現代社会に渦巻く「呪い」を跳ね返す!/LUAの「ブラックオニキス−開運と魔除けの呪術」(1)

文=LUA

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    漆黒に輝くブラックオニキスは、古代ローマをはじめインドやペルシアなど、各地で魔除けの石として用いられてきました。古今東西の「呪い」と、その解除法について研究を重ねているLUA氏が、本誌11月号の特別付録「ブラックオニキス・クリスタル」を使った魔術を指南します。

    「呪い」の存在を再認識させたプーチンの藁人形事件

     去る6月15日、千葉県松戸市内の神社のご神木に藁人形を打ちつけたとして、器物損壊と建造物侵入の疑いで無職の男性が逮捕された。
     藁人形の頭部にはプーチン大統領の顔写真が貼りつけてあり、胸には「抹殺祈願」と書かれた紙が入っていた。また、頭部と胸部に五寸釘が打ち込まれていたという。いわゆる「呪いの藁人形」だ。5月以降、松戸市内の神社10か所以上で同様の藁人形が発見され、いずれもこの男性の犯行だと見られている。
     この報道に触れ、「今どき呪いの藁人形とは!」と失笑した人もいるだろうが、一方で、そうでもしなければ収まらない、という男性の気持ちに理解を示した人もいるのではないか。
     いずれにせよ、現代日本において「呪い」は現役なのだと、みなが知ることになった事件だ。
    
     考えてみれば、現代社会には「呪いの温床」が意外に多く存在しているように思われる。
     たとえば、現代人の多くが抱いている漠然とした不安もそのひとつだ。不安の原因は、大災害や資源の枯渇、異常気象などさまざまだろうが、要するに明るい未来が見えず、人の心が蝕まれやすいのである。
     そして、得体の知れない不安が妄想に発展したときや、込み上げる怒りのぶつけどころをなくしたときは、「呪い・呪われ」といったプリミティブな状況が生まれるように思う。
     また、だれもが使っているSNSも安全とはいえない。ある出来事の一面だけを見て、安っぽい正義を振りかざす人々の誹謗中傷を受け、大きなダメージを負った人の例は枚挙に暇がない。これは、新しいタイプの「呪い」ではないだろうか。
     さらに怖いのは、自分自身が意図せずして「呪い」の発信源になることだ。なんの気なしに放った言葉が、とんだ結果を招くなどは、他人事ではない。
    
     そんな現代において、ぜひ活用していただきたいのが、ブラックオニキスだ。この石は古くから世界中で愛され、魔除けとして使われてきたのである。
     まずは、オニキスという名称の由来からひもといていこう。
     語源は、ギリシア語で「爪」を意味する「ὄνυξ」。これは、もともとオニキスが、人間の爪を思わせるような、ピンク色に白い縞模様のある石の名称だったからだ。現在は黒一色のものをオニキスと呼ぶのが一般化しているが、じつはさまざまなカラーバリエーションがある。
     この語源に関連する伝説がある。あるとき、愛と美の女神アフロディーテがインダス川のほとりで眠っていた。そこに女神の息子であり、恋と性愛の神エロースがやってきて、母の爪を矢尻の先端で削ると、その削りくずが川に落ちていった。だが、女神の体を形づくっていたものが失われることは許されない。そのため川に落ちた削りくずは、オニキスに変わった。
     この逸話から、敵と対峙したときに、自分の身が一部たりとも損なわれないようにとの意味で、オニキスがお守として用いられるようになったという。また、髪や爪、肌の新陳代謝を早め、成長を促すことにも結びつけられるようになった。
     鉱物としては、二酸化ケイ素を主成分とする石英の変種、カルセドニーの一種で、縞模様のないものはメノウ(瑪瑙)と呼ばれる。このことから、ブラックオニキスには「黒瑪瑙」という呼び名がある。ちなみに「瑪瑙」の名は、石の断面が馬の脳に見えることに由来する。

