「甲府事件」48年目の新証言で明らかになった「UFOの消え方」とは? 現地イベントをレポート/山梨奇譚
1975年、山梨県甲府市にUFOが飛来し、宇宙人が出現したーー。伝説の「甲府UFO事件」を振り返るイベントが現地で開催。当事者の告白も含めて、その模様をお届けする。
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UFOとの遭遇事例は数あるが、子供たちの目撃記録には具体的でリアルなものが多い。UFOは、少年少女に何を訴えようというのか? 日本各地の事例から考察する。
目次
UFOは、子供が大好きだ。世界中の多くの子どもたちがUFOを目撃し、宇宙人とコンタクトを果たしている。
日本で有名な事例も多くある。代表的なものとして挙げられるのは、1975年に山梨県のブドウ畑において小学2年生2名が第三種接近遭遇した「甲府事件」(関連記事)や、1972年に高知県で小学生の集団が小型円盤を拾って持ち帰ったという「介良事件」(関連記事)などがある。甲府事件、介良事件、そしてあとひとつを含め、日本3大UFO事件といわれることがあるが、3つのうちふたつが小学生の体験なのである。
世界に目を向けてみよう。イギリスのブロードヘイブン小学校では、およそ15名の児童が空飛ぶ円盤と宇宙人を目撃した。アフリカのアリエル小学校では、62名もの大勢の子供が宇宙人と遭遇し、なかには宇宙人からメッセージを受け取ったという者もいたという。(関連記事)
子供たちのUFO体験は一体何を意味するのか? この背後には何があるのだろうか?
真相を読み解くために、ここで筆者のもとに報告された5つのUFO遭遇体験を見てみよう。いずれも、体験者が小学生から高校生にかけて、多感な年頃に起きたエピソードである。
1977〜78年頃、秋山さんは山梨県甲府市のK小学校に通う小学生だった。7月のある晴れた午後、秋山さんは友達みんなと集団下校していたという。
そこで、ふと誰かが妙なものに気づいた。巨大な空飛ぶ円盤が空に浮遊していたのだ。濃い灰色の機体で、「ゴー」と響く機械的な音を響かせている。
空を見上げた秋山さんの目に、円盤の底部で回転する飛行装置のようなものがはっきり見えた。複数の窓ガラスも見え、なんと、その窓際で2人ほどの人型の存在が動いているではないか!
あまりの光景に、一緒に下校していた小学生複数名で円盤を追いかけ始めた。ヘリコプターほどの速度で一直線に飛んでいる空飛ぶ円盤を追いかけ、原っぱや田んぼの中を突っ切った。小学生でも走れば追いつきそうな速度だったが、円盤は最終的には雲の中に隠れて行ってしまった。それまでの約10分間ほど、秋山さんたちは円盤を追いかけていたという。
当時の山梨県といえば、まさに1975年に甲府事件が起きた直後である。秋山さんはその円盤を目撃した時点では甲府事件のことを知らなかったそうだ。当時山梨県にUFOフラップ(集中目撃)が起きていた証拠の一つとなりえる、貴重な証言だ。
石井さんは1978年ごろ、小学4〜5年生だった。あるとき、石井さんは地元・石川県松任市(現・白山市)の友人たち3、4人と一緒に自転車で走っていた。近所の宇佐八幡神社の横の角を曲がろうとしたとき、異様なものが出現した。巨大な空飛ぶ円盤、しかも金色に光り輝いている巨大なものが間近に迫ってきたのだ!
石井さんと友人たちは必死に自転車を漕ぎ、ようやくの思いで逃げ切ることができた。
今になってもその正体は謎のままだが、翌日の地元新聞で、その空飛ぶ円盤のことが報じられていたという。このことからも、目撃者は他にも複数人いるのではないかと推測される。石井さんはその後、大人になっても度々UFOや宇宙人のような存在を目撃するようになったという。
2010年頃、沖縄県中南部のS小学校。当時小学生だった金城さんは皆と一緒にサッカーをしていた。雲ひとつない晴れた空で、上空には何も見えない。
やはり、異変は突然起きた。空に何もないのに、グラウンドに丸い影が現れたのだ。フラフープほどの直径をした円形の影が、縦横無尽に動き回るのを6人ほどが目撃した。繰り返すが、上空を見上げても何もなかったという。やがて謎の影はゆっくりとグラウンドの外の森へと移動し、消えてしまった。
体験者はこの体験に非常に驚き、学校内にその内容をまとめた新聞を書いて貼り出すほどだった。
金城さんは、この体験をきっかけにオカルト的な現象にも興味を抱くようになった。金城さんは沖縄でのUFO事件についての切り抜きも集め始め、筆者はそれを見せてもらったことがある。
篠原さんは1993〜1994年当時、長崎県のN高校に通っていた。ラグビー部員だった篠原さんは、その日も部活の練習をしていたという。県内でも有数のラグビー強豪校だけに、ラグビー部では練習中によそ見をしていると怒られるような雰囲気だった。
そんななかでも篠原さんがふと空を見上げると、グラウンドの上空を円を描いて飛んでいるものがある。四角く、丸い円形の部品が下に4つついている機械的な飛行物体。
「あれ、何ですかね…?」
篠原さんは他の部員に聞いた。他の部員にも同じものは見えていたのだが、皆が練習に夢中で意にも介さない様子だった。
練習が終わって皆で部室の方へ帰る際、大きな音が遠くの山から響いてきた。とっさにその場にいたラグビー部員の多くが振り向くと、山と山の間を飛んでいく飛行物体が見えた。階段状に見える機体に、丸い窓のようなものがついている。それが周囲にいた皆にはっきりと見えた。篠原さんは帰宅して家族にその話を伝えるも、誰も信じてくれない。
