ナポリ大聖堂で聖遺物「ヤヌアリウスの血」が液化する奇跡発生! 来たる2025年への吉兆か!?

文=webムー編集部

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    恐れられていた災厄を防ぐことができたのか──。イタリア・ナポリ大聖堂で「聖ヤヌアリウスの血」が液化する“奇跡”が多くの信者たちの前で起こった!

    乾燥した血液が年3回“液化”する謎

     イタリア・ナポリ大聖堂で12月16日(現地時間)、グレゴリオ・ヴィンチェンツォ神父の手によって公開された「聖ヤヌアリウスの血」。ガラス製のアンプル(小瓶)に収められている乾燥した血液が再び液化する現象が起き、ナポリに安堵の声が広がった。科学的に説明がつかず「奇跡」ともいわれているが、一体その奇跡にはどのような背景があるのだろうか。

    ナポリ大聖堂 画像は「Wikipedia」より引用

     そもそも「聖ヤヌアリウスの血」とは、西暦305年に殉教したとされる(のちに守護聖人となった)ヤヌアリウスから採取された血液を収めた聖遺物だ。カトリック系メディア「Catholic News Agency」によると、乾燥した血液の液化現象は1389年から始まったという。また、この現象は毎年3回発生しており、聖人の遺体がナポリに移されたことを記念する5月の第1日曜日前の土曜日、聖人の祝日の9月19日、そして12月16日が該当する。

    聖ヤヌアリウス 画像は「Wikipedia」より引用

     伝説によると、古代都市ポンペイを壊滅させた火山として知られているヴェスヴィオ火山が1631年12月16日に噴火した際、「聖ヤヌアリウスの血」が液化。信者たちがそれを担いで街を行進しながら祈りを捧げたところ、なんと溶岩が止まり、ナポリは破滅から免れた。以降、12月16日は奇跡の日として言い伝えられるようになったらしい。

    「血の奇跡」の儀式を行う枢機卿 画像は「Wikipedia」より引用

     例年通り、2024年も12月16日に液化した聖ヤヌアリウスの血。報道によれば、今年は午前9時から公開が始まったものの午前中は何も起きず、午後になって液化現象が始まったそうだ。実は液化現象が起きない年もあり、ナポリの人々にとっては不吉な前兆とされている。実際に液化しなかった1527年には疫病が流行し、1939年には第二次世界大戦が勃発しているのだ。2024年を締めくくる最後の奇跡の日も無事に液化が起こり、信者から安堵の声が漏れたというわけだ。

    信者の献身と祈りが起こす奇跡か

     液化のプロセスにはバラつきがあり、数時間から数日かかることもあるという。聖遺物のため科学的な検証はされておらず、カトリック教会では説明のつかない奇跡は信者の献身と祈りのおかげで起こると信じているそうだ。

     今回の奇跡の後、「聖ヤヌアリウスの血」は大聖堂の宝物庫礼拝堂に運ばれ、ミサが執りおこなわれた。また信者たちも「奇跡が起こった!」と叫びながら祭壇へ行き、聖遺物にキスをして感謝の祈りを捧げたと報じられている。

     ガラスに閉じ込められた血が液化・乾燥を特定の日に繰り返す理由はいったいなぜか? この世界には理屈を超えた現象がまだまだあるという、なによりの証拠かもしれない。

    【参考】
    https://www.catholicnewsagency.com/news/261113/following-prolonged-wait-the-blood-of-st-januarius-liquefies-again

    webムー編集部

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