神話に描かれた「最初の皇居」遺跡! 鹿児島県 南さつま市の山中巨石群「宮ノ山遺跡」の謎
居住に適さない急峻な山肌に並ぶ巨石群はいつ誰が建造したのか? 薩摩に残る「古代日本神話」の現場を調査する。
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前回はこちら 目次1 人為的頭骨変形と長頭エイリアン信仰2 長頭エイリアン崇拝がもたらした儀式 人為的頭骨変形と長頭エイリアン信仰 ここで話はがらりと変わるが、人類学的・民俗学的な研究対象となるきわめて特異な信仰現象の […]
ここで話はがらりと変わるが、人類学的・民俗学的な研究対象となるきわめて特異な信仰現象のひとつに、“ カーゴカルト”という招神信仰の一種がある。通常、積荷信仰とか貨物信仰と訳される。ここで招神とは文字どおり「神を招き寄せる」意で、降神といい換えてもいいだろう。
カーゴカルトの典型的事例としては、近年では1920年代から第2次世界大戦後にかけて、当時植民地的な状況下にあった南太平洋のパプアニューギニアやメラネシアの島々の原住民男性たちにしばしば観察された。
彼らは大戦中に自分たちの土地に無断で進駐してきたアメリカ軍兵士を模倣して、裸の胸にUSAと赤ペンキで記した男たちが、銃代わりの棒切れを担いで隊列行進した。
あるいはまた、草原を滑走路状に均ならした帯状の区画に米軍のプロペラ式戦闘機そっくりに木や草で作った飛行機模型を置き、祈りと供物を捧げてその周囲を踊り回っては、自分たちが菓子やコーラや清涼飲料水といったすこぶるおいしい文明の産物に再び恵まれますようにと願いながら暮らすという、文明社会ではまず見られない奇妙な風習である。
人類学や民俗学の観点から見れば、このユニークなカーゴカルト現象は、人類の誕生以来その本性に深く刷り込まれた無意識的な行動パターンであり、地球上どこであろうが文明人と未開人とのコンタクトが起きれば、ほとんど決まって観察される行動のようだ。
そしてアイスマンの主張では、太古の地球上のどこであろうと“神々”すなわち“異星文明人”が降り立った場所では、とりわけ彼らの特長的な太く長い頭部が原住民に強烈な印象を与えたために、どこでも似たようなカーゴカルト信仰を発生させたというのだ。
ニューギニアの原住民が米軍のプロペラ戦闘機の模型を作ったのと同じように、地球上各地の原始人たちはこぞって彼らが目撃した“神々”の姿を洞窟内の岩壁にたくさん描き残した。
たとえば、冒頭で言及した有史前の旧石器時代(200万年前〜1万年前)に南米最南端で栄えたセルクナム文化は、両手を左右に広げた長頭の天空神族ホーウェンを、岩絵に何体も描き散らして現代にまで遺している。
そして不思議なことに、ほとんどそっくり同じポーズをした長頭人間の岩絵が、そこから1万キロ以上も北に離れた米カリフォルニア州ラヴァベッズの岩絵の中にも発見されているのだ。
興味深いことには、カリフォルニアから見て地球のほとんど反対側にあるエジプトのワディエルクァシュで発見された岩絵にも、杖を右手に持って走る長頭人間が描かれている。
エジプトと長頭の組み合わせといえば、古代王朝の多神教を一神教に代えたファラオ・アクエンアテンの肖像は、常に異様な長頭の怪人物として描かれている。
そして第2次世界大戦後まもなく、アメリカを先駆けとしてUFOブームが日本も含めて世界中に起こって以来というもの、ファラオ・アクエンアテン=異星人説が根強く囁かれるようになっているのだ。
ここでヨーロッパに目を転じれば、イタリアはローマのピゴリーニ有史前民族博物館に所蔵される陶製彫像サヴィニャーノの女神ヴィーナスは、典型的なトンガリ帽を頭に載せている。
古代イランに栄えたアムラシュ文化産のテラコッタ製ヴィーナス像もまた、両手を拡げたふくよかな長頭の女神像だ。
人間に化身した金星神のアステカ文化産陶像も長いトンガリ帽を被り、インド神話の創造神ブラフマーを象ったタミルナドゥ産陶像も、ストックホルムにあるスウェーデン歴史博物館所蔵の最高神オーディンの跪座像も、円錐形の装飾帽子を被っている。
そしてアステカ神話の風の神エヘカトルが円錐形のトンガリ帽を被っているのも、また北米ニューメキシコ州の先住民ホピ族のさまざまなカチーナ人形のうち、天空神カチーナが飾りたてた円錐形の頭をしているのも、すべて決して偶然ではないだろう。
しかしながら、“天空から降り立った異形の長頭エイリアン”を崇拝する神聖な行為として発生したカーゴカルト信仰の極致というべき風習は、“人為的頭(蓋)骨変形”と呼ばれる太古以来続けられてきた神聖な儀式を措いてほかにはない。
通常は集団内の多くは支配階級の成員の中から選び出した者を、彼らが“神々”と崇める“長頭エイリアン”の疑似的一員に昇格させる儀式で、その方法としては被験者当人の頭を人為的に長く太く変形させて“長頭”にすることで達成する。
人為的頭骨変形の具体的方法としては、今日少なくとも2通り知られている。頭を布でぐるぐる巻きに硬く縛り上げるか、あるいは2枚の板で頭の両側をきつく挟むか、のいずれかである。
とはいうものの、骨が硬くなった成人ではとうてい無理なので、通常は集団の中で統率と指導にあたる上位階級の子女から選ばれた特定の赤子や幼児、あるいは少女(少年はなぜか敬遠された)が対象にされたようだ。
プレインカやインカの頭骨変形に詳しいカナダ人彫刻家のインカ研究者ブライアン・フォレスターによれば、人為的な変形が施された頭骨の発見例は、ペルーのプレインカ・インカ文化だけではなく、古くはヨーロッパのドイツやクロアチア、中東のイラク、アジアのネパール、中米メキシコのマヤ文化など、世界の各地に広く記録されているという。
近年になってもごくまれではあるが、南太平洋のバヌアツ共和国など発展途上的な国々や地方では、いまだに報告されることがあるようだ。
しかし当然のことながら、なぜこのような奇妙で不思議な風習が大昔から受け継がれてきたのか、現在となってはその真の理由を知る者はだれもいない。
選ばれてこの苦痛でしかない頭骨変形の儀式を強いられる気の毒な子供たちはもちろん、この奇怪至極な風習を太古から代々受け継いで後生大事に実行する当事者たちにすら、知る者はいないのだ。
真の理由を知る者はただ、太古から続くこの奇怪な儀式的風習の専門研究者である考古・歴史・人類学者アイスマンを筆頭に、彼が地球史上の隠された大いなる真実と見なす「太古宇宙飛行士仮説」の支持者や理解者たちだけなのかもしれない。
南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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