だが翌日、父親の態度が変わった。次の日の長崎新聞に、なんと篠原さんが見たのと同じ飛行物体と思しき写真が掲載されていたのだ。篠原さんはその後、大人になってからUFOを頻繁に目撃するようになっている。
山田さんは1984年当時、広島県に住む高校生2年生だった。学校から帰宅する道中、近所の団地の近くを通り過ぎた。
と、そこで2、3人ほどの子供達が駐車場で騒いでいる声に気づく。声のする駐車場のほうへ目を向けると、駐車場の上空に大きな何かがふわりと浮かんでいる。子供達も、それを見て騒いでいるらしかった。陶器のように、白くすべすべした物体だった。縦に6〜8メートル、横に4〜6メートルほど。まるで数字の「9」の字のような形をしていた。中心部分は穴ではなく、半円状に盛り上がっており、上からの日光を受けた影が見えた。
山田さんは、それを写真で撮影しようと考えた。そこから歩いて5分ほどにある自分の家に急いで帰った。団地と山田さんの家は近く、山田さんの家の窓からも駐車場上空が見える位置にある。だが、家に着いて、窓から団地を見た時には、その白くてすべすべした浮遊物体は消えていた。
山田さんもまた、近年オカルト的な事柄に興味を持たれており、オカルト的な研究をする人について調べるなかで筆者への体験の報告に至ったという。
以上に挙げた体験に共通することは何だろう。それは大まかに3つにまとめることができる。
①学校や団地、畑や神社などの比較的開けた場所での体験
②複数人で目撃している
③後の人生に影響を与え、体験者のほとんどが後に継続的にUFO体験をしたり、オカルト的な事柄に興味を抱くようになっている
これらの事実を踏まえるとき、筆者の疑念は確信に変わる。
そう、「UFOは、わざと子供達に見せびらかすようにして出現している」……!
常に複数人でのUFO体験が報告されていることが、何よりの証拠である。
奇現象研究家ジョン・A・キールが統計をとったところによると、UFOの目撃はダムや山など、人目につかない場所に多いという。一方、子供の集団目撃や、校庭でUFOの目撃が多発している現状は、キールのこの説と矛盾する特異なものとなっている。ここに何か意味が見出せるのではないだろうか。
UFO研究家プレストン・E・デネットによると、空飛ぶ円盤と校庭でコンタクトする事例は数多く報告されているという。なかでも、その大半が小学校で起きている。彼が世界中の学校の校庭で起きたUFO体験談をまとめた著作、『Schoolyard UFO Encounters: 100 True Accounts』でも、第三種接近遭遇は3件を除くすべてが小学校で起きている。幼ければ幼いほど、より直接的なコンタクトが起きやすい。
UFOはより多くの子供にその存在を知らせたいようである。だが、それはなぜなのか…?
これらの事実から導き出される仮説としてはこうだ。
UFOは体験者の多感な時期に現れることで、その人生に深く影響を与えようとしているのだ。UFOは幼い子供の前に喜んで現れ、本人の心に何かをもたらす。それがうまく芽を出すと、再び現れ、多く目撃されるようになる。UFOは再び体験者本人が自らに目を向けるようになる時を待っている……。
1975年にふたりの少年によって報告された、甲府事件。2022年、甲府事件の体験者であるうちの一人、かつてはY少年と呼ばれていた山畠氏が名前を明かし、自らの体験をYouTubeやイベントなどで発信し始めた。2023年末に新たに開設されたYoutubeチャンネル「discover_yamanashi」にて語られたところによると、山畠氏は甲府事件以降も継続してUFOを目撃し、その写真や動画も撮影しているという。無農薬リンゴ栽培で知られ、同時に数々のUFOコンタクト体験もしている木村秋則氏と会い、甲府事件において身に起きた体験の意味について語り合ったこともあるという。常に、自分の近くで、UFOはまるでSPのように見守ってくれている……。山畠さんはそう語った。
山畠氏は宇宙人と遭遇したことを、今なおトラウマとして恐怖とともに記憶している。一方、宇宙人がコンタクトしてきたのは友好的な目的だったのではないか、山畠氏はそう考えるようになったという。別のYoutubeチャンネル「甲府UFO接近遭遇事件【Japan Kofu UFO Close Encounter Case】」にて、山畠氏は 様々な視聴者からの質問に答えた。なかでも、事件の際の宇宙人について「もう一度会えたらどうしますか?」との質問に対し、怯えて逃げたことを謝りたいと答えている。これは、UFOのもたらした神秘の芽が芽生え、山畠氏のなかで変化が起きたと解釈することもできるのではないだろうか。
あなたがこの記事を読んでいる間も、世界のどこかで子供達の前にUFOが現れている。UFO事件はどこか遠いところで起きるものではなく、常にあなたの生活と地続きのところにある。アメリカの著名なコンタクティー、ハワード・メンジャーは、20代後半にUFO体験をするなかで、実は幼少期からコンタクトを果たしていた記憶が思い出されたという。
この記事を読んでいるあなたも、ひょっとすると幼い頃にUFO体験をしているのではないだろうか。今はまだ記憶になくても、いつか思い出す時が来るのかもしれない……。
比嘉光太郎
「未確認の会」主宰。第2回日本ホラー映画大賞豆魚雷賞『絶叫する家』などオカルト、ホラーの研究、実践制作で活動する。
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