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今年7月、兵庫県の加古川で新種の巨大UMAが目撃されたという。 その名も「ムッシー」。全長6メートルを超すという謎の巨大水棲UMAの正体を探るべく、筆者は現地へと向かった。
兵庫県南西部を流れる一級河川の加古川は、加古川市と高砂市の境として瀬戸内海の播磨灘にそそいでいる。その加古川の河口付近に、6月中旬の午後4時ごろ、大きな生き物のような黒い物体が出現し、目撃した女性によってスマホで動画が撮影された。
撮影者は、ラジオ関西で毎週水曜日の夕方5時55分から放送され、インターネットのサイト「ラジトピ/ラジオ関西トピックス」で記事にもされている番組「バズろぅ!」に動画を送った。同番組のパーソナリティー、わきたかしさんに、謎の物体の調査を依頼したのである。
騒がれたくないので名前も顔も出さないでほしいという撮影者によれば、加古川の西岸、高砂市の向島公園(正確には向島公園に隣接する高砂海浜公園)の川沿いの遊歩道を歩いていたら、何
かが川面に浮かんでいたという。
ネットに公開された14秒の動画を見ると、幅400メートル以上ある加古川の中ほどに数個の黒い物体が浮かんだり沈んだりしている。複数の生き物が連なって泳いでいるようにも見えるが、それらがつながって、ひとつの長い物体になるときもある。
もし、それらが1匹の生物の背中だとすれば、全長は約6〜10メートルになると、わきさんは推測した。
わきさんは、その正体を突き止めようと調査を開始。地元の魚や水棲の動物に詳しい東播磨漁業協同組合の川崎さんに動画を見てもらった。
川崎さんは「はじめはクジラかと思ったが、このあたりは水深が浅く(3メートルほど)、河口から入ってくるとは思えない。迷い込んできたら座礁してしまう。泳ぎ方もクジラとは違う」と、まずクジラ説を否定した。
つづいて「イルカなら背ビレが見えるだろうし、スナメリ(銀白色の小さなイルカで背ビレはない)ならもう少し白っぽく見えるだろう」と首をひねるばかりだった。
そこで、撮影現場付近で散歩やジョギングを楽しむ人たちに聞き込み調査をすると、同様の生き物らしきものを見たという人が数人いた。向島公園から目撃されることが多いことから「ムッシー」と呼ばれているという。
こうして、7月13日に「ラジトピ」で動画と記事が公開されると大きな話題を呼び、本誌でも9月号の「MUHOT PRESS」で報じた。
しかし、動画に強く興味を引かれた筆者は、わきさんと連絡を取り、8月5日に現場を訪れ、加古川河口の様子をこの目で確かめたのである。
その際、わきさんからノーカットの動画のコピーをいただいたので、動画と実際の現場を見比べることができた。動画は2本あり、1本は52秒、もう1本は1分44 秒も連続撮影されていた。
撮影者は、男児を連れた母親で、ふたりの声も録音されている。「もう帰ろうよ」という男児をなだめて撮影を続け、1本目を止めた後もムッシーが気になり、少し川上に歩いたところで2本目の動画を撮影している。
ズームアップはせず、すべてワイド画面のまま撮影しており、手ブレはない。川の広い範囲の様子がわかり、波はほとんどないのに、一部に波が立っていることがわかる。そこに黒い影が浮かんだり沈んだりしているのだ。
録画時間の長さといい、画像のクオリティの高さといい、UMAをとらえた一級の動画といえるだろう。
(文=山口直樹)
webムー編集部
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