    悪しきものを遠ざけ、勇気を与え、絆を守る

     歴史を振り返れば、絹のような美しい光沢をもつオニキスは、早くもエジプト第2王朝の時代(紀元前2730〜2650年ごろ)には、皿やボウルなどの素材として利用されていた。
    『聖書』にも、たびたびオニキス(瑪瑙)が登場する。たとえば「出エジプト記」では、モーセの兄にして大司祭アロンが着用する「裁きの胸当て」に、12種類の宝石が縫いつけられる。12種類の宝石はイスラエルの12支族を表すもので、そのひとつが瑪瑙なのだ。
    『旧約聖書』に登場する「裁きの胸当て」。第3行・中央の石が瑪瑙で、12支族のうちアシェル族を表す。
     また、「ヨハネの黙示録」では、最後の審判後に現れる「新しいエルサレム」の城壁の土台が12種類の宝石で飾られ、そのひとつが瑪瑙だと記されている。
     のちには誘惑から身を守る石として、ロザリオにも用いられるようになった。
     ほか、古代ローマ人は、批判的な意見から身を守り、勇気をもたらす石として、カメオやブローチに仕立てて所持した。
    西暦9〜12年にローマでつくられたオニキスのカメオ。上段中央の男性はアウグストゥス皇帝。
     それ以外にも、たとえば古代インドとペルシアでは「悪からの保護者」と呼ばれている。
     さらにインド占星術では、オニキスはカップル間の対立を遠ざけるとされている。これは、オニキス特有の黒と白の縞模様が、美しい対比を見せながらも緊密に結びつき、ふたりのよき関係を象徴しているからだ。
     もちろん日本にも、オニキスに関するエピソードがある。
     代表的なのは火打ち石だ。平安時代からはじまり、江戸時代には庶民の間に広がった火打石の素材には、オニキス(瑪瑙)などの硬度の高い石が使われる。道中の安全を祈願してカチ、カチと切り火をする所作は、魔除けの呪いでもある。
     その背景にあるのは、ヤマトタケルの東征神話だ。東へ出立するヤマトタケルに、万が一のためにと、叔母のヤマトヒメが草薙剣(くさなぎのつるぎ)と一緒に火打石の入った袋を持たせた。そして焼津に至ったとき、敵の罠にかかって草むらの中で炎に囲まれたヤマトタケルは、剣で草をなぎ払い、火打石で向かい火をおこして、無事に生還したのである。
    草薙剣で草をなぎ払い、火を防ぐヤマトタケル。19世紀、歌川国芳による浮世絵。
     こうしてみるとオニキスは、外部からやってくる悪しきものと、自分の内部に生じる負の感情の両方から身を守る役割を果たすようだ。また、愛する人との絆も守る石だともいえる。
     不安に駆られやすい現代だからこそ、オニキスで心身をプロテクトしたいものだ。次ページからは本誌11月号の特別付録「ブラックオニキス・クリスタル」を使った魔除けと開運の魔術を紹介する。

    特別付録「ブラックオニキス・クリスタル」の扱いについて

     本誌2022年11月号の特別付録「ブラックオニキス・クリスタル」は、所持するだけでも一定の効果が得られるが、より大きな効果を望む場合は、第2回以降に掲載されている内容を実践してほしいい。
     願望の成就後は、そのままお守として持ちつづけてもかまわないが、処分する場合は、ひとつまみの塩とともに未使用の封筒に入れ、自治体の指示にしたがって処分すればよい。
     なお、未使用のブラックオニキス・クリスタルは、不燃ゴミとしてそのまま処分する。

    LUA

    占い、呪い、開運と、ジャンルを超えて活動するユニークな占術家。2017年に上梓した『78枚で占う、いちばんていねいなタロット』(日本文芸社)が大ヒット。近著は『オリジナルカード78枚ではじめる いちばんたのしい、タロット占い』(日本文芸社)。蜘蛛好き。ホラー好き。東京都出身。大阪府在住。水瓶座、AB型。

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