飛鳥の巨石文明 使用目的不明の巨石群/世界の新七不思議

文=並木伸一郎

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    超巨大建造物から超常事件の現場まで、各地のさまざまなミステリーを、超常現象研究の第一人者・並木伸一郎がセレクトした〝世界の新七不思議〟をご案内! 今回は〝7つの日本の超古代文明〟に選定したなかから、飛鳥地方に遺された巨石文明です。

    異形の巨石群

     奈良県高市郡明日香村とその周辺地区に残る、いわゆる「飛鳥の石造物」は、6世紀末から7世紀前半にかけて栄えた飛鳥時代に石で造られたとされる、遺物や遺構だ。人物像など、日本文化などを当てはめようとしても異形としか思えないものが多い。また、用途が明確でないものが少なくない。
     たとえば、明日香村に隣接する橿原市にある「益田岩船」。実に11×8×6メートル、重量900トンにおよぶ巨石で、上面に2個の方形の穴が穿たれている。しかも、この巨石は岩船山の標高約130メートル地点にあり、他で製作して運搬されてきたらしい。ただし、この遺構は製作地、製作者、使用目的などいっさい不明である。

    飛鳥時代に建造されたとされる石造物のなかでも日本最大級の益田岩船。だれが何の目的でどこから運んできたのか、その一切が不明である。

     さらには明日香村の石舞台古墳。7世紀初頭に造られたとされる横穴式石室で、被葬者は蘇我馬子が有力視されている。玄室は長さ約7・7メートル、幅約3・5メートル、高さ約4・7メートル、羨道は長さ約11メートル、幅2・5メートル。こちらは約30個の巨石が使われ、使用されている石の総重量約2300トンにおよぶ。

    天を仰ぐ人の寝姿にも似た石舞台古墳。蘇我馬子の墓だと考えられている。

     同じく明日香村の酒船石も奇妙な石造物である。大きさは5・5×2・3×1メートル。上面に皿状のいくつかのくぼみとそれを結ぶ溝が刻まれている。使用目的は酒造道具、または製薬用道具とされるが、定説はない。ちなみに近年、酒船石周辺から亀型石造物などの遺物も発見されたため、これらを総称して「酒船石遺跡」と呼ばれる。

    謎の溝が刻まれた酒船石。製薬用の道具だったという説もある。
    近年、周辺で亀型石造物も見つかったことから、酒船石とこれら遺跡とで連携して使用したものとの説も提唱されている。

    異星人が関わっている!?

     紹介したのは、明日香村とその周辺で発見された、不可思議な石造物のごくごく一部である。いずれも、現代から見てもかなり高度な建造・運搬法が用いられている。それゆえ、これらの異質な外見を呈する石造物の成因に、宇宙考古学の研究者たちが持論を展開している。すなわち太古、地球を訪れた異星人が造りあげたのだと。だとすれば、かつてはこの地域一帯に、「飛鳥の巨石文明」とでもよぶべき超古代文明が構築されていたのかもしれない。

    吉備姫皇女王墓内にある奇石、猿石は全部で4体ある。猿ではなく渡来人を象ったものとみられ、一説にはペルシア人ではないか、とも。
    亀石。これもまた明日香村にある謎の石造物。
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    並木伸一郎

    「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。

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