学院への編入だ。名古屋大学には、湯川秀樹博士と交流のある物理学者、高林武彦教授がいた。 「高林先生は、フランスの物理学者でノーベル賞受賞者でもあるルイ・ド・ブロイ先生と親しく、共著論文もあります。僕は高林先生の指導を受け、フランスへ渡ってド・ブロイ先生のもとで研究するバラ色の学究生活を妄想しました」 編入の定員は1名だったが、保江氏は合格を果たした。 なお、妄想のコツは、もうひとつある。願望が実現したときの様子をリアルに思い描き、何が見えるか、どんな音が聞こえるか、だれがいるか、何を食べているか、何に触れているかなど、五感を駆使してその世界に浸ることも大切なのだ。
妄想力と並び、保江氏が強く推奨する陰陽道のノウハウに、北斗七星の星の配置を取り入れた呪術的な歩法がある。 この歩法の淵源は古代中国、夏王朝の始祖とされる禹の歩き方「禹歩」だ。禹王は治水を推進するために全国を歩いてめぐったのだが、それが原因で足を傷め、引きずるような独特の歩き方をしていたという。 禹歩については北斗七星信仰との関連が指摘され、中国では民間呪術として伝えられた。また、道教にも取り入れられている。日本では、貴人の外出時に邪気を除くため、陰陽師が呪文を唱えながら禹歩を行ったとされている。 具体的な足の運び方についてはいくつかの種類があり、なかには複雑なものもあるのだが、保江氏がいうには、単純に北斗七星をなぞって歩くだけで大きな効果が得られるそうだ。 そのことを確信するきっかけとなったのは、あるワークショップで参加者からこんな質問を受けたことだ。 「寝たきりの義父の介護で疲れはててしまいました。私の足が義父の寝ている部屋のドアに向かおうとしてくれません。体の抵抗が日増しに強くなっている気がします。何かよい方法があったら教えてください」 じつはこの時点で保江氏は、禹歩のことも北斗七星との関連も知らなかったのだが、なぜか脳裏に北斗七星という言葉が浮かび、次の瞬間、われ知らず質問者にこう告げていた。 「お義父さんの部屋まで、北斗七星の形を足でなぞるように歩いてみてください」 答えたあとで、保江氏は後悔の念に襲われたという。北斗七星という言葉が口を突いて出たものの、自分で効果を確かめたわけではなかったからだ。 そんな心配をよそに、次のワークショップにやってきたその女性は保江氏に頭を下げ、おかげさまで義父の部屋までスムーズに行くことができたとお礼を述べたそうだ。 これを聞いた保江氏は、自身が創始した冠光寺流柔術の道場で、弟子にこの歩法を試してみることにした。 少し距離を置いた場所に体の大きな弟子を立たせ、まずは真っすぐに突き進んで技をかけようとしたが、かかりづらい。そこで今度は、北斗七星をなぞって接近していくと、簡単に技がかかり、弟子が倒れた。 念のため、「僕が変な動きをするから、それをよく見て対処しろよ!」と予告してから再度試しても結果は同じだった。 「そういえば、おばあちゃんの絵本にも北斗七星が出てきた。これは陰陽師の技だったんだ」 保江氏は、そう気づいた。 営業マンの弟子も、この歩法を試したという。契約を取りつけたい会社の敷地に足を踏み入れたところから入り口の自動扉までと、自動扉から受付までを禹歩で進んだところ、いつもは会ってくれない営業部長に、すんなりと会えたそうだ。 なお、さらなる秘伝として、指で北斗七星を描くという方法があるそうだ。人差し指で、机やソファの肘かけなどをチョンチョンと7回つつきながら、北斗七星を描くのである。禹歩をする余裕がないときは、この方法を実践するとよい。
悪い気を断ち切り、流れを変えるために陰陽師が積極的に行うさまざまな作法のなかから、すぐに実践できるものをふたつ紹介していただいた。 ひとつは音によって気を断ち切る方法だ。その道具として最も有効なのは拍子木である。 「今では劇場などでの開始・終了の合図や、火の用心の夜回りに用いられていますが、もともとは悪霊を退散させるための呪具で、陰陽師はこれをいつも懐に忍ばせていました。拍子木のカーン、カーンという甲高い響きは、相手の気をくじき、気の優劣をチャラにします」 とはいうものの、現代人がところかまわず拍子木を打ち鳴らすわけにはいかない。そんなときは拍手をすればよいそうだ。 「一発で両手が痛くなるほど激しく打ち、大きな音を出すよう心がけてください。本来ならば、大きな音を出すことより、相手の下腹に響くように気を込めて打つとよいのですが、素人さんにはなかなか難しいでしょう。 両手を打ち合わすことができなければ机や自分の膝を打ってもよいし、片手しか使えない場合は自分の頬を打つことも有効です。