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昭和の時代、矢口高雄氏の人気釣りマンガに登場し、一躍日本中に知られるようになった「幻の怪魚」タキタロウ。
山形県鶴岡市の朝日連峰にある高山湖、大鳥池に棲むという伝説の巨大魚だ。
地元では「瀧太郎」あるいは「竹太郎」として知られてきたこの魚は、体長が2メートルから3メートル。釣り好きにとってはたまらない「大物」でもある(実際、大鳥池は釣り人たちの「聖地」とされている)。

ただし、現地を訪れるには、一筋縄ではいかない。標高は約1000メートル。険しい山道を2時間半ほど登る必要がある。しかも冬季ともなれば、大量の雪で道は閉ざされる。まさに日本の秘境なのだ。
そもそも大鳥池は、西暦736年に僧・行基によって発見されたという伝説の池。村のいい伝えでは、「そこに棲むタキタロウを捕らえると、大災害が起こる」とされる神秘の地なのである。
それでも近年には、1985年のNHKの取材班をはじめ、タキタロウ捕獲の試みが幾度となく繰り返されてきた。実際に、全長1メートルを超える巨大魚が捕まったこともあるが、タキタロウだという決め手はない。
市のホームページによると、タキタロウの口はウサギに似ており、下あごの先が長くのびて、そのまま上あごの先に食いこんでいるというのだが……。
肝心の正体については、明治から大正期にかけて放流されたヒメマス説、イトウ説、イワナの巨大化説などがある。
なお、大鳥池から流れでる東大鳥川の下流には、鶴岡市が運営するタキタロウ館がある。こちらは夏季であれば自動車で訪れることも可能だし、館内には迫力あるタキタロウのレプリカや、さまざまな資料が展示されており、地元のイワナ料理を満喫することもできる。



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(月刊ムー 2026年07月号)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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