岩手の「雷獣」はエイリアンUMAか? 鬼と巨岩に宇宙を見た!/吉田猛々フシギ旅

文・写真=吉田猛々

関連キーワード:
地域:

    UMA研究をライフワークとする吉田猛々(ナナフシギ)が、岩手で七不思議調査! どう見ても猫のミイラからUMAとUFOの影響を考える。

    丹内山の七不思議とアラハバキ

     吉田猛々です! 今回の取材は岩手県。電車を乗り継ぎ、到着したのは花巻市のJR土沢(つちざわ)駅です。こちらは、かの有名な宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」の始発となった駅です、今回の旅の始まりとしてうってつけ。

     そして辿り着いたのは、丹内山(たんないさん)神社です。
     花巻市東和町(はなまきしとうわちょう)にある神社で、かつて坂上田村麻呂や物部氏、奥州藤原氏などからの信仰も篤かったという、とても歴史のある場所です。

     そしてこちらの神社、なんと七不思議が伝えられています。ナナフシギである猛々が七不思議を巡る、それもまた乙なもの……。

     さて、その七不思議の内訳は…

    ●どんなに日照りが続いても水が枯れない鉢がある。
    確かに乾いておらず、水が溜まっていました。

    ●翁杉の幹に桐の木が生えた。
    火災により、現在は大木の根本だけの現存ですが、その佇まいから霊験を感じます。

    ●境内に竹が生えない。
    ざっくりとした不思議、難易度高し、確証を得られず!

    ●どんなに寒くても境内の建物につららができない。
    取材したのは4月、確証得られずパート2!!

    ●「肌石」と呼ばれる石には雪が積もらない。
    こちらも4月、確証得られずパート3!!!

    ●境内にある銀杏の葉は強風でも境内の外に散らない。
    強風待ちをしなければならず確認得られず、まさかのパート4!!!!

    ●本殿脇障子に彫られている唐獅子をなめると居眠りしない。
    なんというクセの強さ!
    難易度に反し、その見返りが「居眠りをしない」、リターンが割に合わない!

     そしてこの神社の何よりの不思議、それはこちらでは謎の神と云われる「アラハバキ」を祀っているという事です。

     アラハバキとは、庶民の間で民間信仰的に崇拝されている神様。
     とても古くから存在しており、この神様を祀る神社は東北だけでなく、全国に点在しています。

     アラハバキは主祭神として祀られる事はもちろんあるのですが、客人神として祀る神社も少なくありません。これは『別の場所からその土地にきて祀られた神様』という意味合いもあります。

     仏教が伝わる前からアラハバキは祀られていた。
     しかし仏教伝来で駆逐され、元からいたアラハバキが格落ちして客人神にされた、そんな経緯の神社が日本には密かにあるのではないでしょうか?

     そして丹内山神社には、アラハバキ神にまつわる巨岩もあります。

     1300年以上前から御神体として祀られているこの巨岩。その大きさは凄まじく、何故ここにこのような岩があるのか、未知の力により運ばれたのではないかなど、さまざまな想像がはかどります。

    まるで猫…「雷神」のミイラ

     そして次に向かったのはお寺、雄山寺(ゆうざんじ)。こちらは永禄元年、1558年開基。花巻開町の祖、「信長の野望」では覇王伝から登場した、北信愛(きたのぶちか)公のお寺として有名です。

     こちらの雄山寺さん、なんと「雷神」のミイラがあるのです!

     雷神というと太鼓に赤い肌、鬼のような姿を連想しますが、こちらで祀られている雷神のミイラは手足が長く、猫のような姿をしています。昔から信仰の対象となっており、火災除けの守護神として崇められているとの事。

     猫のような姿のミイラ、そして雷にまつわる…?
     以前に取材に訪れた、新潟県寺泊の西生寺(さいしょうじ)さんを思い出します。
     こちらにもミイラが展示されてあり、それは「雷獣」と呼ばれるもの。

     その見た目は一見すると猫に似ていました。

     しかし、猫は基本的に雷を怖がります。遥か昔の日本には雷を操るかのように、雷鳴が鳴り響いても跳梁するような、そんなにゃんこさんのような生き物がいたのでしょうか? いや、いてほしい!

     静謐な境内で、大きく口を開いた雷神のミイラを眺めていると、まるで新潟の雷獣のミイラと兄弟であるかのように感じてしまいました。

    ****

     そして旅のラストはこちら、盛岡駅の三ツ石(みついし)神社。
     ここには注連縄が巻かれた3つの大きな石があり、周囲から「三ツ石様」と呼ばれ、遥か昔から人々の信仰の対象になっています。

     その石にまつわる伝説とは……。

     むかしむかし、盛岡には羅刹(らせつ)という鬼がおり、その悪行に人々は苦しめられていました。
     そこで人々が三ツ石神社の神様に祈願したところ、見事鬼は退治され、「二度と悪さはしません!もう二度と来ません!」と言いました。
     その証として鬼に手形を押させたもの、それがこの三ツ石なのです。

     ……とのこと。そもそも「岩に手形をつけた」事から『岩手』という県になったそうです。県名に鬼伝説が関わっているとは! 浪漫しかありません。

     しかし、巨岩と云えば思い出すのが旅の初め、丹内山神社のアラハバキ神。
     同じ岩手県のさほど離れていない区域に不思議な巨岩がある。もしかしたらアラハバキ神と鬼、岩手県は通説よりも密接な繋がりがあるのかもしれません。

     先ほどアラハバキを客人神として祀る神社も少なくないと、そして客人神には『別の場所からその土地にきて祀られた神様』という意味合いもあると記しました。

     別の場所からその土地にきて祀られた神様。
     色々な解釈ができそうな文言です、それならばひとつの考えとして、異星人と捉える事もできる!!

     ……この巨岩、もしかしたらUFOによってもたらされたものではないでしょうか?
     東北地方は他にも巨石にまつわるミステリースポット、不思議スポットが各地にあります。
     そうなると今回の雷神のミイラ、新潟の雷獣のミイラ、もしかしたらUFOにまつわる生物だったのではないか?

     そこで思い出されるのが、エイリアンビッグキャット(ABC)です!
     エイリアンビッグキャットとは、イギリスを中心に目撃される、大型の猫科の動物です。

     イギリスには大型の猫科動物は生息していないはずなのに、唐突に出現し、煙のように姿を消すのです。テレポート能力を有している等、様々な情報があるのですが、このエイリアンビッグキャット、一説にはエイリアンのペット、所謂エイリアンアニマルとも呼ばれているのです。

     巨大岩を異星人がもたらしたとするなら(理由や目的はさておき)、岩手の雷神のミイラ、新潟の雷獣のミイラ、これはエイリアンビッグキャットのミイラなのではないでしょうか!?

     それなら雷を恐れない、雷を操る、そんな力があっても不思議ではないですよね。

     歴史のミッシングリンクに胸が高まる、そんな吉田猛々フシギ旅でした。

    吉田猛々

    芸人コンビ・ナナフシギとして怪談やホラーを中心に活動するほか、UMAや都市伝説などオカルト的な分野を独自で調査する。好きなものはUMA、落語、槇原敬之、桜玉吉、りびんぐゲーム、BOYS BE…、ドラクエ、90年代プロレス、ファイプロ、美味しんぼ、ミスター味っ子など。

    関連記事

    おすすめ記事