力士が立ち合いの前に自分の頬を張るのは、気合いを入れるというよりも、高次元の自分を引きだすためなのです」 いきなり拍手をすると変に思われそうなときは、テーブルや机の下で「指パッチン」をしてもよいという。 「アメリカのショービジネスの世界では、歌手が歌いながら指パッチンをすることがあります。あの動作によって観客の気を自分へ向けさせているのです。離れた場所にいる相手を誘導したいなら、その相手に向かって指を弾く。すると、双方の高次元の部分がつながり、しかも自分が優位に立てます。先に指を弾いたほうが、相手をのみ込むことができます」 もうひとつの方法は、塩をまくことである。土俵入りした力士がブワッと塩をまく姿はおなじみだが、あれはもともと、土俵という空間が、はたして自分の味方になってくれるかどうかを見きわめるための所作だと、保江氏はいう。 また、飲食店などの玄関先に見られる盛り塩も、塩を盛って空間を清めることが目的ではなく、いざというときに素早く手に取り、まくことが本来の目的だそうだ。 「玄関の前や部屋の四隅に少々の塩を盛ったところで、邪気はおかまいなく侵入してきます。怪しい気配を察知したら、すぐに盛り塩へ手を伸ばし、塩をまいてください。その気配に向かって塩を投げつけるのもよいでしょう。投げつけた瞬間に5本の指をパンと開く方法もあります。万が一、塩がない場合には、気配に向かって5指を激しく開くだけでも、悪しき気を断ち切ることができます」 なお、塩をまいたあとはすみやかに掃除を。また、盛り塩は玄関先や大切な部屋の四隅など、何かあったときにすぐ手を伸ばせる場所に設置し、少なくとも月に1回、交換することが望ましい。外出時にはジッパーつきの小さな袋に塩を入れて携帯するのがおすすめだ。
「法螺を吹く」といえば、一般には「大げさなことをいう」「虚言を吐く」といった意味だが、もとをただせば陰陽師の秘術であると、保江氏はいう。これを行うことで、さまざまな願望が成就しやすくなるそうだ。 とはいっても、実際に法螺貝を吹き鳴らすわけではない。自分の手を使って一定の所作をするのである。さっそく手順を伝授していただこう。 「両手を組み合わせて法螺貝の形をつくります(写真参照)。陰陽道ではこれを法螺というのです。修験道の山伏が法螺貝を吹いたり、古神道の儀式で石笛を吹いたりするのは、ここからきていると僕は考えています。 両手で法螺をつくったら、自分の口もとへ持っていき、合わせた親指の間に口をつけて法螺を吹いてください」 ここでいう「法螺を吹く」とは「願望をささやく」ことを意味する。要するに、親指の間に口をつけ、小声でヒソヒソと願望をいえばよいわけだが、ちょっとした注意点がある。 「人に聞こえないようにすることが大事です。神様の耳にささやくような気持ちで願いを唱えるとよいでしょう」 願望の内容はなんでもかまわないのだが、神様の耳にささやくとなれば、おのずと方向性が決まってくる。できれば自分のためだけでなく、世の中のためにもなるものがよいし、少なくともネガティブな願望ではないほうが望ましい。いうまでもないが、人の不幸を願ったりしてはならない。 法螺を吹く回数は3回。つまり、ひとつの願望を3回くり返す。実行する時間帯に制約はないが、いわゆる丑三つ時、午前2時から2時半の間に行うと効果が高まるとのことだ。 なお、定期的にくり返す必要はないし、何度も行ったら効果が高まるわけでもないそうだ。一発勝負だと思って、心を込めて実践していただきたい。 保江氏がこの秘術を講演会や雑誌で公開したところ、実践した人たちから「息子の合格を願って法螺を吹いたら、絶対に無理だといわれていた志望校に合格できた」「親しい人が苦境から脱出できた」など、予想を上回る反応が返ってきたという。 ここで保江氏は、本邦初公開という秘密のテクニックを教えてくださった。 「じつは、左右どちらの手を外側にするかで効果が違ってくるのです。見えない攻撃から身を守りたいときや、それに類する願望ならば右手が外側で、自分が豊かになりたいときや、それに類する願望ならば左手が外側です。これをヒントに、ご自分の願望がどちらに近いかを考えてください。 あるいは、左右どちらが外側かということにこだわらず、そのときの気分で直感的に手を組んでもかまいません」 術者が法螺を吹くと、その言葉は宇宙に響きわたり、自然と現実化が進んでいくと、保江氏はいう。
保江邦夫
理学博士。ノートルダム清心女子大学名誉教授。専門は理論物理学・量子力学・脳科学。湯川秀樹博士による素領域理論の継承者であり、量子脳理論の治部・保江アプローチの開拓者。冠光寺眞法・冠光寺流柔術創師・主宰。
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