聖杯はテンプル騎士団がイギリスに持ち帰っていた!? 映画監督が執念の調査で導き出した新説

文=webムー編集部

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    本物の聖杯が安置されている場所を“突き止めた“と主張するのは、イギリスの映画監督だ。人類が追い求めてきた聖杯の謎が、ついに解き明かされたのか――!?

    本物の聖杯がついに発見される!?

     イエス・キリストが最後の晩餐に使用した杯とされ、現在も本物がどこにあるかわからない聖遺物の一つ、聖杯。伝承によれば、この杯には癒しや永遠の若さをもたらす力があるとされ、中世以来、多くの探検家や考古学者たちがその行方を追い続けてきた。しかし、その実物はいまだ見つかっていない。

     そんな中、「ついに聖杯の在処を突き止めた」と主張し注目を集めているのが、映画監督のマーク・クリストファー・リー氏だ。同氏によれば「聖杯はイングランド、ハートフォードシャー州のセント・オールバンズ近郊に埋められている」という。

    マーク・クリストファー・リー氏 画像は「THE HERTS ADVERTISER」より引用

     長年にわたって独自の資料収集と調査・分析を重ねてきたリー氏は、「聖杯がイングランドへと渡ったことと、アリマタヤのヨセフを結びつける証拠を見つけた」とのこと。アリマタヤのヨセフとは、磔刑に処されたキリストの埋葬を託され、伝説によれば幻視の中で聖杯を授かった人物だ。 

     リー氏の主張の鍵となるのは、中世カトリックの宗教軍事組織で十字軍時代の三大宗教騎士団の一つ「テンプル騎士団」の存在。十字軍の遠征中、彼らはエルサレムの神殿で聖杯を見つけたとされる。その後、イギリス出身の兵士らが極秘裏にイングランドへと持ち帰り、現在のハートフォードシャーに隠した可能性が高いというのだ。さらに彼は、聖杯が最終的に薔薇十字団という秘密結社の中心メンバー、フランシス・ベーコン卿の手に渡ったと指摘する。 

    テンプル騎士団の姿を再現した人形 画像は「Wikipedia」より引用

    「ベーコンは秘教思想に深く関わっており、フリーメイソンやテンプル騎士団とも関係がありました。彼はセント・オールバンズのセント・マイケル教会に埋葬されています。この教会の窓には、薔薇十字団と結びつくシンボル・ダビデの星が描かれているのです」(リー氏)

     リー氏は、これまで見過ごされていたテンプル騎士団の墓所も発見したという。そして、この墓所こそが聖杯の最終的な安置場所であるとしながらも、「発掘許可が得られるまで、正確な場所は今のところ秘密にしておきます」と述べている。

    セント・オールバンズの町並み 画像は「THE HERTS ADVERTISER」より引用

    映画監督が挑む歴史の謎

     実は「本物の聖杯」候補は世界各地に存在するのだが、これまでスペイン・バレンシア大聖堂に安置されているものが本物だとする説が広く支持されてきた。一方、リー氏の主張はそれと異なり、「真の聖杯はイングランドに眠っている」とする独自の見解だ。

    バレンシア大聖堂に安置してある聖杯 画像は「Wikimedia Commons」より引用

     リー氏の聖杯探求は、自身の最新映画『The Last Grail Hunter』の着想の元になっているという。同作は、落ちぶれた学者で聖杯を毛嫌いしていた男が、聖遺物に隠された真実に迫ろうとする姿を描く物語。6月19日にはロンドンで開催されるレインダンス映画祭での上映も予定されている。彼は、この映画はフィクションではあるものの「実際の歴史研究と個人的な発見に根ざしている」と話す。

     聖杯は本当にイングランドに眠っているのか。その答えは、今後の発掘調査とともに、少しずつ明らかになっていくのかもしれない。

     長い年月を経て語り継がれてきた“聖杯伝説”は、今なお人々の好奇心を掻き立てている。マーク・クリストファー・リー氏の挑戦が、新たな発見につながるのか――その続報に注目したい。

    【参考】
    https://www.hertsad.co.uk/news/25211641.filmmakers-stunning-claim-holy-grail-st-albans

    webムー編集部

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