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タイ東北部、イサーン地方カラシン県の僻地に位置する小さな村バン・コップ・クラン・ヌーアが今、世界中の注目を集めている。古より村に伝わる厳格な掟を復活させたことがその理由だが、では掟とはどのような内容で、なぜ今になって復活させる必要があったのか?
実はバン・コップ・クラン・ヌーアでは、年明けから村の健康な若者が突然死する事件が相次いでおり、すでに15人が命を落としているという(詳細は報告されていない)。この事態を深刻に受け止めた村人たちが合議の末、一連の突然死は村人たちがかつて厳守していた“9つの掟”を破棄し、現代的ライフスタイルにうつつを抜かしたことで、村を護っていた慈悲なる魂に見放されたと結論。古の掟を復活させることを決めたのだ。
言い伝えによると、かつて同村では今回と同様に、若者たちの突然死が相次いだことがあった。そこで悪霊退散を祈念するため村に招いた高僧から“9つの掟”を伝授され、従ったところ突然死は収まった。以来、村人はその掟を長らく守り続けてきたが、近年は生活様式も大きく変わり、いつの間にか誰も守らなくなっていたという。そのような状況で、再び若者の突然死が村を襲ったのだ。
現在、村は再び高僧による儀式を執り行い、入口には新たにゲートを設置、村民や来訪者に対して「ここで立ち止まり、“9つの掟”を厳守すべし」と命じている。以下がその内容だ。
一、他所から死体を村に持ち込むべからず
一、村内で4本足の動物を殺すべからず
一、毎月8・14・15日は精米を避け、家に米を備蓄すべからず
一、毎月8・14・15日は村にチガヤを持ち込むべからず
一、毎月8・14・15日は村に薪を持ち込むべからず
一、毎月8・14・15日は村に土石を持ち込むべからず
一、毎月8・14・15日は家に炭を備蓄すべからず
一、村に肉を搬入する際は牛の足を吊り下げるべからず
一、村で木炭を作るべからず
現地メディアに対してバン・コップ・クラン・ヌーアの村長は、掟を破った者には500バーツ(約2,000円)の罰金を課し、神殿の修復のために活用すると語っている。
なお、村人が“9つの掟”を再び厳守するようになったところ、実際に突然死が収まり平安を取り戻したことから、効果があったと多くが実感している模様だ。一見すると非合理的と思える伝統や文化であっても、そこには我々の理解を超えた深い意味が秘められているのかもしれない。
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webムー編集部
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